皆さんにとって、2023年はどのような年でしたか? 努力が実ったり、反省すべき点があったりと、振り返る人によって内容は様々でしょう。

筆者はゲームライターとして、そしてひとりのゲームファンとして、2023年も様々なゲームを遊びました。
仕事絡みで発売前のタイトルに触れることもあれば、完全にプライベートで楽しんだ作品もあります。

仕事と趣味の両面でゲームに触れているため、関連する出費もかなりのもの。ダウンロードソフトやセールで安くなったものもありますが、2023年だけでも90本ほどのゲームを購入。必要に応じて買ったゲームもあるとはいえ、その全てが必要な出費だったのかと問われると、反省すべき支出もありました。

そこで今回は、特に大きな、そして2023年だからこその出費を振り返ってみます。皆さんは、どんな出費が心に残っていますか? ご自身の歩みを思い出しつつ、ご覧ください。


■未だに使いきれていない『PlayStation VR2』:79,200円
ゲームライターと言っても、PCから家庭用ゲームまで幅広く手掛ける人もいれば、ひとつのハードやジャンルに特化した専門家タイプもおり、とても一口には語れません。また、出来るだけ両立を目指す人も多いことでしょう。

筆者も仕事の幅を広げたいと考え、その上で2023年に購入したのは『PlayStation VR2』(以下、PSVR2)です。VR自体は長く注目されていますが、手頃なMeta Quest2でVR人口が増えてきたので、VR方面の仕事を受けられるようにと考え、先行投資を兼ねて購入しました。

すでにMeta Quest2は持っていましたが、PSVR2も所持しているライターは自ずと限られるだろう。競争相手が少なければ、仕事も回ってきやすいはず。
そうした浅はかな思考もなかったとは言えません。お恥ずかしい限りです。

とはいえ、購入に要した額は79,200円(※Horizon Call of the Mountain 同梱版をノジマオンラインで購入)。スマホなら最先端には届きませんが、相応なグレードのデバイスを購入できる金額です。ビジネス向けのノートPCだって、十分視野に入ります。

手元のノートPCは、購入してからもうすぐ8年が経過。
スマホも2018年モデルなので、正直買い換えも脳裏を過ぎります。しかしまだ一応使えるので、こちらの買い替えはグッと我慢し、未来を夢見て予算をPSVR2に投入しました。

PSVR2そのものは上々で、不満点もいくつかはありますが、十分なゲーム体験を味わうことができました。特に、最新のVR事情をその身で知ることができたのは、大きな収穫と言えるでしょう。

ですが、ゲーム市場的な意味での盛り上がりは今ひとつ。VRゲームは時折話題になるものの、業界を超えて広がるような爆発力のあるムーブは見られませんでした。
世界がVRを強烈に求めるのは、まだ少し先の話のようです。

また、現時点の販売サイトを見渡せば、「Horizon Call of the Mountain 同梱版」の新品は60,000円台で販売中。本体のみの中古品を探せば、50,000円を切る場合すらあります。自分の見通しが甘かったと痛感した、79,200円の買い物でした。

<cms-pagelink data-page="2" data-class="center">2023年に駆け込むしかなかった……! 3DS&Wii Uの新規DL購入</cms-pagelink>

■終了間際にも駆け込んだ、3DS&Wii Uストア:計16,478円
2023年ならではの買い物といえば、こちらも外せないのが3DS&Wii Uのダウンロードゲームです。どちらのオンラインストアも、今年の3月に新規購入が終了したため、1月~3月にかけていくつもの作品を購入しました。


2度と手に入らない可能性もあるため、仕事と趣味の両面で、様々なソフトを買いあさったこの時期。1月は、セールになっていた『初音ミク Project mirai でらっくす』『くにおくん熱血コンプリート ファミコン編』『熱血魔法物語』『Tachyon Project』などを手に入れました。

そして新規購入の終了が近づく3月には、ここぞとばかりに手を出します。『実写でちびロボ!』のようなセール非対象の作品も、最後の入手機会と考えればためらっている暇はありません。

Wii U向けのバーチャルコンソールを中心に、『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』『トラキア776』『聖魔の光石』『うしろに立つ少女』『オウガバトル64』『風のクロノア 夢見る帝国』『千年家族』『すってはっくん』『スクリューブレイカー轟振どりるれろ』などをまとめ買い。

また3DSでは、『ファイアーエムブレム』のDLCなどをチョイスし、『覚醒』『if』『Echoes』の追加コンテンツをそれぞれ2~3ほど手に入れました。
DLCなので安いと思われそうですが、1,528円クラスが2つあるなど、こちらも侮れません。

Wii版のバーチャルコンソールをWiiU 版にアップグレードするなど、その辺りも含めてこの時期に購入した3DS&Wii Uのゲームは、全部で20本。またDLCは8つで、合算すると総額は16,478円でした。

各作品の単価は安いとはいえ、積もると結構な額になり、今改めて見返して軽くダメージを受けております。しかし、2023年は購入するラストチャンスだったので、必要な出費でもありました。

ちなみに、さらに1年前の2022年も、新規購入終了に向けたセールが行われており、その時も『世界樹の迷宮X』や『真・女神転生IV FINAL』など、計20本購入しています。こちらの額も足したら……いえ、今回は2023年の振り返りなので、そこまでは止めておきましょう。さらにショックが深まる気がしますので。

<cms-pagelink data-page="3" data-class="center">1度見逃したアレが、2023年に再チャンス! そして最後の機会…</cms-pagelink>

■中身を考えればお買い得!『BALDR MASTERPIECE CHRONICLE 再販版』:32,780円
2023年だからこその買い物として、個人的に挙げたい最後のひとつが、『BALDR MASTERPIECE CHRONICLE 再販版』です。「ゲームソフト1本1本まで挙げたら、キリがないのでは?」と思われるかもしれませんが、本作に関してはいくつか事情があります。

『BALDR』シリーズとは、ゲームブランド「戯画」が展開してきた、現実もしくは仮想世界の戦いをアクション&ADVで表現した人気作です。家庭用ゲーム機に登場した『BALDR FORCE EXE』などもあり、知る人ぞ知るゲームシリーズとして支持されています。

その『BALDR』シリーズの大半(最新作『BALDR BRINGER』は含まず)を収録し、 Windows 10にも対応した『BALDR MASTERPIECE CHRONICLE』が、2017年に発売されました。

ボーカルコレクションやサウンドトラック、アートワークスなども付属するほか、『BALDRHEAD ~武装金融外伝~』から当時の最新作『SKY & HEART LAST SURVIVAL』まで、収録作品数は圧巻の16タイトル。MASTERPIECE CHRONICLEの名に相応しいボリュームで登場しました。

ただし、お値段の方も風格があり、希望小売価格は32,780円。特別仕様のセットとはいえ、結構パワフルな価格です。内容を考えれば、16本のゲームだけでも相当な価値がありますし、ボーカルコレクションだけでディスク2枚、サウンドトラックはなんと15枚(特典含む)もの大量収録なので、高いどころか十分お得な範疇です。

……と、頭では分かっていたのですが、シンプルに3万円という数字が強すぎました。PSVR2は仕事の先行投資、3DS&Wii UのDLソフトもいずれ仕事に繋がる可能性があります。しかし『BALDR MASTERPIECE CHRONICLE』に対する気持ちは、ほぼ100%のファン心。個人的に欲しいという願いのみなので、出費のハードルは自ずと上がってしまいました。

そんな迷いに囚われているうちに、『BALDR MASTERPIECE CHRONICLE』は品切れとなり、中古市場はプレミア価格へ移行。定価で悩んでいたのにさらに価格が上がっては、もはや尻込みするほかありません。「正規の値段で買っておけば……」との後悔を、数年単位で抱える羽目になりました。

それから月日が経った2022年11月に、「戯画」が開発と販売の終了を発表。この告知自体もショックでしたが、幕を閉じる前に『BALDR MASTERPIECE CHRONICLE』の再販が決定し、2度驚かされます。

悩んだ挙句に見送り、プレミア化してしまった『BALDR MASTERPIECE CHRONICLE』が、もう1度正規の価格で買えるチャンスが巡ってきた。しかし、その期限は2023年3月まで。そして、おそらく3度目のチャンスはないでしょう。最後のチャンスと期限を前にして、今度こそと『BALDR MASTERPIECE CHRONICLE 再販版』購入の道を選びました。

届いたボックスは想像以上に大きかったものの、“葛藤と後悔”から決別できたので、心と部屋のスペースを等価交換したような満足感を覚えます。出費は痛かったけど、買ってよかった──。

そんな日々も今は遠く感じる2023年末。ふとamazonを見ると、『BALDR MASTERPIECE CHRONICLE 再販版』が24,711円で販売中。中古市場を調べれば、20,000円を切る出物もありました。大丈夫、泣いてません……!

ライターとして購入を決意したPSVR2、仕事と趣味が半々だった3DS&Wii U、そして趣味全開の『BALDR MASTERPIECE CHRONICLE 再販版』。ざっくり足しただけでも、3項目で12万円超えの出費でした。

おそらく2024年も、同じような決断や葛藤、そして判断ミスもあるのでしょう。しかし、後悔だけはしたくない! そんな思いで、2024年も過ごしたいものです。