しかし、ゲーム業界の過熱ぶりはむしろここからが本番。
期待作が登場するのは嬉しいばかりですが、2本、3本と立て続けに来られては、プレイ時間を確保するのも困難です。すでに現時点だけでも、『トワと神樹の祈り子たち』(9月18日発売)や『空の軌跡 the 1st』(9月19日発売)で手一杯、という人のいることでしょう。
これからの1ヶ月で、果たしてどんなタイトルが続々と登場するのか。ゲームファンが嬉しい悲鳴を上げそうな新作ラッシュの一部をまとめてお届けします。
■『紅の錬金術士と白の守護者 ~レスレリアーナのアトリエ~』:2025年9月26日発売
ニンテンドースイッチ/PS5/PS4/Steam
1997年に登場した『マリーのアトリエ』から始まった本シリーズは、新たなモノを作り出す錬金術を通して、主人公たちの葛藤と成長を描いてきたRPGです。
近年だけでも、『ライザのアトリエ』シリーズが大きな関心を集め、『ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地~』ではオープンフィールドを取り入れるなど、今も目が離せない人気シリーズとして名を馳せています。
また、スマートフォン向けに『レスレリアーナのアトリエ ~忘れられた錬金術と極夜の解放者~』が2023年に正式サービスを開始しましたが、この作品と世界観やキャラクターを共有する『紅の錬金術士と白の守護者 ~レスレリアーナのアトリエ~』が、今月9月26日に発売されます。
錬金術による調合やタイムラインコマンドバトル、階層型ダンジョン「亜空の道」も待ち受ける探索といった要素に加え、町の復興も大事な目的のひとつ。錬金術で生み出したアイテムを販売し、街を大いに盛り上げましょう。
従来のシリーズ作と同様と考えれば、RPG1本分のボリュームは十分あると思われます。本作のプレイを予定しており、今現在別のゲームを遊んでいる人は、9月26日までにしっかりとクリアしておきましょう。
■『ファイナルファンタジータクティクス イヴァリース クロニクルズ』:2025年9月30日発売
スイッチ2/スイッチ/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Steam
『紅の錬金術士と白の守護者 ~レスレリアーナのアトリエ~』だけでの9月の残り時間が消えてしまいそうですが、月末には『ファイナルファンタジータクティクス イヴァリース クロニクルズ』も控えており、どちらも遊びたい人にとっては嬉しい悲鳴が上がる頃合いでしょう。
『ファイナルファンタジー』シリーズ初の本格シミュレーションRPGとして登場した『ファイナルファンタジータクティクス』は、ジョブやアビリティといったお馴染みの要素をシステムにうまく落とし込み、戦略性に高い新たなゲーム性をシリーズファンに提供しました。
また、松野泰己氏による脚本は、国家間の争いや身分の差などに真正面から斬り込み、その重厚な人間ドラマがプレイヤーの心を力強く捉えて好評を博しました。
この『ファイナルファンタジータクティクス』を可能な限り忠実に再現した「クラシック」モードと、グラフィックの進化、UIの全面一新、大きく加筆・調整されたストーリー、フルボイス対応などの要素を加えた「エンハンスド」モードの両方が楽しめる『ファイナルファンタジータクティクス イヴァリース クロニクルズ』が、9月30日にリリースされます。
ジョブとアビリティを組み合わせてシナジーを見つける模索は、時代が変わろうともその楽しさは変わりません。また、「エンハンスド」モードでさらに深みを増す松野氏のシナリオも魅力的です。9月30日からしばらくは、本作にどっぷり浸かる人も多いことでしょう。
■『Ghost of Yotei』:2025年10月2日
PS5
9月下旬に話題作が一気に2本も出ましたが、明けて10月2日に早々とビッグタイトルが登場します。その名は、『Ghost of Yotei』。対馬で蒙古と戦う過酷な物語を描いた『Ghost of Tsushima』の流れを汲むシリーズ第2作目です。
『Ghost of Tsushima』経験者は、共通するゲームシステムや新たに加わった要素など、前作との違いや変化も存分に楽しめることでしょう。ただし、『Ghost of Yotei』の舞台は前作から300年以上が経った1603年の蝦夷地なので、未経験者でもプレイ上の問題は全くありません。
時代劇の殺陣をモチーフとしたバトルは今回も健在で、戦闘の緊張感はもちろん、見栄えのよいアクションで没入感を促します。また、時代が進んだことで「銃」が使えるようになり、太刀などの近接武器と種子島の遠距離攻撃を併用する立ち回りは、本作ならではの醍醐味です。
主人公の篤は、幼き頃に家族を殺されており、その仇敵「羊蹄六人衆」を討つために蝦夷地を旅する武芸者です。太刀や種子島だけでなく、槍や長弓も使うことができ、多彩な武器が篤の復讐劇を彩ります。
今回取り上げるゲームを全て遊ぶ人はさすがに稀だと思いますが、『FFT イヴァリース クロニクルズ』と『Ghost of Yotei』のどちらにも惹かれている、という方は少なからずいることでしょう。
しかし、両作品の発売日の開きはごくわずか。『FFT イヴァリース クロニクルズ』の2日後に『Ghost of Yotei』がリリースされるため、どちらかの作品は後回しにせざるを得ません。その苦渋の決断を、今のうちに済ませておきましょう。
■『へべれけ ばにーがーでん』:2025年10月9日発売
スイッチ/Steam
『紅の錬金術士と白の守護者』『FFT イヴァリース クロニクルズ』『Ghost of Yotei』といった話題作3本が、なんと1週間以内に発売されます。この濃密すぎるラッシュに、嬉しい悲鳴が上がるのも当然でしょう。
『Ghost of Yotei』と同日に発売される『デジモンストーリー タイムストレンジャー』なども含め、10月上旬も様々な新作ゲームが彩るため、この期間も油断はできません。また、意外な伏兵にプレイ時間を奪われる可能性も十分あります。
そんなダークホース的な存在として見逃せないのが、4月25日に配信された「qureate Digest 2025-2026タイトルラインナップ」にて発表された『へべれけ ばにーがーでん』です。
好みは分かれやすいものの、キャストとのコミュニケーションに心まで溶かされてしまうプレイヤーを続出させた『バニーガーデン』。この話題作のスピンオフとして登場する『へべれけ ばにーがーでん』はジャンルを大きく変更し、“へべれけ”状態のキャストを操作するアクションゲームとして登場します。
お酒を飲むのも、キャストたちの大事な仕事のひとつ。その結果、まっすぐ歩くことすら困難な“へべれけ状態”になった彼女たちが、果たして無事に家へ帰れるのか。その結果は、操作するプレイヤーの腕にかかっています。
『へべれけ ばにーがーでん』は、ここまで紹介した作品とは方向性も内容もガラッと変わりますが、どハマりする人には絶対に外せないパワフルさを持ち合わせています。本作を遊ぶために、『Ghost of Yotei』のプレイを一時休止する……という人がゼロとは言いきれません。
刺さる人は限られているものの、一部の人にとっては見逃すわけにいかないマストな1本。『へべれけ ばにーがーでん』のプレイ予定も、しっかりと開けておきましょう。
■『リトルナイトメア3』:2025年10月10日発売
スイッチ2/スイッチ/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC Digital
独特の雰囲気作りや優れたデザインワークが高く評価され、確固たる地位を築いた『リトルナイトメア』シリーズ。こちらも、いわゆる大作とは異なりますが、研ぎ澄まされたセンスがもたらすプレイ体験は唯一無二で、他の作品では替えが利かない人気作です。
しかも、最新作『リトルナイトメア3』の発売日は、『へべれけ ばにーがーでん』の翌日にあたる10月10日。この2作品の客層が重なりやすいとは言いませんが、『紅の錬金術士と白の守護者』以降に遊びたい作品がひとつでもあれば、タイミング的にプレイ日程がかなり厳しくなることでしょう。
本作はふたりの主人公がおり、オンラインを介した協力プレイや、相棒をAIが操作するソロプレイが楽しめます。本シリーズは常に悪夢のような世界が舞台となりますが、今回は相棒と一緒に挑むことができるため、怖れる必要はありません。トライ&エラーもしやすいため、相棒と助け合いつつ、謎に満ちた世界に挑んでください。
■『ポケモンレジェンズ Z-A』:2025年10月16日発売
スイッチ2/スイッチ
わずか1週間の間に次々訪れる大作ラッシュに、替えの利かない個性派タイトルなど、方向性も豊かに様々な新作が一気に訪れます。この過渡期を乗り越えてようやく一息つけたかと思いきや、なんと『ポケモンレジェンズ Z-A』が10月16日に発売されます。
2022年に発売された『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』は、3年足らずで2,715万本もの販売本数を記録しており、世界的な大ヒット作となりました。『ポケモンレジェンズ Z-A』に集まる視線も相当なもので、これほどのビッグタイトルは年単位でも数えるほどです。
しかも『ポケモンレジェンズ Z-A』は、これまでターン制だったバトルを一新し、リアルタイムに進行するアクションバトルに変化しました。お馴染みのポケモンたちを、これまでになかったプレイ体験で楽しめる最新作を、今から待ち望んでいる人も多いはず。
大作ラッシュの後に、世界的な注目作が間を置かず登場するという、今回の販売スケジュール。
■HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』:2025年10月30日発売
スイッチ2/スイッチ/PS5/Xbox Series X|S/Xbox One/Steam/Windows
『ポケモンレジェンズ Z-A』だけでも、普通に遊ぶだけで何十時間、ポケモンの育成にハマれば際限なく楽しめるはず。そこに、9月下旬から続く話題作のラッシュが加われば、プレイ時間は過酷な奪い合いになることでしょう。
この時点ですでにオーバーフローを迎えていてもおかしくないのに、『ポケモンレジェンズ Z-A』発売からわずか2週間後に、HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』がやってきます。いずれも国民的に愛されているRPGシリーズの最新作が、わずか2週間という僅差で発売。嬉しい悲鳴とは、まさにこのことでしょう。
完全新作の『ポケモンレジェンズ Z-A』とは違い、HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』はリメイク作ですが、グラフィックを一新させた上に、オリジナル版にはなかった「とくぎ」の導入や、サマルトリアの王女が4人目の仲間として加わるなど、本作ならではの体験もたっぷり用意されています。
懐かしくも新しい『ドラゴンクエストI&II』も、非常に魅力的な1本です。本作が発売される10月30日までに、プレイ中の大作や話題作をクリアできるのか。プレイスケジュールを、今のうちに見直しておくのもお勧めです。
新作を発売日に遊ばず、後日プレイしたとしても、その面白さに変わりはありません。ただし、プレイしたい気持ちとそのタイトルは、プレイヤーごとに異なることでしょう。
ここからしばらくは、話題作が特に集中する時期なので、今一度見直してはいかがでしょうか。ちなみに、月明け直後の11月6日には、『ゼルダ無双 封印戦記』が発売されるので、こちらもお見逃しなく。