発表自体にも目を奪われますが、紹介映像の中で任天堂作品のキャラクターたちが見せた“意外な姿”や“予想外の展開”にも驚かされました。
■「もう疲れちゃって 全然動けなくてェ…」なコログが、まさかの勇姿を見せる
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』と深く関係する「封印戦争」の時代が舞台となる『ゼルダ無双 封印戦記』では、「ハイラル王国」建国時代に起きた魔王との戦いの物語が、遠い未来から訪れたゼルダ姫の視点を通して描かれます。
また、一騎当千アクション『無双』シリーズとのコラボレーション作品でもあるため、無数の敵を相手に戦う爽快感や、複数のプレイヤーキャラクターから好みのキャラを選んで操作する楽しさなども味わえます。
操作キャラは、戦闘中でも自由に切り替えが可能。ゼルダ姫が操作できるのはもちろん、ラウルやミネルといった封印戦争時代の仲間たちも、激しい戦いに向けて力を貸してくれます。
そして、「Nintendo Direct 2025.9.12」で披露された最新映像により、仲間となる新たなキャラが判明しました。なんと、あの「コログ」が本作の戦いに参加するとのことです。
コログは種族のひとつで、コログ族と呼ばれることも。『ゼルダの伝説 風のタクト』でも活躍しましたが、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』や『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の登場が印象深い人も多いことでしょう。
特に『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』では、「もう疲れちゃって 全然動けなくてェ…」とこぼしながら、目的地まで運んで欲しいとお願いする姿が印象的でした。
また、お願いを叶えれば報酬を得られるものの、ミッションそっちのけでコログをロケットで飛ばしたり、崖の下に突き落としたりと、一部で“コロ虐”とも呼ばれた非道な扱いを好んで楽しむプレイヤーも少なからずいました。
疲れ果ててダウンしたり、プレイヤーの好き放題に弄ばれたり。
映像ではごく短いシーンの登場でしたが、アイテムを大量に投げつけ、誘爆されるかのように薙ぎ払う様は、他の作品では考えられないほど力強く、頼もしさが感じられます。
『ゼルダ無双 封印戦記』へのまさかの抜擢は、想像の斜め上を行く展開です。“コロ虐”などしようものなら、手痛い反撃を受けてしまいそうです。その一変ぶりに、驚くほかありません。
■『トモコレ』最新作で、Miiが見せた驚きの食事風景
任天堂独自のアバター機能である「Mii」を活用し、多彩なMiiたちが日常を送る空間を舞台に、そこで生まれる人間関係や思いがけないドラマの発生などを楽しむ『トモダチコレクション』シリーズ。これまではニンテンドーDSや3DSで、この個性的な作品が楽しまれていました。
しかし、3DS版『トモダチコレクション 新生活』は2013年に発売されており、今では干支が1周するほどの時間が経っています。3DSシリーズ自体も修理対応が終了しているため、3DSの環境で遊び続けるのもそろそろ限界です。
このままシリーズは終わってしまうのかと思われていた矢先、シリーズ最新作の『トモダチコレクション わくわく生活』がスイッチ向けに登場すると、2025年3月に発表されました。
この時点では詳細などは明かされていなかったものの、島を舞台に数多くのMiiが暮らす様子や、Mii同士のユニークで印象深いコミュニケーションの一部が紹介され、待ち侘びたファンの期待を大いに高めます。
それから約半年が経った9月、「Nintendo Direct 2025.9.12」にて、『トモダチコレクション わくわく生活』の続報が届きました。
その紹介映像の中で、「おなかがペコペコです」と訴えかけるMiiがいました。こうした要望に応えることも可能のようですが、ここでMiiに渡された食べ物は……あろうことか、生の白菜。しかも、カットしていない1個まるごとです。
未調理でこのサイズの白菜だけを渡されても困るだろう、と思った人も多いはず。いや、これを元にMiiが料理するのかと、と考えた人もいることでしょう。
しかし、その白菜を受け取ったMiiは……生の白菜を丸かじり! 「いただきます」と一言挟んで果敢に咀嚼すると、みるみるうちに小さくなっていく白菜。しかも、食べ終わった後は満面の笑みを浮かべ、「結構おいしかったようです」といったテキスト表示も飛び出します。
どうやら『トモダチコレクション わくわく生活』のMiiには好きな食べ物や苦手なものがあるらしく、それを見つけていく楽しみもあるようです。とはいえ、生の白菜を直に与え、それを丸々食して喜びは跳ねるMiiを見る日が来るとは……令和になっても、『トモコレ』に驚かされることになりそうです。
■『FE』完全新作で、『風花雪月』のソティスがまさかの姿に!?
「Nintendo Direct 2025.9.12」のラストを飾った発表は、シミュレーションRPGの草分け的存在として知られている『ファイアーエムブレム』シリーズの完全新作『ファイアーエムブレム 万紫千紅』でした。
本シリーズは近年だけでも、成長した生徒たちがそれぞれの立場と責任を背負いながら、三国間の戦いに身を投じた『ファイアーエムブレム 風花雪月』や、歴代キャラクターの力を借りて激戦に立ち向かう『ファイアーエムブレム エンゲージ』などが展開し、いずれも好評を博しました。
この『ファイアーエムブレム』シリーズの歴史に新たな一歩を刻む『ファイアーエムブレム 万紫千紅』では、巨大な闘技場「ダグシオン大剣闘祭」を舞台に、登場人物たちの信念と力がぶつかり合う物語が展開していきます。
ゲームシステムの詳細などはまだ明かされていませんが、父親を助けるために立ち上がる少年「カイ」や、大勢の兵士たちを率いる高貴な女性「セオドラ」など、大剣闘祭の出場を目指す戦士たちが一部取り上げられました。
作品の発表や新キャラクターにも多くの視線が集まりましたが、シリーズファンがもっとも刮目したのは、紹介映像の終わり際。「久しいのう、おぬし」という呼びかけから始まり、長い階段とその先に置かれた玉座らしきものが浮かび上がります。
その座に腰を据えるのは、物腰の落ち着いた妙齢の女性。声からも威厳が感じられますが、彼女の表情はどこか怪訝そうにも思えます。
この怪訝さは、次に紡いだ言葉である程度理解できました。「もしや、わしのことを忘れたのか?」と、まるで目の前にいる人物が自分のことを忘れているのでは、といった疑問を呈するような台詞が続きます。
映像は彼女の疑問で締めくくられ、彼女の真意や事情などは不明のまま。しかし、ロケーションや彼女から受ける印象を元に、シリーズファンの多くが『ファイアーエムブレム 風花雪月』に登場した「ソティス」を連想しました。
ネタバレになるため詳細な説明は避けますが、『ファイアーエムブレム 風花雪月』のソティスは主人公と深い結びつきがあり、一心同体とも言える存在。同作品のソティスは幼い少女の姿だったため、映像の女性とは年齢が大きく離れていますが、身に着けている衣装やロケーションなど共通点も多く見受けられます。
見た目の年齢が大きく変わっているのは、『ファイアーエムブレム 風花雪月』の時代から長い時間が経っているため、と考えれば納得がいきます。また、時代を遡って全盛期当時のソティス、という解釈も可能でしょう。
いずれの理由にせよ、映像の人物がもしソティスであれば、妙齢の彼女と出会うという予想外の展開が『ファイアーエムブレム 万紫千紅』で実現することでしょう。少女の姿だったソティスが、まさかこんな姿を見せてくれるとは……と断言するのはまだ早いのですが、そんな可能性が持ち上がっただけでも驚きです。
コログの思わぬ出世ぶりや、Miiの生白菜の丸かじり、妙齢な姿になったソティス(かもしれない女性)と、任天堂キャラクターたちが意外な姿を見せてくれた「Nintendo Direct 2025.9.12」。色々な意味で、吃驚させられる情報公開となりました。