舞台から人物まで全てが完全新作の『エンゲージ』ですが、過去作のキャラクターたちも登場。彼らは「紋章士」となり、指輪を通して本作のキャラたちに力を貸してくれます。
現在、12人の「紋章士」が公式サイトに記載。シリーズファンにはお馴染みの面々ばかりですが、最近『FE』シリーズに触れた方からすれば、知らないキャラもいることでしょう。そこで『エンゲージ』の発売に備え、それぞれの「紋章士」に迫る記事をお届け!今回は、『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』の「シグルド」を取り上げます。
◆弱きを助け、戦場では先陣に立つ「シグルド」……その高貴な魂は、しかし報われず
『FE』シリーズは、『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』から始まり、『ファイアーエムブレム外伝』までファミコンソフトとして登場。シミュレーションRPGの先駆け的な存在ですが、シリーズ人気という意味では、次世代のスーパーファミコンで大きく花開きました。
まずは、『暗黒竜と光の剣』をリメイクし、さらに後日談となる「英雄戦争編」を新たに加えた『ファイアーエムブレム 紋章の謎』がスマッシュヒットを記録。優れたゲーム性はファミコン時代から高く評価されていましたが、グラフィックの強化やUIの改善などで間口を広げ、一気にファンを増やしました。
『紋章の謎』がシリーズ人気の立役者とするならば、その2年後にリリースされた『聖戦の系譜』は、新たなユーザー層を獲得し、その知名度をさらに広げた名優と言えるでしょう。
『聖戦の系譜』の主人公「シグルド」は、等身の高い美青年。『紋章の謎』で主人公を務めた「マルス」はまだ年若かったため、その比較もあって一層大人びた雰囲気が感じられました。
また、困っている人を助け、守り支えんとする気質の持ち主で、戦場では先頭に立って道を切り開く勇猛果敢さも持ち合わせています。そうした在り方から、隣国との戦争の最中に出会った「ディアドラ」に手を指し述べたのも、シグルドにとってごく自然な選択でした。
その後、シグルドとディアドラは想いを深め合い、出会って間もなく結ばれます。ふたりは息子の「セリス」にも恵まれ、波乱に満ちた時代の中でかけがえないのない幸せに包まれました。
しかし戦乱の波は、シグルドたちからかけがえのない幸せを奪い去ります。セリスを残してディアドラが失踪し、自身は反逆者という汚名を着せられ、妻を捜すこともままならず逃亡者の立場に甘んじることに。身の潔白を証明しようと足掻くも、その道中で親友や父を失い、過酷な日々が明ける気配はありません。
仲間や親友を失い、妻を奪われたシグルドは、その汚名をそそぐことも叶わないまま、黒幕の手によって命を落としました。弱きを助け、困難に立ち向かい、人々を良く導いた生き様とは真逆の、悲しすぎる結末です。
「そんな結末で終わっていいの?」と思われるかもしれませんが、実は『聖戦の系譜』の構成は前後編の二部作。シグルドは前編の主人公を担当し、後編は時が過ぎて成長したセリスが担います。
『聖戦の系譜』全体の物語としては、セリスと仲間たちの手で無事勝利を飾りました。ですがシグルド自身は、国と民のため献身的に尽くしたものの、非業の結末を迎えています。どこまでも正しく振る舞い、そして報われなかったロード・シグルド。その姿を、多くのプレイヤーが忘れられずにいます。
ちなみに『聖戦の系譜』を今遊ぼうと思った場合、Nintendo Switch Onlineで配信中なので、このサービスに加入後にニンテンドースイッチでプレイするのが最も手軽です。また、 Wii UやNew 3DSをお持ちの方は、それぞれバーチャルコンソール版が展開中。(2023年3月28日午前8時59分まで)こちらは買い切り型なので、お好みのスタイルで『聖戦の系譜』を楽しんでください。
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◆機動力の向上が素晴らし過ぎる!「シグルド」の指輪がもたらす恩恵の数々
原作では高い機動力で活躍したシグルドですが、『エンゲージ』では指輪を通じてどんな力を与えてくれるのか。まずシンクロスキルですが、攻撃後にもう1度移動できる「再移動」の効果を得られます。
前線で孤立すると四方から攻撃を受ける可能性がありますが、「再移動」を駆使して退けばその危険を少しでも減らすことができます。また、敵ユニットに攻撃した後、「再移動」でその場所を他のユニットに譲れば更なる攻めも可能。「再移動」は、戦略を豊かにする非常に有用なスキルです。
また、エンゲージスキル「迅走」は、移動が常に+5という驚きの効果を発揮。しかも騎馬ユニットの場合、さらに移動が+2アップし、合計で+7ものボーナスを得られます。騎馬は元々移動力が高めなので、一気に間合いを詰めたり、敵軍を回避しつつ後方の魔法系ユニットに奇襲を仕掛けたりと、縦横無尽な活躍を見せてくれそうです。
ですが、「迅走」が有効なのは騎馬だけではありません。物理防御力が高い一方で、機動性が低いアーマー系や生命線とも言える回復系ユニットにもたせることで、前線の維持や仲間のサポートに役立つことでしょう。
機動力の高さは戦略の幅を広げ、戦いを有利に運びます。しかし、その恩恵を受けるのは敵側も同様。機動力のある敵の騎馬は、時にこちらを翻弄する厄介な相手です。ですが、エンゲージ武器の「ナイトキラー」は騎馬に特攻を持ち、大ダメージを与えることが可能。敵の機動力を削ぐ面でも、シグルドの力が頼りになります。
そして、必殺技ともいえるエンゲージ技「オーバードライヴ」は、直線上に並んだ敵を攻撃しつつ、その反対側まで一気に駆け抜ける攻撃技。高い機動力を活かし、最もダメージを与えられる急所から多数の敵を一網打尽にすれば、敵陣の壊滅も待ったなし。
『聖戦の系譜』は、シリーズファンからリメイクの要望が今も絶えない人気作。その象徴的な人物であるシグルドは、悲運の主人公でもありました。しかし、その結末が彼の魅力や在り方を損なうものでは決してありません。素晴らしき公子と共に、『エンゲージ』で勝利を掴んでみませんか?
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