ドラゴンクエスト』と『ファイナルファンタジー』の2大シリーズを筆頭に、RPGジャンルが長きにわたって大きな盛り上がりを見せていた時期がありました。無論今も人気のあるジャンルですが、当時はさらに輪をかけた勢いを見せており、様々なタイトルが登場してRPGを賑わせたものです。


その中でも根強い支持を集め、存在感を放った作品のひとつが、『スターオーシャン』シリーズです。記念すべき1作目は、RPGながら当時主流だったファンタジー要素だけに留まらず、SF要素も加味。また、リアルタイムなバトルも刺激的で、RPGファンならずとも興味を引かれる内容で話題となりました。

そんな1作目の魅力を受け継ぎつつ、更に昇華した続編『スターオーシャン セカンドストーリー』は、見事な出来栄えでシリーズ化を決定付け、後の展開への大きな足掛かりを作った名作として名を馳せました。

この『スターオーシャン セカンドストーリー』が発売されたのは1998年。一大ブームを巻き起こした初代プレイステーションの後期を彩りましたが、そこから数えて四半世紀が経った今、装いも新たに『スターオーシャン セカンドストーリー R』となって帰ってきます。

ファンとしては、本作がどのように蘇ったのか気になるところ。また『スターオーシャン セカンドストーリー』を知らない人は、25年も前に発売されたゲームがなぜ今も支持されているのか、不思議に思っているかもしれません。

そこで今回は、『スターオーシャン セカンドストーリー』が長く愛されてきた背景を綴ると共に、『スターオーシャン セカンドストーリー R』に用意されている新要素の数々をお届けします。名作の復活に備え、しっかりチェックしておきましょう。

■シリーズ展開を決定づけた『スターオーシャン セカンドストーリー』の成功
シリーズ1作目の『スターオーシャン』は、前述した“SF要素を取り入れたRPG“リアルタイムなバトル”といった要素のほか、桜庭統氏が手がける卓越したサウンド、臨場感を高める声優陣の戦闘ボイス、仲間との交流を通してより深く人間性を理解できる「プライベートアクション」、多彩なスキルシステムなど、実に多くの特徴を備えていました。

昨今では標準的となった要素もありますが、それを当時の時点で取り入れていた先見性は見事というほかありません。
また、『スターオーシャン』はスーパーファミコンソフト。ハード面の制約がある中、ボイスやサウンドをここまで豊かに表現する技量にも驚かされました。

そうした1作目の魅力を継承したPSソフト『スターオーシャン セカンドストーリー』は、シナリオ、音楽、バトル、プライベートアクション等の要素を更に磨き上げただけでなく、ボリューム面もパワーアップ。さらに、仲間との関係性によって変化するエンディングや、主人公を選択する「ダブルヒーローシステム」などの新要素を加え、新たな魅力を備えました。

「ダブルヒーローシステム」は、同じイベントであっても展開が異なったり、仲間との会話も変化するなどの恩恵があり、『スターオーシャン セカンドストーリー』を代表する要素のひとつとなりました。ちなみにこのシステムは、シリーズ最新作『スターオーシャン 6 THE DIVINE FORCE』にも受け継がれています。

『スターオーシャン』を意欲作とするなら、『スターオーシャン セカンドストーリー』は磨きをかけて更なる完成度を目指した作品。その姿勢と実績から、数多いRPG作品の中に埋もれることなく、独自の人気と立ち位置を確立するに至りました。

■ファンから厚い支持を受け、4度にわたって登場
『スターオーシャン セカンドストーリー』の人気ぶりは、後の展開から窺うことができます。オリジナル版の登場から約10年後、PSPに向けて装いも新たに生まれ変わった『スターオーシャン2 セカンドエボリューション』が、2008年にリリースされました。

当時のPSPは、2007年発売の『モンハンポータブル 2nd G』が大ヒットし、大きな盛り上がりを見せていました。その活気を逃すまいとスクウェア・エニックスが放った矢のひとつが、『スターオーシャン2 セカンドエボリューション』──かつての名作の再誕です。
この背景だけでも、『スターオーシャン セカンドストーリー』が培った人気や信頼の高さが窺えます。

しかも『スターオーシャン2 セカンドエボリューション』は、単なるPSP向けのバージョンではなく、バトル面の調整やUIの改善、新たな声優陣の起用とボイス範囲の拡大と、新たな形で登場させるに相応しいパワーアップを遂げました。

声優陣の変更は、オリジナル版に愛着がある方からすれば残念ですが、10年越しの再誕という点や、新規ユーザーの獲得を目指すためのイメージ一新といった狙いを考えると、やむを得ない一面もあったのでしょう。

こうして活躍の場をPSPへと広げ、新たな世代にも『スターオーシャン セカンドストーリー』の魅力が伝わりました。ですが、本作の躍進はまだ終わりません。時間はさらに過ぎた2015年に、PS4やPS3、PSVita向けの『スターオーシャン2 セカンドエボリューション』が登場。PSP版の8年後に、当時のPSファミリー全てで『スターオーシャン セカンドストーリー』のリメイク作が遊べるようになりました。

1998年、2008年、2015年と、時代の折々で装いを改めて登場し続けた『スターオーシャン セカンドストーリー』。よほどの人気作でもこれだけの展開を見せるタイトルは希少なので、その活躍ぶりだけでも支持の厚さが想像できることと思います。

そして2023年6月に、新たなリメイク作『スターオーシャン セカンドストーリーR』を発表。オリジナル版から数えて、4回目のリリースが決定しました。果たして今回は、どのような驚きを用意してくれるのでしょうか。


<cms-pagelink data-page="2" data-class="center">『スターオーシャン セカンドストーリーR』の新要素に迫る!</cms-pagelink>

■どの時代のファンも納得のボイス機能など、嬉しい新要素が続々と
世代を超え、多くのゲームユーザーたちの前に登場した『スターオーシャン セカンドストーリー』。その4度目の登場、そして2度目のリメイクを飾る『スターオーシャン セカンドストーリーR』が持つ特徴を、現段階で判明している範囲で紹介します。

「ダブルヒーローシステム」や「プライベートアクション」、多彩なスキルにリアルタイムバトルなど、オリジナル版が備えていた特徴はもちろん健在。ですが、本作が見せる進化はここからです。

まずビジュアル面は、全13体のプレイヤーキャラクターイラストとNPCのイラストを刷新。オリジナルのデザインを踏まえながら、梶本ユキヒロ氏の手により、そのイメージをより印象的なものへと昇華しています。

またゲーム画面も変化し、フル3D化されたフィールドやダンジョンを、主人公などのドットキャラクターたちが縦横無尽に駆け巡ります。2Dと3Dを織り合わせる表現は、新たなプレイ体験を生み出すことでしょう。

リアルタイムに展開するバトルアクションにも変化が訪れ、攻撃を重ねることで敵をスタンさせたり、パーティ外の仲間が追撃を行ったりするという新要素が盛り込まれました。戦略性をさらに高めてくれるのではと期待が集まっています。

そして特に見逃せないのが、ボイスとサウンド。まずボイス関連ですが、オリジナル版声優のボイスを新規収録し、“オリジナル版のフルボイスイベント”を実現。
懐かしい声が、ボリュームを増して楽しめます。

しかも、PSP版のボイスとの切り替え機能もあり、オリジナル版が好きな方、PSP版に惚れ込んだ方、どちらの場合でも自分の思い出にある声で本作を楽しめます。また切り替えの範囲は細かく、キャラクターごとに設定可能。クロードの声はうえだゆうじさん(オリジナル版)、レナの声は水樹奈々さん(PSP版)といった、かつてない組み合わせも可能です。

またサウンドは、オリジナル作曲者の桜庭氏が『スターオーシャン セカンドストーリーR』の全楽曲をリアレンジ。桜庭氏が手がけるとなれば、ファンにとって最善の起用でしょう。さらに、一部のボスバトルなどでは新規楽曲を制作。この令和の時代に、『スターオーシャン セカンドストーリー』の世界に合わせた新曲と出会える贅沢を本作で味わえます。

これらが新要素の全てかどうかはまだ不明ですが、現時点でも興味を惹かれる方が少なくないのでは。特にボイスは、すべての時代の『スターオーシャン セカンドストーリー』ファンにとって朗報と言える、嬉しい仕様かと思います。

姿を変え、プラットフォームを変え、通算4度目の登場を果たす『スターオーシャン セカンドストーリー』。“R”が加わった本作が、如何なる刺激と興奮を提供してくれるのか。
発売日の2023年11月2日を、どうぞお楽しみに。

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