※本記事は『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の内容に触れています。ネタバレにご注意ください。


シリーズ最新作として、過去作からさまざまな面で進化を遂げた『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット(ポケモンSV)』。しかし必ずしも新たな要素が追加されただけではなく、なかには“今作で消えてしまった要素”もあるようです。

◆「パルデア地方」に釣り文化は存在しない?
『ポケモン』シリーズの大きな変化として、避けては通れないのが“釣り要素”の歴史です。

これまでの歩みを振り返ると、初代から『ポケットモンスター X・Y』までは「ボロのつりざお」「いいつりざお」「すごいつりざお」というアイテムが入手可能。そして『ポケットモンスター サン・ムーン』から、「つりざお」1本に統一されていました。

ところが『ポケットモンスター ソード・シールド』を最後に、釣り関連のアイテムは廃止されることに。『ポケモンSV』でも、「つりざお」は登場しません。

さらにはその余波を受けてか、釣りを専門とするモブトレーナーの「つりびと」が姿を消してしまいました。実はシリーズ皆勤賞NPCの1人だったのですが…。

ちなみに『Pokémon LEGENDS アルセウス』にも、「つりざお」とモブトレーナーの「つりびと」は登場しませんが、同作はそもそも世界観自体が大きく異なっています。同じ世界観のゲームで、釣り要素がない『ポケモンSV』は、1つの転機と言えるかもしれません。

◆名前を奪われたジムバッジ
『ポケットモンスター』シリーズといえば、8つのジムを制覇して「ポケモンリーグ」に挑戦する…という流れが定番。
その道中で手に入るジムバッジには、それぞれ名前が付けられていました。

たとえば「ニビジム」のタケシからは「グレーバッジ」、「ヤマブキジム」のナツメからは「ゴールドバッジ」など…。各ジムバッジは町のイメージやジムリーダーが司るタイプといった要素がモチーフになっており、デザイン面でも個性が見られます。

『ポケモンSV』でも、個性豊かなジムバッジのデザインは健在。全体マップから倒したジムリーダーのバッジデザインを確認する機能も用意されています。

ですが各ジムバッジの“名前”については、全体で統一され、個別の呼び方がなくなることに。マニアックなクイズの問題などにして、記憶力を試すにはちょうどいい素材だったのですが、今作では別のところから問題を作る必要がありそうです。

◆貴重なマスターボールがもらえた「IDくじ」
また、意外に知られていないのが「IDくじ」の廃止かもしれません。

「IDくじ」は、所有しているポケモンたちの“トレーナーID”を使ったくじ引き要素。毎日抽選が行われ、当選するとマスターボールやポイントマックスといった貴重なアイテムを入手できる…というシステムでした。

このくじ引きは『ポケットモンスター 金・銀』で実装されて以来、ほとんどの作品に導入されていたため、日課になっていたという人もいるようです。

とはいえ、毎日抽選の結果を見に行くのは、おそらくライトユーザーにとってハードルが高い行為。
誰でも平等にプレイできるようにと、配慮した結果でしょうか…?

新たな要素を加える際には、その代わりに何かが削減されるもの。新陳代謝こそが、シリーズを長年継続させる秘訣なのかもしれませんね。
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