今年の新社会人が入社し、1ヶ月ほどが過ぎました。そろそろ会社に慣れ始める頃かと思いますが、新しい社会の場で戸惑った経験を持つ人も多いことでしょう。
特に昨今は、コンプライアンスがより重視され、ハラスメントにも敏感な時代になりました。健全な職場環境を維持するためにも重要ですが、慣れない新社会人はもちろん、先輩や上司の方々も正しく遵守すべく対応に注力する場面もあることと思います。
現代のコンプラ・ハラスメント問題も簡単ではありませんが、今年1月にリマスター版が発売された『FREEDOM WARS Remastered(フリーダムウォーズ リマスター)』の世界は、現代のものとは全く異なるコンプラが敷かれており、驚かされる規則も少なくありません。
世界が違えば基準も変わるのは当然の話ですが、『フリーダムウォーズ』の世界に根付いている社会規範や倫理に基づく社会的なコンプラは、いずれも衝撃的なものばかり。「そんな世界に産まれなくて良かった……」と思ってしまうほど、強烈な規則の数々をご覧ください。
■産まれただけで「懲役100万年」の罪って、初手で詰んでない?
『フリーダムウォーズ』は近未来を描いており、その世界では資源が枯渇し、国家化した都市同士が資源を奪い合う過酷な状況に置かれています。
こうした背景から、産まれる=資源を消費する存在と認識され、生産活動に関わらない人間は例外なく「懲役100万年」という気が遠くなる刑期を科せられるのです。
産まれただけで罪人。しかも、その罪深さは100万年。その懲役を少しでも少なくするには、ボランティアに従事しなければなりません。なお、「ボランティア」の意味も現代と異なっており、『フリーダムウォーズ』における「ボランティア」は、命を落とす危険もある「戦闘行為への参加」に他なりません。
■独房で5歩以上歩くことなかれ
「ボランティア」を繰り返し、減刑を重ねていけば、いつか100万年という懲役も終わりを迎えることでしょう。
懲役のある人間を作中では「咎人」と呼び、独房での生活を強いられます。しかし、この独房の中にも自由はありません。なんの権利も獲得していない咎人の場合、独房内で5歩以上の移動行為を行うだけで、「平時における5歩以上の自立歩行罪」に当たります。
しかも、たったこれだけの違反でも、追加の懲役はなんと10年です。自分の生活スペース内を数秒歩いただけで、10年もの懲役が科せられる世界。「起きて半畳寝て一畳」で生きろとでも言わんばかりです。
■休息は取っていい。……横になったな? 懲役10年だ
ちなみに、咎人には「アクセサリー」と呼ばれる人工のパートナーが帯同します。アクセサリーは監視の役目も兼ねており、咎人の違反行為にも目を光らせます。
見た目は人間のようなので、つい話しかけたくなりますが、許可なき私語は禁じられており、こちらの懲役は20年。私語は歩行よりも罪が重いようです。
歩行も会話もできないなら、もはや休むしかない。そんな咎人の胸中を察してくれたのか、アクセサリーが「休息を取りますか?」と促すこともあります。
そこで「休息する」を選び、備え付けのベッドで横になろうとしたら……「横になって休息する権利がありません」とまさかの指摘。権利を獲得していなければ、「平時における横臥の禁止違反罪」(懲役10年)に抵触してしまうのです。
備え付けのベッドがあり、「休息を取りますか?」とも言われたのに……と不満を持つ咎人もいることでしょう。しかし、アクセサリーはあくまで「休息」と表現しており、横になっていいとは言っていません。
では、どうやって休息すればいいのか。答えは実にシンプルで、「着座」での休息が許されています。社会に貢献して権利を得ないと、横になって休むことすら許されないのが『フリーダムウォーズ』の世界なのです。「起きて半畳寝て一畳」どころか、「起きて座って半畳」でした。
■平時に走るなんて、懲役20年~30年は覚悟しろ
独房で管理されている咎人といっても、「ボランティア」による社会貢献で、待遇の改善が望めます。努力して結果を出すことで環境が改善されるのは、現実社会も『フリーダムウォーズ』の世界も変わりません。
当初は独房だけの生活を強いられますが、後に独房の外に出て行動する権利の獲得も可能です。この権利を得ると行動範囲が一気に広がるため、権利獲得の素晴らしさを実感させてくれます。
しかし、独房外の行動にも様々な規則があり、油断できません。例えば、「平時における時間当たり運動量(重)超過罪」があります。分かりやすく言えば、5秒以上もしくは10秒以上走り続けることを禁止するものです。違反すれば、懲役は20年~30年。権利を解放できていない咎人には、走り続ける自由すらないのです。
■異性に近づいたな? 懲役20年だ
独房の外では(規則はあるものの)ある程度自由に行動ができ、同じように外出の許可を得た咎人や、懲役のない「市民(シヴィリアン)」と出会うこともあります。
しかし、ここも注意すべきポイントです。権利を獲得しないまま接近すると、「接触罪」に問われてしまいます。市民から面会を申し出て独房内で会う、といった場合は抵触しませんが、平時に咎人や市民に接触すると、権利がなければ20年の懲役を科せられるのです。
しかも「咎人との接触」と「市民との接触」は個別の権利ですし、さらに「異性への接近罪」もあります。
■横領が罪なのは当然だろう。今回は懲役2,240年だ
現代の感覚で見ると、『フリーダムウォーズ』世界の規則は「やり過ぎ」「行き過ぎ」が目立ちますが、一方で納得できる内容も存在します。その最たる例は、「許可なく希少アイテムを取得した罪」、いわゆる横領罪です。
ボランティアをクリアすると、戦闘状況に応じて報酬が得られます。しかしこの世界では、取得できるアイテムに制限があり、希少度が高いものほど一部の人間しか手にできません。
獲得する権利がない人間は、そのアイテムを献上することで刑期が減りますが、献上せずに取得すると横領となり刑期が科されます。
死ぬかもしれないボランティアで得た報酬を問答無用で献上させられるのは、納得のいかないところです。しかし、それはそれとして、取得権利のないアイテムを着服するのは、問題行為と言わざるを得ないのも事実。横領で刑期が増えるのは、やむを得ない話でしょう。
ただし、横領罪は着服したアイテムの希少性で罪が増し、1,240年や2,240年といった懲役が科される時も。
■もはや世界自体が罪深い『フリーダムウォーズ』、しかし人命尊重という側面も?
『フリーダムウォーズ』ではこのほかにも、「回答を拒否した罪」や「管理者への不服従罪」など、様々な罪とそれに伴う懲役が敷かれています。「被監視者としての義務違反罪」までくると、もうどんな行動をしても罪になるんじゃないかと思うほどです。
歩行するだけで、横になるだけで、走るだけで、誰かと会うだけで、罪を問われる『フリーダムウォーズ』の世界。情勢が変われば常識も変わるので、直接比較に意味はないとはいえ、選べるなら現代の方がまだマシと思ってもおかしくないでしょう。
ただし、こうした過厳しい規則が決められているものの、超管理社会を敷く作品にありがちな、“人命を軽視する傾向”はありません。
咎人であっても、命は大事な資源のひとつ。そのため、過酷なボランティアに駆り出されることはあっても、捨て駒として扱う管理者はまずいません。仮にいたとしても、そうした管理者の行動は「貴重な資源の浪費」と判断され、罪を負わされることでしょう。
「人材を使い捨てない」という一点に関してのみ、『フリーダムウォーズ』の世界がちょっとだけ羨ましいかもしれません……!
特に昨今は、コンプライアンスがより重視され、ハラスメントにも敏感な時代になりました。健全な職場環境を維持するためにも重要ですが、慣れない新社会人はもちろん、先輩や上司の方々も正しく遵守すべく対応に注力する場面もあることと思います。
現代のコンプラ・ハラスメント問題も簡単ではありませんが、今年1月にリマスター版が発売された『FREEDOM WARS Remastered(フリーダムウォーズ リマスター)』の世界は、現代のものとは全く異なるコンプラが敷かれており、驚かされる規則も少なくありません。
世界が違えば基準も変わるのは当然の話ですが、『フリーダムウォーズ』の世界に根付いている社会規範や倫理に基づく社会的なコンプラは、いずれも衝撃的なものばかり。「そんな世界に産まれなくて良かった……」と思ってしまうほど、強烈な規則の数々をご覧ください。
■産まれただけで「懲役100万年」の罪って、初手で詰んでない?
『フリーダムウォーズ』は近未来を描いており、その世界では資源が枯渇し、国家化した都市同士が資源を奪い合う過酷な状況に置かれています。
こうした背景から、産まれる=資源を消費する存在と認識され、生産活動に関わらない人間は例外なく「懲役100万年」という気が遠くなる刑期を科せられるのです。
産まれただけで罪人。しかも、その罪深さは100万年。その懲役を少しでも少なくするには、ボランティアに従事しなければなりません。なお、「ボランティア」の意味も現代と異なっており、『フリーダムウォーズ』における「ボランティア」は、命を落とす危険もある「戦闘行為への参加」に他なりません。
■独房で5歩以上歩くことなかれ
「ボランティア」を繰り返し、減刑を重ねていけば、いつか100万年という懲役も終わりを迎えることでしょう。
しかし、日常生活の中にも様々な規則が横たわっており、それに違反すると懲役が追加されてしまいます。
懲役のある人間を作中では「咎人」と呼び、独房での生活を強いられます。しかし、この独房の中にも自由はありません。なんの権利も獲得していない咎人の場合、独房内で5歩以上の移動行為を行うだけで、「平時における5歩以上の自立歩行罪」に当たります。
しかも、たったこれだけの違反でも、追加の懲役はなんと10年です。自分の生活スペース内を数秒歩いただけで、10年もの懲役が科せられる世界。「起きて半畳寝て一畳」で生きろとでも言わんばかりです。
■休息は取っていい。……横になったな? 懲役10年だ
ちなみに、咎人には「アクセサリー」と呼ばれる人工のパートナーが帯同します。アクセサリーは監視の役目も兼ねており、咎人の違反行為にも目を光らせます。
見た目は人間のようなので、つい話しかけたくなりますが、許可なき私語は禁じられており、こちらの懲役は20年。私語は歩行よりも罪が重いようです。
歩行も会話もできないなら、もはや休むしかない。そんな咎人の胸中を察してくれたのか、アクセサリーが「休息を取りますか?」と促すこともあります。
そこで「休息する」を選び、備え付けのベッドで横になろうとしたら……「横になって休息する権利がありません」とまさかの指摘。権利を獲得していなければ、「平時における横臥の禁止違反罪」(懲役10年)に抵触してしまうのです。
備え付けのベッドがあり、「休息を取りますか?」とも言われたのに……と不満を持つ咎人もいることでしょう。しかし、アクセサリーはあくまで「休息」と表現しており、横になっていいとは言っていません。
では、どうやって休息すればいいのか。答えは実にシンプルで、「着座」での休息が許されています。社会に貢献して権利を得ないと、横になって休むことすら許されないのが『フリーダムウォーズ』の世界なのです。「起きて半畳寝て一畳」どころか、「起きて座って半畳」でした。
■平時に走るなんて、懲役20年~30年は覚悟しろ
独房で管理されている咎人といっても、「ボランティア」による社会貢献で、待遇の改善が望めます。努力して結果を出すことで環境が改善されるのは、現実社会も『フリーダムウォーズ』の世界も変わりません。
当初は独房だけの生活を強いられますが、後に独房の外に出て行動する権利の獲得も可能です。この権利を得ると行動範囲が一気に広がるため、権利獲得の素晴らしさを実感させてくれます。
しかし、独房外の行動にも様々な規則があり、油断できません。例えば、「平時における時間当たり運動量(重)超過罪」があります。分かりやすく言えば、5秒以上もしくは10秒以上走り続けることを禁止するものです。違反すれば、懲役は20年~30年。権利を解放できていない咎人には、走り続ける自由すらないのです。
■異性に近づいたな? 懲役20年だ
独房の外では(規則はあるものの)ある程度自由に行動ができ、同じように外出の許可を得た咎人や、懲役のない「市民(シヴィリアン)」と出会うこともあります。
しかし、ここも注意すべきポイントです。権利を獲得しないまま接近すると、「接触罪」に問われてしまいます。市民から面会を申し出て独房内で会う、といった場合は抵触しませんが、平時に咎人や市民に接触すると、権利がなければ20年の懲役を科せられるのです。
しかも「咎人との接触」と「市民との接触」は個別の権利ですし、さらに「異性への接近罪」もあります。
こちらの懲役も20年と、ハラスメントどころではない重罪です。性的搾取の抑制には大きな効果がありそうですが、それとは別の意味で多大な問題を感じます……。
■横領が罪なのは当然だろう。今回は懲役2,240年だ
現代の感覚で見ると、『フリーダムウォーズ』世界の規則は「やり過ぎ」「行き過ぎ」が目立ちますが、一方で納得できる内容も存在します。その最たる例は、「許可なく希少アイテムを取得した罪」、いわゆる横領罪です。
ボランティアをクリアすると、戦闘状況に応じて報酬が得られます。しかしこの世界では、取得できるアイテムに制限があり、希少度が高いものほど一部の人間しか手にできません。
獲得する権利がない人間は、そのアイテムを献上することで刑期が減りますが、献上せずに取得すると横領となり刑期が科されます。
死ぬかもしれないボランティアで得た報酬を問答無用で献上させられるのは、納得のいかないところです。しかし、それはそれとして、取得権利のないアイテムを着服するのは、問題行為と言わざるを得ないのも事実。横領で刑期が増えるのは、やむを得ない話でしょう。
ただし、横領罪は着服したアイテムの希少性で罪が増し、1,240年や2,240年といった懲役が科される時も。
いささか桁がぶっ飛んでる気もしますが……こうした懲役の重さに慣れ、日常的に横領を繰り返す咎人(プレイヤー)も後を絶ちません。横領する方が悪いのか、不当な制限を強いる方が悪いのか、難しい問題です。
■もはや世界自体が罪深い『フリーダムウォーズ』、しかし人命尊重という側面も?
『フリーダムウォーズ』ではこのほかにも、「回答を拒否した罪」や「管理者への不服従罪」など、様々な罪とそれに伴う懲役が敷かれています。「被監視者としての義務違反罪」までくると、もうどんな行動をしても罪になるんじゃないかと思うほどです。
歩行するだけで、横になるだけで、走るだけで、誰かと会うだけで、罪を問われる『フリーダムウォーズ』の世界。情勢が変われば常識も変わるので、直接比較に意味はないとはいえ、選べるなら現代の方がまだマシと思ってもおかしくないでしょう。
ただし、こうした過厳しい規則が決められているものの、超管理社会を敷く作品にありがちな、“人命を軽視する傾向”はありません。
咎人であっても、命は大事な資源のひとつ。そのため、過酷なボランティアに駆り出されることはあっても、捨て駒として扱う管理者はまずいません。仮にいたとしても、そうした管理者の行動は「貴重な資源の浪費」と判断され、罪を負わされることでしょう。
「人材を使い捨てない」という一点に関してのみ、『フリーダムウォーズ』の世界がちょっとだけ羨ましいかもしれません……!
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