そこで今回は、ゲームライターがいちユーザーの視点から「これは押さえておきたい」と感じたタイトルの中から6本を厳選し、まとめてお届けします。
いずれも実際にプレイした経験を元にしているため、まだ触れていないタイトルは当然含まれていません。そのため「あの作品がない」「あれを入れないなんてあり得ない」と想う人もいることでしょう。そうしたご意見はぜひ、コメントやSNSなどに発信し、広くお知らせください。お勧め作品の情報は、なんぼあってもいい!
■『真・三國無双 ORIGINS』:PS5/Xbox Series X|S/Steam
2025年が始まって早々に衝撃を受けた作品として、『真・三國無双 ORIGINS』が忘れられません。タイトルからも分かる通り、一騎当千の爽快アクションが売りの『真・三國無双』シリーズに連なる作品で、ナンバリング作に匹敵するボリュームと遊び甲斐を備えた作品でした。
PS4やスイッチといった、いわゆる前世代機を外し、最新のプラットフォームに絞ったため、臨場感のあるグラフィックで、シリーズ史上最大級の軍勢を描いたビジュアルは、まさに圧巻の一言。その臨場感だけでも、体験する価値があります。
しかし、特に驚かされたのは、ゲーム性そのものでした。何百、何千もの兵士を打ち倒す一騎当千感を受け継ぎつつ、敵武将との戦いは「弾き」(パリィ)や「見切り」(ジャスト回避)を駆使して戦う、まるで高難易度アクションゲームのような手応えも味わわせてくれます。
一方で、強敵であっても戦局を整えることで弱体化するため、プレイヤーの努力で有利な展開にすることも可能。
無双的な爽快感に加え、アクションゲームとしての手応えと達成感も両立させた『真・三國無双 ORIGINS』。現役のシリーズファンはもちろんのこと、休止中のファンからシリーズ未体験のアクション好きまで、広くお勧めしたい作品です。
4つの物語を体験できるDLC「夢幻の四英傑」が2026年1月22日から配信されるので、いまのうちに本編を遊んでみてはいかがですか。
■『AI LIMIT 無限機兵』:PS5/Steam
一部の高難易度なアクションゲームは、“死にゲー”と呼ばれることがたびたびあります。メーカー側からの発信やユーザーによるカテゴライズまで呼称の使い方は様々ですし、定義の解釈も人によって分かれますが、「何度も死んでやり直しながら、攻略の糸口を見つける」というゲーム作品を指す場合がほとんどです。
『AI LIMIT 無限機兵』も、プレイヤーの多くが“死にゲー”と呼ぶ高難易度のアクションゲーム。フィールドの進行はある程度決まっているものの、個々のフィールドはそれなりの広さを持ち、探索要素も十分。滅びに向かう世界の黄昏感が視覚的に描写されており、没入感もなかなかです。
ですが、やはり最も注目したい点は、ゲーム性の中心に置かれたバトル。1対1でも手ごわい敵が多く、ちょっとした油断や判断ミスが死に繋がる緊張感。
“死にゲー”作品の中には、攻撃や回避にスタミナ要素があり、スタミナの残量を管理しつつ戦うものが少なくありません。これもひとつのゲーム性ですが、スタミナが尽きて動けずストレスを覚えた人も少なくないはず。
『AI LIMIT 無限機兵』には、こうしたスタミナ要素がなく、攻撃や回避に回数的な制限はありません。もちろん、無闇に連打してもモーションの隙を突かれて反撃を食らうだけですが、パリィなどを的確に駆使することで、スタミナのある“死にゲー”作品では考えられないほど、苛烈な“攻め”で敵を圧倒することすら可能です。
しかも『AI LIMIT 無限機兵』の価格(ダウンロード版)は、4,730円と比較的抑えめです。本格的な“死にゲー”作品は6~8,000円台も多いため、出費の差は一目瞭然。それでいて、ボリュームや完成度は引けを取っていません。
完成度も高く、独自のプレイ感があり、手が出しやすい価格帯。嬉しい要素が詰まっている『AI LIMIT 無限機兵』を、お勧めしない理由はありません。“死にゲー”好きなら、ぜひプレイ候補に加えてください。
■『Ghost of Yotei』:PS5
『Ghost of Yotei』は、2020年に発売された『Ghost of Tsushima』の流れを汲む、オープンワールドのアクションRPGです。時代が大きく離れているため、物語面の直接的な結びつきはないものの、根幹となるゲームシステムに共通点が多く見られます。
『Ghost of Tsushima』は、蒙古の侵攻に苦しめられる対馬の民を救うべく、侍である「境井仁」の奮闘が描かれました。ただし、侍の矜持を保ったままでは、圧倒的な戦力差のある蒙古と渡り合うことは出来ず、誉れと決別する覚悟も伴う戦いとなります。
前作の主人公が非常に魅力的だったため、『Ghost of Yotei』の主人公・篤が見劣りしてしまうのでは……という懸念もありましたが、無残に殺された家族の復讐という一念のみで腕を磨き、仇を討つことに全てを注ぐ彼女の姿もまた、非常に魅力的でした。
大局のために己の誉れを殺した仁とは対照的ですが、激しい感情に突き動かされ、我が身を投げうってでも目的に挑む生き方は、両者ともに劣ることなく、眩しいほどの力強さを見せつけてくれます。
仁とは異なる角度から、主人公としての在り方を確立した篤。受け取り側の好みによって評価は変わるかと思いますが、『Ghost of Tsushima』が大ヒットを遂げたため、続編に求められる期待値も大きく上がったことでしょう。その期待に十分応える役目を、篤は見事果たしたように感じます。
また、ゲーム性は『Ghost of Tsushima』の魅力を受け継ぎ、更にブラッシュアップしているため、正当続編として順当に進化しています。時代の経過によって扱える武器が増えたのも嬉しいところ。アクション面の手応えも名作級の作品です。
■HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』:NS2/NS/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Steam/PC
国民的RPGとして名を馳せた『ドラゴンクエスト』シリーズ。その原点にあたる1作目と2作目を、ドット絵と3DCGを融合させた「HD-2D」でフルリメイクした『ドラゴンクエストI&II』が、2025年10月30日にリリースされました。
オリジナル版の発売は1980年代後半なので、ざっと40年近く前の作品になります。当時の作品を今遊んでみると、当然不便であったり、描写が物足りないと感じることもあるでしょう。
もちろん、HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』は、オリジナル版をそのまま現代に持ってきたわけではありません。見た目はもちろんのこと、UIの使い勝手や利便性も大きく向上。令和のプレイ感に相応しい作りに変わりました。
特に大きかったのは、ゲームバランスの変化とストーリーの大幅な加筆です。かつての『I』は主人公と敵が、常に1対1で戦っていました。しかしHD-2D版では、複数の敵が一度に襲いかかるようになり、1対多数という数的に不利な戦いとなりました。
しかし、「とくぎ」や広範囲攻撃ができる武器の導入により、ひとりでも集団相手に引けを取りません。むしろ、「多数の敵をなぎ倒す」という構図になったことで、主人公の“勇者感”がより強く感じられるようになりました。
また、HD-2D版の『II』では、サマルトリアの王女が加わり、4人パーティによる冒険に変化。当然、ゲームバランスも変わりましたが、4人の長所がはっきり分かれているため、全員にきっちり見せ場や強みがあったように思います。
そしてシナリオは、本筋の描写が厚くなっただけでなく、これまで語られていなかった部分や、新たな解釈に基づく物語が展開し、オリジナル版をプレイ済みでも新鮮な気持ちで楽しむことができました。
ゲーム性の変化やシナリオの加筆修正に、難色を示す人がいるのも分かります。その認識を無理に改める必要はありませんが、「もうひとつのロト三部作」として見るべきものがあったと、個人的に強く感じました。
リメイク作が登場しても、オリジナル版の良さや魅力は減じません。作品の価値が別の作品によって上書きされることはないので、どちらを愛するもよし。両方愛するのもまたよしです。
ただし、HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』をプレイする前に、HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』を先に遊んでおきましょう。一気に遊べば、ロト三部作の繋がりをより強く感じられます。
■『オクトパストラベラー0』:NS2/NS/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Steam/PC
HD-2Dは、2018年に発売された『オクトパストラベラー』によって初めて確立されました。今では複数の作品に使われている手法ですが、温かみのあるグラフィック表現と懐かしさが入り混じる新鮮さによって、様々な魅力を持つ『オクトパストラベラー』の知名度を押し上げる役目を果たします。
そんな『オクトパストラベラー』の特徴を受け継ぎ、更なる進化を遂げたのが『オクトパストラベラー0』です。プレイの手触りやテンポ、遊びやすさなどを高めつつも、RPG黄金期を思わせるような「ゲームの楽しさ」を詰め込んだ作りは、最新作でも変わっていません。
特に顕著なのが、ちょっとしたズルでお得に遊べる要素です。例えば、フィールドコマンドの「ねだる」を活用すると、ゲームの中盤で手に入るような武具を、開始直後の序盤の時点で入手することができます。
成功確率はわずか数パーセントになることもザラですが、事前セーブによるトライ&エラーがシステム的に可能なため、必要なのは根気だけ。お目当ての住人がいる町への移動も、「逃げる」のトライ&エラーでいずれたどり着けます。
こうした“抜け道的なパワーアップ”は、昨今の作品だと塞がれているか制限されていることがほとんど。しかし、『オクトパストラベラー0』ではかなり自由に「ねだる」ことができます。
「ねだる」による入手をシステム的に縛るのは、おそらく簡単なはず。敢えてそれをしなかった開発陣のスタンスに、“ちょっと得して遊びたい心”が大いに満たされました。言うまでもなく『オクトパストラベラー0』自体の完成度が高いため、苦労して入手した武具の強みを感じながら挑むバトルは手応え満点。
“ちょっと得して遊びたい心”を全面に押し出してしまいましたが、全8人編成のバトルは、2人1組の前衛・後衛の切り替え、「シールド」と「ブレイク」による戦略性、多彩なジョブと組み合わせのシナジー、生々しく人間味のある物語の数々など、本作の魅力はいくら語っても尽きないほどです。
遊び甲斐のあるターン制RPGを求めているなら、『オクトパストラベラー0』もぜひ候補に加えてください。


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