Fate/Grand Order』(以下、FGO)の期間限定イベントは、時に配布サーヴァントがもらえることもあります。例えば、現在開催中の「螺旋証明世界 リリムハーロット ~喝采なき薔薇~」では、シナリオを最後まで進めると「★4 セタンタ」が正式加入。
また、一定の条件をクリアすれば、再臨素材の入手や宝具のレベル上げも可能です。

配布サーヴァントは、聖晶石を使わず手軽に戦力を獲得できる嬉しい存在。しかし、該当するイベントが終わると手に入れることができず、入手のチャンスは復刻やインタールード入りを待つのみ……だったのは過去の話。今は新たに、「巡霊の祝祭」で獲得するという新たな手段が増えました。

「巡霊の葉」との交換になるものの、手に入れぞびれた配布サーヴァントがもらえるのは、非常に嬉しい話です。また、すでに確保済みのプレイヤーも、「巡霊の祝祭」に加わった配布サーヴァントのコインを手に入れられるので、新規・ベテランともに見逃せません。

「巡霊の祝祭 第1弾」では、「★4 坂田金時(ライダー)」「★4 酒呑童子(キャスター)」「★4 ケツァル・コアトル〔サンバ/サンタ〕」の3騎が対象となりましたが、5月10日に第2弾が行われ、更に4騎が「巡霊の祝祭」入りを果たしました。

今回の加わったのは、「★4 エリザベート・バートリー〔ハロウィン〕」「★4 エリザベート・バートリー〔ブレイブ〕「★4 織田信長(アーチャー)」「★4 謎のアイドルX〔オルタ〕」の4騎。いずれも、実装時期からクラスまで異なる、多彩な面々です。

初期から遊んでいるプレイヤーにとってはいずれも見慣れた顔ですが、途中から始めた方からすれば、ピンと来ないサーヴァントがいても不思議ではありません。そこで、今回加わった4騎について、性能や話題となったポイントなどを分かりやすくお届けします。「誰から手に入れようかな?」と悩んでいる方は、この記事を取捨選択の材料にどうぞ。


■「エリザベート・バートリー〔ハロウィン〕」(キャスター/全体攻撃宝具)
この「エリザベート・バートリー〔ハロウィン〕」、通称「ハロエリ」が最も早く登場したのは、2015年のハロウィンイベント「歌うカボチャ城の冒険~マッドパーティー2015~」。今から7年以上も前に実装されており、古参組と言ってもいいサーヴァントです。

しかも彼女は、『FGO』初の配布サーヴァント。当時はサーヴァント全体の数も少なく、宝具LVが重なっているサーヴァントは貴重な存在でした。そんな時代に、聖晶石を使うことなく宝具LV5まで上げられる★4キャスターがもらえるのは、破格と言ってもいいほど。多くのプレイヤーが「ハロエリ」の登場を喜びました。

ですが、実装が古いほど、スキルや宝具の効果がシンプルになりがちです。この「ハロエリ」のスキルもかなり素朴で、「毎ターンスター獲得状態を付与&HP回復」や「バスターカードの性能アップ&敵全体にやけどを付与」など、あっさりとしています。

しかし、スキルの「出演続行」が「ハロウィン・アンコール!」に強化され、自身に最大30%のNP付与が可能になったので、宝具発動のハードルが大きく下がりました。アペンドスキル2も併用すれば、1ターン目で50%のNPを自前だけで確保できるのは、なかなかの利点です。また、敵全体に延焼状態を付与できる効果も加わったのも、嬉しいポイントです。

パワフルで派手なパンチこそありませんが、3ターンにわたってスターを最大12個獲得できるなど、小回りも利く「ハロエリ」。
キャスターは、単体よりも全体攻撃の宝具持ちに偏っており、ライバルの多さが難点ですが、ここの戦力がまだ薄い方は「ハロエリ」を早めに入手するのも悪くありません。

■「エリザベート・バートリー〔ブレイブ〕」(セイバー/単体攻撃宝具)
「エリザベート・バートリー〔ブレイブ〕」は、2016年のハロウィンイベント「ハロウィン・カムバック! 超極☆大かぼちゃ村 ~そして冒険へ……~」で実装された配布サーヴァント。前年はキャスターでしたが、とうとうセイバーにもなりました。ちなみに、こちらの通称は「ブレエリ」。

サービス開始から1年ちょっとが経ったとはいえ、狙いを絞るか聖晶石をかなりつぎ込まないと、宝具LVの高い★4セイバーは高嶺の花でした。また、当時は恒常の★5セイバーに単体攻撃宝具持ちがいなかったのも、戦力の枯渇に拍車をかけていました。

そのため、配布で登場した「ブレエリ」を喜んだ人が少なくありません。ATKも★4の中では高めですし、カード構成もまずまず。スキルはこちらもシンプルながら、「無敵状態付与&NP獲得量アップ」や「バスターカードの性能アップ&防御力アップ」など、攻防に直接繋がるものが多く、使いやすいサーヴァントでした。

また、「ハロエリ」の特徴と言えばビキニアーマーな見た目……ではなく、スキル3の「真紅の勇者伝説」。一定以上のNPがある時のみ使える限定的なスキルですが、カード性能や攻撃力アップ、HP回復に無敵、スター大量獲得など、いずれかの効果をランダムで発動するという、予測不可能なスキルです。

多彩だからこそ読めない効果、NPを引き換えにする大きなデメリットなど、色んな意味で他のサーヴァントには見られないスキルに、プレイヤーたちは驚かされました。
例えるならば、『ドラクエ』における「パルプンテ」のようなスキルです。

非常にユニークなスキルを持っていますが、実際の使い勝手を考えると戦略的に組み入れにくく、実質的にはふたつのスキルで戦う状態になりがち。当時はレア度が高い単体攻撃宝具持ちセイバーが少なかったので助けてもらったプレイヤーもいましたが、今現在の基準で見るとやや厳しい立ち位置と言えます。

また、同クラス・同じ宝具持ちの配布セイバーが増えたのも、逆風と言えるでしょう。宝具の属性が違うとはいえ、今手に入る「セタンタ」も単体攻撃宝具持ちのセイバー。獲得に「巡霊の葉」が必要な「ブレエリ」は、優先度的にやや下がるかもしれません。

■「織田信長」(アーチャー/全体攻撃宝具)
「織田信長(アーチャー)」も実装がかなり古く、2015年開催の「ぐだぐだ本能寺」が初出。「ハロエリ」に続き、2騎目の配布サーヴァントとして登場しました。このサーヴァントは便宜的に、「弓信長」と呼ばせていただきます。

「ぐだぐだ本能寺」は、今も続く「ぐだぐだ」シリーズの原点。史実の事件や人物に絡め、ギャグ度高めな“ぐだぐだ感”を匂わせつつも、急転直下なシリアス展開も盛り込む、贅沢全部盛りなイベントを毎回のように展開します。

その先陣として配布された「弓信長」は、まさしくその“ぐだぐだ感”を体現したようなサーヴァント。
ボケからツッコミまでこなしつつ、いざという場面になればシリアスの切れ味も満点。立ち絵の風格とも相まって、「ぐだぐだ」シリーズでも指折りの人気サーヴァントでした。

ハロウィンイベントのたびに主役が変わる(霊基が増える)エリちゃんと違い、「ぐだぐだ」シリーズで主要な立場を長く続けてきた「弓信長」。一方で、入手は初期に限られていたため、“目にする機会は多いのに手が届かないサーヴァント”の代表格でもありました。しかし「巡霊の祝祭 第2弾」で獲得できるようになったので、嬉しい人も多いことでしょう。

性能的にはスキルがやはりシンプルで、物足りなさを感じるかもしれません。ですが、「〔神性〕特攻状態」を自身に付与できる上に、宝具効果に「〔騎乗スキル〕特攻」があるので、神性と騎乗相手にはなかなかのダメージを叩き出します。また、2つの特攻が重なる相手には、更なる大ダメージが望めます。

全体攻撃宝具持ちアーチャーは★5も含めると強力なサーヴァントが多いので、手持ち次第ですが汎用的に出番があるかと言えば少し難しいでしょう。しかし、神性と騎乗持ちの相手なら、起用を検討する価値は十分あります。

最近の「ぐだぐだ」イベントでは、アヴェンジャーの信長に出番を食われている面もありますが、個人的には押さえておいて損のないサーヴァントだと思います。

■「謎のアイドルX〔オルタ〕」(フォーリナー/全体攻撃宝具)
ここまでの3騎はサービス初期の配布サーヴァントでしたが、「謎のアイドルX〔オルタ〕」の実装は2021年開催の「 輝け! グレイルライブ!! ~鶴のアイドル恩返し~」。
約2年前に登場した、配布サーヴァントの中では比較的新しい部類です。

彼女は、「謎のヒロインX〔オルタ〕(バーサーカー)」の別霊基。元々はアルトリア系から派生したのが「謎のヒロインX〔オルタ〕」ですが、そこに“アイドル”という更なる要素が加わって誕生したのが、この「謎のアイドルX〔オルタ〕」です。

「謎のヒロインX〔オルタ〕」自体が、独特のセンスを発する口調や一風変わった雰囲気などで高い人気を誇っていましたが、そこにアイドル要素が加わり、新たな魅力を備えた「謎のアイドルX〔オルタ〕」が注目されないわけがなく、こちらも高い関心を集めました。

比較的最近の実装なので、スキルの効果は前者3騎と比べてかなり豊かです。自身の支援に特化していたバーサーカーな彼女と違い、味方へのバフやHP回復も所持。また、自身に「機械〕特攻状態」を付与できるのも、独自の強みでしょう。

また、バーサーカーとプリテンダー相手に強い「フォーリナー」という点も見逃せません。フォーリナー自体が、まだ数が少なく珍しい上に、このクラスの配布は彼女が初であり、現時点では唯一。その意味では、かなり貴重なサーヴァントです。

強さには直結しないものの、攻撃のモーションにアイドルやバンド演奏を連想させる演出が多く、見ていて飽きないのも魅力的な点でしょう。汎用性の高いクラスではありませんが、その希少性から、今回手に入れておくのも悪い選択ではありません。


いずれの配布サーヴァントも、長所や魅力を持つ者ばかりなので、かなり戦力が揃っている上級者以外は、戦力の穴に応じて加入をご一考ください。しかも、「謎のアイドルX〔オルタ〕」以外の3騎には、新たな強化クエストも用意されました。

「ハロエリ」はスキル「無辜の怪物」が変化し、各効果が強化された上に「敵全体の強化解除&成功時にハッピーハロウィン状態(特殊なクリティカル発生率ダウン)を付与+ハッピーハロウィン状態の数に応じて自身のNPアップ」という新たな効果が付きます。

「ブレエリ」は宝具が強化され、延焼状態の付与も追加。一撃の重さが増したので、単体セイバーが手薄なら火力不足を補ってくれそうです。また「弓信長」は、スキル「戦略」が変化して、「バスターカードアップ」と「宝具威力アップ」が追加。泣き所だったバフの少なさが補強されたので、神性&騎乗への脅威度がさらに増すでしょう。

聖晶石不要で、戦力の増強が狙える配布サーヴァントたち。彼女たちを上手く活用し、今後の激しいバトルに立ち向かってください!

(C)TYPE-MOON / FGO PROJECT
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