※本記事は、『ゼルダの伝説』シリーズ過去作品のネタバレに触れます。ご注意ください。


『ゼルダの伝説』シリーズの最新作『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』が、先日行われた「Nintendo Direct 2024.6.18」にて発表されました。

久しぶりの“見下ろし型ゼルダ”となる本作ですが、これまでのシリーズ作と大きく異なるのが、抜擢された主人公です。本シリーズのほとんどで「リンク」(もしくは任意入力)と呼ばれる、緑の服に身を包む耳の長い少年が主人公を務めました。しかし、『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』の主人公は、なんと「ゼルダ姫」です。

ヒロイン的存在の「ゼルダ姫」は、敵にさらわれたり、拠点などにいることも多く、冒険に臨むのは主に「リンク」の役目でした。ところが『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』では、王国の民や「リンク」が裂け目に飲み込まれて行方不明に。
この事態の解明、そしてみんなを救出すべく、「ゼルダ姫」が立ち上がります。

本シリーズをほとんど知らない人から、「『ゼルダの伝説』ってタイトルだから、主人公はゼルダなんでしょ?」といった誤解を受けることもありました。ですが、本作で「ゼルダ姫」が主人公に抜擢されたため、「タイトル通りの展開になった」「38年越しのタイトル回収」と、ファンの間で盛り上がりを見せています。

また本作では、石などのカリモノを出現させ、それを投げつけて戦うことが可能です。そんな“戦うゼルダ姫”の姿を見て、驚きの声をSNS上にあげた人も少なくありません。

しかし「ゼルダ姫」が直接戦うのは、『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』が初ではなく、シリーズの過去作で幾度も戦う勇姿を見せました。
しかも、イベントシーンやムービーではなく、実際にゲームシステム内で戦った作品もあり、ファンにとって“戦うゼルダ姫”は幾度も体験済みです。

これまで「ゼルダ姫」はどんな作品で、いかなる戦いを繰り広げたのか。その代表的な作品を抜擢し、その勇姿へと迫ります。なお、一部作品のネタバレも含むため、閲覧の際はご注意ください。

■「ゼルダ姫」と共に挑む最終決戦!
ゲーム上で実際に戦うゼルダ姫、という条件で真っ先に思い出すタイトルは、人によって意見が分かれるところ。その中には、2002年に発売された『ゼルダの伝説 風のタクト』を思い出した人もいることでしょう。


ニンテンドーゲームキューブ向けに発売された『ゼルダの伝説 風のタクト』は、トゥーンレンダリングを取り入れた3D表現が特徴的で、後の作品にも影響を与えました。

本作における「ゼルダ姫」について詳しく語ってしまうと、今回の主旨とは違う部分のネタバレに繋がるので詳細は割愛しますが、主人公の「リンク」と力を合わせて「ガノンドロフ」と戦うという全体的な構成は、従来の作品と共通しています。

その最終決戦にて、「ガノンドロフ」と対決する「リンク」を助けるべく、「ゼルダ姫」は勇者の弓と光の矢を用いて参戦しました。プレイヤーが激しい剣戟を繰り広げる中、光の矢を放つ姿は実に印象的で、かつてない共闘感に震えながら戦ったことを昨日のように思い出せます。

ですが「ガノンドロフ」も手ごわく、「ゼルダ姫」の光の矢を華麗に避け、致命傷を逃れます。そこで一計を案じた「ゼルダ姫」は、光の矢を「ガノンドロフ」ではなく「リンク」に向かって放ちます。
その意図を把握した「リンク」=プレイヤーは、盾を構えて矢を反射。急激な軌跡の変化に対応できなかった「ガノンドロフ」を、見事打ち抜きました。

単なるカットシーンや賑やかし程度ではなく、直接戦闘に参加し、そのコンビネーションでラスボスを撃破するという痺れる展開。この「リンク」と「ゼルダ姫」の共闘は、実に刺激的な一幕でした。

ちなみに、シチュエーションはやや異なりますが、2006年発売の『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』でも、「ゼルダ姫」が光の矢で参戦する場面がありました。時代を超えても、その共闘と信頼感は変わりません。


『ゼルダの伝説 風のタクト』は、Wii U版となる『ゼルダの伝説 風のタクト HD』も発売されましたが、それ以降の動きはなし。現行機向けの展開は今のところなく、リメイク化を要望するファンも少なくありません。

■「ゼルダ姫」と往く、汽車の旅路と連携プレイ
ニンテンドーDSに登場した『ゼルダの伝説 大地の汽笛』(2009年発売)は、様々な場所に訪れる手段として「汽車」を用意。「リンク」は機関士として汽車を運転しながら、世界各地を駆け回ります。

汽車なので自由に動くとはいきませんが、路線図を自分でなぞって進行ルートを決め、汽車の疾走に身を委ねてフィールドを進む感触は、他のゼルダ作品とは一味違う爽快感を与えてくれます。

また、一味違っているのは移動手段だけではありません。
本作の「ゼルダ姫」は、なんと魂だけの存在になってしまいます。その影響もあって彼女は、「リンク」の冒険に同行。パートナーとして常に協力し合う関係になるのも、本作ならではといえるでしょう。

そして「ゼルダ姫」は、実体のない状態でリンクについてくるだけではありません。敵として登場する甲冑の「ファントム」に憑依し、自由に動かすことができるのです。タッチペンで道筋を描けば指示通りに移動してくれますし、針の床や炎といった「リンク」では通れない場所も通り抜けられます。

「ファントム」状態なら敵と戦うこともでき、「リンク」と連携しながら幾度もバトルを繰り広げます。見た目は「ファントム」ですが、ゼルダ姫が果敢に戦う姿を何度も見られるのも、『ゼルダの伝説 大地の汽笛』が持つ魅力のひとつです。

そんな「ゼルダ姫」にも弱点はあり、苦手なネズミが見かけると足がすくんでしまいます。勇ましい「ファントム」姿なのにネズミに怯える様子は、ギャップがあって微笑ましいばかりです。

『ゼルダの伝説 大地の汽笛』は、後にWii U向けのバーチャルコンソールソフトとしても配信されました。ですが、Wii Uストアの新規購入はすでに終了しており、今からプレイする場合、オリジナル版しか選択肢がありません。DSや3DS向けの『ゼルダの伝説』作品はいくつもあるので、本作も含め、移植やリメイクなどに期待したいものです。

■「ゼルダ姫」を直接操作! 無双アクションと本編の過去譚が融合
「戦うゼルダ姫」のイメージをすでに持っている人は、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズで活躍する「ゼルダ姫」を見て印象づけられた場合も多いことと思います。

『スマブラ』のように、『ゼルダの伝説』のメインシリーズから離れた“お祭りゲーム”的な作品に登場し、「ゼルダ姫」が直接戦うこともあります。その代表例と言えるのが、『無双』シリーズとコラボレーションした『ゼルダ無双』です。

『ゼルダの伝説』シリーズでは、プレイヤーが動かすのはほとんど「リンク」だけ。しかし『ゼルダ無双』では、「ゼルダ姫」はもちろん「インパ」、「ミドナ」、「ファイ」、「ルト」といった、各作品で冒険を助けてくれた面々もプレイアブル化しました。

さらに、「ガノンドロフ」や「ザント」、「ギラヒム」といった敵側だったキャラクターも操作可能で、作品や敵味方が入り乱れるクロスオーバーな1作として注目を集めました。

その後、『ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ』や『ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ DX』といったバージョンアップ版も登場し、参戦キャラも続々と増えていきます。

さらに「戦うゼルダ姫」を表現したタイトルもありました。それは、『ゼルダ無双 厄災の黙示録』です。

『ゼルダ無双 厄災の黙示録』は、タイトルからも分かる通りこちらも『無双』とのコラボ作品です。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の世界で100年前に起きた「大厄災」を描く内容になっており、本家『ゼルダの伝説』作品と密接な関係にあります。

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の「ゼルダ姫」は、100年もの間、厄災ガノンの力を押さえ続けていました。つまり、その100年前を描く『ゼルダ無双 厄災の黙示録』における「ゼルダ姫」と同一人物だといえるでしょう。

しかし、『ゼルダ無双 厄災の黙示録』で描かれた物語と結末は、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の流れと異なっているため、時系列上は直接繋がっておらず、パラレルな関係にあると思われます。それを理由に、『ゼルダ無双 厄災の黙示録』はあくまでコラボ作品であり、『ゼルダの伝説』シリーズとは関係ないと考える人もいます。

ちなみに、本シリーズのプロデューサーを務める青沼英二氏は、『ゼルダ無双 厄災の黙示録』を紹介する動画の中で、「『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の100年前の世界が舞台になっています」「(本編では描けなかった)大厄災を体験することができます」と述べ、2作品の関係性を語りました。

メインシリーズに加わるかどうかは賛否分かれるところですが、『ゼルダ無双 厄災の黙示録』がシリーズと全く無関係の作品と言い切るのは、少々乱暴な意見でしょう。

そんな『ゼルダ無双 厄災の黙示録』でプレイアブル化を果たした「ゼルダ姫」は、関連作との繋がりを連想させる「シーカーストーン」や、シリーズでもお馴染みの「光の弓矢」などを駆使し、勇敢に戦います。

またDLCを購入すると、なんと「マスターバイク」に乗って戦場を縦横無尽に駆け巡る「ゼルダ姫」を楽しめます。「マスターバイク」は搭乗型の武器として実装されるので、攻撃もお手の物。そのスタイリッシュな活躍を、ぜひその目で直接お確かめください。

『ゼルダ無双 厄災の黙示録』はニンテンドースイッチソフトなので、今回紹介した作品の中ではもっともアクセスしやすいゲームです。“戦うゼルダ姫”を、『ゼルダ無双 厄災の黙示録』でたっぷりとご堪能あれ!

「ゼルダ姫」が活躍する作品はこのほかにも色々ありますが、主人公に抜擢されるのは非常に珍しいケースです。シリーズの当たり前をまたひとつ打ち破った『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』に、どうぞご期待ください。