1月1日に石川県で発生した「令和6年能登半島地震」。被災者を支援すべく各地から募金や寄付が寄せられる中、人気RPG『原神』ユーザーの間で“とある共通点”から「推し活(※)」の一環として被災地へと募金をする動きが現れ、話題となっています。


※推し活とは…自分の好きなアイドルやキャラクターを様々な形で推す、つまり応援する活動のこと。例えば推しのグッズを買ったり、推しのイベントに参加したりなど。

◆リアルな「俺が払うよ」
きっかけとなったのは、石川県がアナウンスしている「令和6年能登半島地震に係る災害義援金の受付について」です。このアナウンスでは、義援金を寄付する際の手順について案内されています。

案内の中で原神ユーザーの目に留まったのが、振込先の「北國銀行」の名前。実は『原神』の世界にも、「北国銀行」という架空の銀行が存在します。


原神における北国銀行は、氷の国スネージナヤが各国に支店を置く銀行です。同国が擁する組織「ファデュイ」によって運営されており、現地に派遣されたファデュイたちの拠点となることもしばしば。

プレイヤーはファデュイと敵対しているため利用することはないものの、ストーリーで何度が訪れる機会があったり、人気キャラクターでファデュイの幹部「タルタリヤ」が運営に携わっていたりと、プレイヤーの印象に残りやすい施設です。

今回、「北國銀行」と「北国銀行」がほぼ同じ字面だと気づいた原神ユーザーの間で、「寄付したら実際に『北国銀行』に振り込んだ気分を味わえるのではないか?」との考えが拡散。特にタルタリヤ推しのユーザーからは「タルタリヤにも送金した気分になれる」との声も上がり、被災地を支援する寄付が広まりを見せているのです。

この動きにSNS上では「天才的な発想」「被災地支援にも繋がるし、推しに送金した気分にもなれるしで一石二鳥だ」といった反応がみられました。
銀行名のほぼ一致という偶然が、意外な形で被災者支援に繋がることとなりました。

…ただし、各銀行の読み方は「北國銀行(ホッコクギンコウ)」と「北国銀行(キタクニギンコウ)」で異なります。あくまで字面が同じことに注目した形となっています。

ゲームと被災者支援を巡っては、1月5日にもMIXIがゲームタイトルを通じたチャリティアイテムを販売。『モンスターストライク』ではオーブ2個(160円)、『共闘ことばRPG コトダマン』では「寄付対象パック」(虹のコトダマ 34個(160円))の売り上げが寄付されます。

今回の『原神』を含め、ゲームが意外な形で被災者支援に繋がっているのを見ると、いちゲーマーとして改めてゲームの影響力に驚くばかりです

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