今年4月から適用される『遊戯王OCG』の新リミットレギュレーション。多くのカードが禁止・制限を受けましたが、たった1枚だけ、禁止を解かれ復活するカードがありました。
それが今回ご紹介する「フュージョン・デステニー」です。

使い勝手のいい融合魔法カード
「フュージョン・デステニー」は、2019年発売の『DARK NEOSTORM』で登場した融合魔法カード。今年1月のリミットレギュレーションで「禁止カード」に指定されましたが、今回晴れて「制限カード」として復帰を果たしました。

一体なぜここまで数奇な運命を辿ったのでしょうか。それを考えるためには、まずカードの基本的な性能を振り返っておく必要があるでしょう。

「フュージョン・デステニー」の強みは、デッキのモンスターを融合素材にできること。その代わりに、「『D-HERO』モンスターを融合素材に指定」「融合召喚したモンスターは次のターンのエンドフェイズに破壊される」「発動後、ターン終了時まで自分は闇属性の『HERO』モンスターしか特殊召喚できない」という3つの制約が課されています。

そもそも「D-HERO」デッキは、「D-HEROドミネイトガイ」「D-HEROデッドリーガイ」など、強力な融合モンスターを多数揃えているのが特徴。それらをたった1枚で場に出せるので、強いなんてものではありません。

とくに「ドミネイトガイ」は破壊された時、レベル9以下の「D-HERO」モンスター3体を自分の墓地から蘇生する効果を持っています。「フュージョン・デステニー」のデメリットとかみ合うため、相性は抜群でした。

あまりに強力すぎるコンボも…
しかし『遊戯王OCG』には、さらに「フュージョン・デステニー」と相性のいい融合モンスターが存在します。
それが「D-HEROデストロイフェニックスガイ」。

このカードで強力な効果は、「自分・相手ターンに、好きなタイミングで自分フィールドのカード1枚とフィールドのカード1枚を選んで破壊する」「破壊された場合、次のターンのスタンバイフェイズに、自分の墓地から『D-HERO』モンスター1体を特殊召喚する」の2つ。一言でいうと、自分と相手のカードを1枚ずつ破壊する効果と、自己蘇生できる効果です。

さらに「フュージョン・デステニー」と組み合わせると、より一層強力。「融合召喚したモンスターは次のターンのエンドフェイズに破壊される」というデメリットが帳消しになってしまうことに…。

「禁止カード」となった理由は?
また、「フュージョン・デステニー」は「フュージョン」とつく魔法カードなので、「捕食植物ヴェルテ・アナコンダ」でデッキから直接発動することが可能。つまり、これらのカードと融合素材や「デストロイフェニックスガイ」を入れておくだけで、いとも簡単にコンボを始動できます。

「フュージョン・デステニー」が一度「禁止カード」行きになったのは、こうしたコンボがあまりに強力だったからかもしれません。4月の制限改定で、代わりに「ヴェルテ・アナコンダ」が「禁止カード」となっていることも、考察の裏付けになりそうです。

ちなみに、『マスターデュエル』では「フュージョン・デステニー」と「ヴェルテ・アナコンダ」が実装済み。ですが、「デストロイフェニックスガイ」はまだ実装されていません。

もし今後実装されるとすれば、やはりいずれかが「禁止カード」になってしまうのでしょうか…。
編集部おすすめ