現在、『ウマ娘 プリティーダービー』の新たなCMとして「GENERATIONS」シリーズが放送中。ファンなら誰しも胸が躍るようなクオリティですが、その内容からJRAの“伝説的CM”を思い出す人も多いようです。


過去から現在に受け継がれる名馬の魂
「GENERATIONS」は、各時代に活躍したウマ娘たちに焦点を当てたCM。たとえば6月10日に公開された第3弾の「強者を求めた時代」編は、“地方より来る葦毛の怪物”オグリキャップ、“天下に轟く白い稲妻”タマモクロスなどが登場しています。

いずれもハードロック調のBGMをバックとしており、渋いナレーションが挟み込まれるスタイル。そのスタイリッシュな演出には、2011年~2013年にかけて制作されたJRAの人気CMシリーズとの共通点を見出せます。

「20th Century Boy」「The Winner」「The Legend」と呼称されるJRAのCMもまた、シンプルながらかっこいい演出でお馴染み。「T-REX」の「20th Century Boy」などのBGMと共に、名馬を端的に表すキャッチフレーズが流れるものでした。

『ウマ娘』にも実装された名馬たちが多数登場しており、「そのモンスターの名はミホノブルボン。常識は、敵だ。」「メジロマックイーン、父子三代制覇。絶対の強さは、時に人を退屈させる。」といった名フレーズが盛りだくさん。今振り返っても、競馬好きなら誰しも心を揺さぶられるでしょう。

ちなみにこのCMシリーズ、『ウマ娘』のアニメやゲームにもさまざまな影響を与えているようです。

『ウマ娘』アニメやゲームにも大きな影響
まずはアニメにおける影響から振り返ってみましょう。
代表的なものといえば、第2期でライスシャワーが発した「ライスはヒールじゃない…ヒーローだ!」というセリフや、第8話の特殊OPでライスシャワーが目から蒼い炎を発する姿などが挙げられます。

こうした描写の元ネタと思われるのは、2012年に放送された「The Winner」のライスシャワーを紹介する映像。「王者メジロマックイーンの三連覇を阻んだ、漆黒のステイヤー。ヒールか、ヒーローか。悪夢か、奇跡か。」というナレーションと共に、目に蒼い炎を宿したライスシャワーの姿が映し出されるのですが、アニメの描写はここからインスパイアを受けていそうです。

他にも、アプリ『ウマ娘』においてスーパークリークのグッドエンディングは、「一生に一度の出会い」というイベント名でした。これは2013年のCM「The Legend」でスーパークリークが取り上げられた際の、「本当の出会いなど、一生に何度あるだろう?」というナレーションに由来するのではないでしょうか。

『ウマ娘』ファンにとっても競馬ファンにとっても、まさにレジェンドと呼ぶべきCMたち。現在は放送が終了していますが、実は映像ディレクターを担当していた小林大祐氏のウェブサイトでは、今でも動画を視聴できます。あらためて名馬たちの思い出に触れてみてはいかがでしょう。
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