「週刊少年ジャンプ」の人気マンガ「HUNTER×HUNTER」。前回掲載されたのが2018年と4年の休載期間がある同作ですが、ここ最近、作者の冨樫義博先生が原稿の進捗状況を報告するTwitterアカウントを開設。
連載再開が近いのではないか…と大きな話題となっています。

何度もゲーム化されたり、ゲームが舞台となる「グリードアイランド編(G・I編)」があったり、作者の冨樫先生もゲーマーだったり、何かとゲームとの縁が多い同作。今回はそんな「HUNTER×HUNTER」の連載再開に期待しつつ、そのゲームソフトの歴史を振り返ってみましょう。

狩人(ハンター)らしい冒険が味わえる『HUNTER×HUNTER 禁断の秘宝』
1998年に連載が始まった「HUNTER×HUNTER」。その連載期間は20年以上にも及びます。週刊連載マンガの常として何度か路線変更もしてきたわけですが、特に違いが大きいのは、珍獣・財宝・秘境など“未知”という言葉に魅せられた「ハンター」という職業を目指す人々にスポットが当てられた初期と、「念能力」という特殊能力にスポットが当てられた中期以降でしょう。

ゲームボーイカラー用ソフトとして発売された『HUNTER×HUNTER 禁断の秘宝』は、最初期の「ハンター」にスポットが当てられていた頃のゲーム。秘宝島という謎の島に漂着したゴンたちが謎を解きながら島を冒険する、いわゆる「メトロイドヴァニア」系の、探索型横スクロールアクションゲームでした。

製作は、メトロイドヴァニア系の本家『悪魔城ドラキュラ』と同じKONAMI。『悪魔城ドラキュラ』同様、メトロイドヴァニア系のツボはしっかりと抑えつつ、ハンターとして未知の土地を冒険する…という原作要素もバッチリ兼ね備えています。

本作の操作可能なキャラクターは、ゴン・キルア・クラピカ・レオリオの4人。それぞれ得意なアクションと苦手なアクションが設定されており、キャラクターを切り替えながら探索を進めるという、ハンターらしく頭脳が必要なシステムを採用。


ドット絵で表現されたキャラクターたちは、顔グラ・アクション用のキャラグラ共に再現度抜群。操作キャラは上記の4人ですが、サポートキャラ・敵キャラとしてポックルやヒソカなど、名キャラたちもしっかりと登場。初期「HUNTER×HUNTER」の世界を存分に味わい尽くすことができる名作です。

あの“G・I”編をゲームで再現『HUNTER×HUNTER 幻のグリードアイランド』
「HUNTER×HUNTER」でゲームといえば、忘れてはならないのが「グリードアイランド」。作中ではゴンの父親が作ったというハンター専用のゲームで、世界に100本しかなく、オークションでは数百億の値がつくという伝説のゲームでした。そんな「グリードアイランド」の名を冠したゲームが、PS用ソフトとして発売された『HUNTER×HUNTER 幻のグリードアイランド』です。

同作の主人公は、ゲームオリジナルのハンター。名前や使用武器はプレイヤーが任意で決めることができます。さらに、原作でお馴染みの「水見式」で念能力の系統を決めるという、ファン垂涎の演出も。

同作の特徴は、豊富な仲間キャラクター。ゴンやキルアはもちろん、ヒソカやカイトといった原作でお馴染みのキャラクターをはじめ、カストロやネテロ会長まで仲間にできます。プレイヤーの分身であるオリジナルのハンターが彼らとパーティを組む姿は、原作ファンにとってはたまらないことでしょう。


システムは『風来のシレン』などでお馴染みの、自動生成されたダンジョンを探索するローグライクRPG。入る度に内部の構造が変わるダンジョンに挑み、希少なアイテムを収集しつつ念能力を鍛えていくことになります。

ダンジョンは入る度に別の形に変化するため、遊びごたえは無限大。原作の「グリードアイランド」さながら、1度ハマると抜け出せない、沼のような魅力を持ったゲームでした。

新アニメ版声優陣と物語を追体験『HUNTER×HUNTERワンダーアドベンチャー』
1999年と2011年、2度のアニメ化を果たしている「HUNTER×HUNTER」。その新しい方のアニメ放映時に制作されたのが、PSP用ゲーム『HUNTER×HUNTER ワンダーアドベンチャー』です。

2012年発売のゲームだけあり、ボイスもしっかり完備。ゴン役の潘めぐみさん、キルア役の伊瀬茉莉也さんらの声を聞きながら、「ハンター試験編」から「天空闘技場編」までの序盤の物語を追体験することができます。

同作のシステムは、任天堂の傑作ソフト『ゼルダの伝説 時のオカリナ』を思わせる戦闘あり、謎解きありの3Dアドベンチャー。他の人間だけでなく、獰猛な猛獣や自然環境も大きな敵となる「HUNTER×HUNTER」の世界観と、非常によくマッチしています。

特徴は主人公・ゴンの故郷である「くじら島」や、人間に変身する魔獣「凶狸狐」が住む「一本杉」、ハンター試験の会場であり、人を騙し食らう生物たちが住まう「ヌメーレ湿原」など、原作で印象深かった場所をステージとして再現している点。

前述の凶狸狐や巨大な鼻で獲物を押しつぶす豚・グレイトスタンプなどの原生生物も敵として登場。
未知の生物が蔓延る原作の世界観を、存分に味わうことができます。

もちろん、キャラクターも脇キャラまでしっかり網羅。恐らく、死刑囚・マジタニと本格的な戦闘ができる「HUNTER×HUNTER」のゲームは、同作だけなのではないでしょうか。

連載再開の暁には、未だゲーム化されていない「キメラアント編」や「暗黒大陸編」のゲーム化も期待したいところですね。
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