9月23日、年間を代表するにふさわしいゲームタイトルを選考・表彰する「日本ゲーム大賞2025」の発表授賞式が開催。対象期間内に数々の話題を集めた注目のゲームタイトルが経済産業大臣賞、ゲームデザイナーズ大賞、ブレイクスルー賞、ムーブメント賞、特別賞、優秀賞に選出されるなか、アトラスが手掛ける『メタファー:リファンタジオ』が今年度の大賞作品に選ばれました。


「日本ゲーム大賞」の開催は今年で29回目。今回は、2024年4月1日~2025年5月31日までに日本国内で発売された作品および、期間外の発売でもその年に話題となった作品が選考対象となっています。

発表授賞式には、名だたるゲームクリエイターの面々が勢揃いするなか、俳優やタレントとして活躍する本郷奏多さん、ピアニストのハラミちゃんさんらも登壇。本郷さんは、プレゼンターとして会場を盛り上げ、ハラミちゃんさんは大賞に選ばれた『メタファー:リファンタジオ』の音楽などをピアノの生演奏で披露しました。

本稿では、大きな驚きと歓声で溢れた「日本ゲーム大賞2025」の現地の様子をお届けします。

◆受賞作品は「ニンテンドースイッチ2」から「PlayStation Store」まで
授賞式の冒頭では、経済産業大臣政務官の竹内真二氏が登壇。「日本ゲーム大賞」の祝辞を述べつつ、「ゲーム産業がコンテンツ産業全体の海外市場規模の約6割を占めている」と語り、日本におけるゲーム業界の社会的意義を示しました。

■経済産業大臣賞 ニンテンドースイッチ2
経済産業大臣賞は、発売後4日間で世界での販売本数における任天堂のゲーム専用機として過去最高の350万台を超えた「ニンテンドースイッチ2」が受賞。日本や欧米だけでなく東南アジア諸国でも初めて展開され、家庭用ゲーム機市場の拡大に寄与した点が高く評価されました。

■ムーブメント賞 Pokémon Trading Card Game Pocket(株式会社ポケモン)
ムーブメント賞には、スマホ向けに展開される「ポケモンカード」のコレクションアプリ『Pokémon Trading Card Game Pocket』が受賞。懐かしいイラストから新規カードまで楽しめ、オンライン対戦や初心者向け機能も充実し、「ポケポケ」の愛称で親しまれるなど一大ブームを巻き起こした点が高く評価されました。

■ブレイクスルー賞 Clair Obscur: Expedition 33
ブレイクスルー賞には、ベル・エポック期のフランスをモチーフとした幻想世界を舞台とした『Clair Obscur: Expedition 33』が受賞。
呪いの数字によって年齢と命が奪われる独創的な設定と、パリィやフリーエイムを取り入れた「リアクティブターンベースRPG」という新たなバトルシステムが特徴の作品です。

■特別賞 PlayStation Store
特別賞には、PlayStation Storeが受賞。2006年にオープンし、デジタル流通の先駆けとして業界の収益構造を大きく変革したサービスであり、インディーから大手まで幅広いパブリッシャーを支援し、ゲーム販売の基盤として長期収益化に貢献した功績が認められました。

◆『モンハンワイルズ』『HD-2D版 ドラクエIII』など11作品が優秀賞に
優秀賞には、『メタファー:リファンタジオ』や『HD-2D版 ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』など世の中を席巻した11作品が受賞。『モンスターハンター』シリーズでおなじみの辻本 良三氏や『ドラゴンクエスト』シリーズを手がけた堀井 雄二氏など名だたるゲームクリエイターが登壇し、喜びを語りました。

■メタファー:リファンタジオ(アトラス)

■都市伝説解体センター(集英社ゲームズ)

■ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン(スクウェア・エニックス

■HD-2D版 ドラゴンクエストIII そして伝説へ…(スクウェア・エニックス)

■真・三國無双 ORIGINS(コーエーテクモゲームス

■首都高バトル/TokyoXtremeRacer(元気)

龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii(セガ)

■モンスターハンターワイルズ(カプコン)

■HUNDRED LINE -最終防衛学園-(アニプレックス)

■ファンタジーライフi グルグルの竜と時をぬすむ少女(レベルファイブ)

■ELDEN RING NIGHTREIGN(フロム・ソフトウェア)
◆ゲームデザイナーズ賞『INDIKA』を桜井政博氏がプレゼン!
また授賞式ではゲームデザイナーズ賞を受賞した『INDIKA』を、『星のカービィ』『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズなどを手がけた桜井政博氏がプレゼン。実際のゲーム映像を映しながら、19世紀末のロシアを舞台に描かれる『INDIKA』のゲーム性を紹介しました。

本作品は、修道女インディカの旅と内面を描く三人称視点のアクションゲーム。反体制的な宗教観や日々積まれる徳をテーマにした物語が展開され、祈ることでステージが変動し、その動きを使いながら解くパズルのようなギミックなど、さまざまなゲーム性を持っている作品です。

授賞式では、本作のディレクターを務めるDmitry Svetlow氏のビデオメッセージも公開。授賞について非常に嬉しく思っていると語りつつ、「異なる国や異なる文化の人々が『INDIKA』に共感を得たことに驚いた」とし、「生まれた環境や宗教観に皆が同じ疑問を抱き、同じ苦悩に直面していることを証明している」と独自の視点で今回選ばれた理由について感想を述べました。

◆『メタファー:リファンタジオ』が日本ゲーム大賞に!
2025年の大賞は、『メタファー:リファンタジオ』に決定。
アトラスが手がける完全新作ファンタジーRPGで、国王暗殺を機に始まる王位争奪戦を描き、壮大なストーリーと幻想的な世界観を背景に、アクション性と戦術性を両立させた戦闘システムが高く評価されました。

日本のお経などさまざまな国の文化をモチーフとしたサウンドや西洋絵画風の美しいUI、多彩な種族と個性豊かなキャラクターたちが紡ぐドラマがユーザーから熱狂的な支持を集め、大賞に選出されました。

発表される瞬間にはピアニストのハラミちゃんさんが、『メタファー:リファンタジオ』の音楽を演奏。きらびやかな音色かつダイナミックに体を動かしながら、難しいであろう独特なメタファーの音楽をピアノで表現しました。

大賞の授賞式には、本郷 奏多さんがプレゼンターとして登場。本郷さんは「最後までワクワクしながらプレイさせていただきました」とメタファーのプレイ体験を振り返りつつ、「ストーリー、グラフィック、音楽とすべてに夢中になりながら体験したことを覚えてます」と語りました。

本作のディレクターを務めた橋野 桂氏は、「先に教えてもらえるものなのかと思っていましたが、突然でびっくりしました」と驚いた様子をみせ、デザインを務めた副島 成記氏は「開発スタッフや協力してくれたひとたちと喜びを分かちあいたい」と受賞した感想を語りました。

「日本ゲーム大賞2025」は、9月25日(木)から9月27日(土)まで「フューチャー部門」のネット投票も特設サイトにて受付中。気になった方は、ぜひ投票してみてはいかがでしょうか。
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