ハンティングアクション『モンスターハンター』シリーズは、2004年に1作目が発売されて以降、同ジャンルの代表的な人気作として注目を集め、最先端を走り続けてきました。

20年を超える歩みの中で、本シリーズは様々な進化を遂げ、また多くのプレイヤーたちがハンターとなって狩りに勤しんできました。
そして、時間が経つにつれ、ハンターの一部は武器を置き、新人ハンターの活躍を見守りながら休止に入った人も少なくないでしょう。

そうした“一休みしているハンター”たちに伝えたいのが、最新作『モンスターハンターワイルズ』の進化ぶりです。近年の作品は革新的な新要素も多く、その中でも『モンハンワイルズ』はシリーズを変革させるほどの発展を見せました。

■拠点とフィールドに隔たりナシ! シームレスな移動で没入感ガン増し
過去のシリーズ作はいずれも、村などの拠点で準備を整え、狩りに赴く時にはカウンターで「クエスト」を受注する形で出発しました。2018年の『モンスターハンター:ワールド』以降、フィールドはひとつながりになったものの、拠点とフィールド間の行き来に隔絶はあります。

しかし『モンハンワイルズ』は、拠点とフィールドが直接繋がっており、行き来にロードが挟まらないのはもちろん、ゲーム上の区切りもありません。一歩外に出て、また拠点に戻る。そんなアクションも、普通の移動となんら変わりがないのです。

シームレスになり、クエストと関係なくフィールドを気ままに散歩できるのはもちろん、その途中に出会ったモンスターを狩ることもできます。しかも、戦っていると自動的にクエスト扱いとなり、支給品をもらえるほか、サポートや他のハンターを呼ぶことも可能です。

従来のように拠点でクエストの受注もできるので、従来のようなプレイスタイルでも問題ありません。一方で、自由な探索と狩りを気ままに楽しむのも、本作ならではの楽しさと言えます。


■「荒廃期」「異常気象」「豊穣期」で変わる世界が、恐ろしくも美しい
拠点と直接繋がったことで、フィールドをより身近に感じられるようになりましたが、フィールドそのものにも変化が訪れています。過去作では、昼と夜など時間帯による変化がありましたが、本作ではさらに細かく分かれ、朝、昼、夕方、夜の4段階に分かれました。

しかし、最も大きな変化は時間帯ではなく、天候にあります。本作の世界は、「荒廃期」「異常気象」「豊穣期」というサイクルを繰り返しており、その都度天候が大きく変化し、生態系にも影響を与えるほどです。

「荒廃期」に入ると、砂の影響で草木が減り、草食モンスターの数も減少します。その関係から肉食モンスターも飢えることが多く、互いに争い合う姿などを見かけることも。ハンターの立場から見ても、収穫できる物資が少ない時期です。

その後訪れるのが、「異常気象」です。例えば「隔ての砂原」では、砂嵐が発生し、雷鳴も鳴り響くなど、さながらこの世の終わりのような光景が広がります。モンスターの行動も活性化し、目的もなくうろつくのは非常に危険です。ただし、「異常気象」の時に出現しやすくなるモンスターもいるため、ハンターであれば無視できる期間ではありません。

荒廃し、異常な気象に見舞われた後は、大地に恵が宿る「豊穣期」が訪れます。
まず草木が生い茂り、それを食す草食モンスターで賑わい、そして肉食モンスターも大いに食欲を満たす、命に溢れた時期となります。この時期は、回復系の環境生物も増えるため、環境に助けられるハンターも少なくないでしょう。

広大なフィールドはダイナミックに変化し、常に新たな顔を覗かせてくれます。過酷な時もありますが、そこにも生態系が根付いており、一連の変化を通して学ぶことも沢山あります。また、ハンターにとってあらゆる時期に意味があり、冒険と知識がそこに広がっているのです。

相手がモンスターでも、時期が異なれば戦い方にも影響し、新たな発見やハプニングと出会うことも。『モンハンワイルズ』の狩りには、様々な驚きが潜んでいます。

■立ち回りと戦略が劇的に変化!「武器の切り替え」で変わるハンター生活
拠点とフィールドの直接的な繋がりは、狩りと探索に没入感を与え、天候の変化はプレイに刺激をもたらしました。その進化は一目見ただけでも明らかで、分かりやすい変革と言えるでしょう。

今回取り上げる最後の新要素は、上記の2つと比べると、一見地味に思われるかもしれません。しかし、シリーズのプレイ経験者であれば、最後のひとつがどれほど大きな変化なのか、即座にお分かりいただけるかと思います。それは、「メイン武器とサブ武器の切り替え」です。


これまでの『モンハン』シリーズでは、戦闘に持ち込める武器はひとつだけでした。武器は、それぞれモーションや立ち回りが異なるのはもちろん、切断や打撃など属性も違いますし、近接武器と遠距離武器ではリーチも変わります。

ひとつだけで全てをカバーできるような、万能的な武器は存在しません。切断系の武器で尻尾を斬り、打撃系でスタンをとり、片手剣やライトボウガンでサポートに回るなど、パーティプレイでは個々が互いをカバーし合うように戦います。また、ソロの場合は絞るほかなく、取捨選択が重要でした。

しかし『モンハンワイルズ』では、装備しているメイン武器とは別に、騎乗動物の「セクレト」にサブの武器を預け、フィールド上で持ち替えることが可能になったのです。

持ち替えに1アクションかかるとはいえ、過去作と比べ戦略性が一変するほどの進化と言えるほどです。

例えば、飛行や壁に張り付くなど、近接武器では手が出しにくいタイミングがあるモンスター相手には、サブ武器に遠距離武器を用意することで、距離のあるモンスターにも素早く対処できます。

また、肉質で防御が大きく変わるモンスターなら、切断と打撃の双方を使い分けることで、より効果的に大ダメージが狙えます。火属性と氷属性の武器をそれぞれ持ち込むのも、相手次第で十分アリな戦略でしょう。

メインとサブ、2つの武器を切り替えられることで、ハンターの戦略は一気に広がりました。パッと見だけでは分かりにくく、しかし最もプレイ感が変化した部分と言っても過言ではありません。


今回は、見た目が一変したり、シリーズの根幹に大きくメスを入れた変革など、特に大きな3つの要素について触れました。

しかしこの他にも、大ダメージに繋がる「傷口」や「集中弱点攻撃」、モンスターとの攻防に役立つ「相殺」に「鍔迫り合い」など、新要素を挙げていけばキリがないほど。多様な変化はめまぐるしく、いずれも刺激的です。

こうした新要素を、すでに現役ハンターたちがひと足早く楽しんでいます。最近、狩りがご無沙汰だった休止ハンターの皆様も、再び武器を手に取り、『モンハンワイルズ』で“一狩り”いきませんか?
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