国民的RPGとして知られる『ドラゴンクエスト』シリーズ。
一口にリメイクといっても、見た目やシステム周りの一新に留まるものもあれば、様々な新機能や新要素を加え、プレイ感が大きく変わる場合もあります。HD-2D版『ドラクエI&II』は後者にあたり、シナリオからゲーム性まで大きな変化・進化を迎えました。
多くのユーザーがHD-2D版『ドラクエI&II』をプレイし、新たな体験を味わいましたが、かつてオリジナル版を遊んだ人が全員HD-2D版に触れたわけではないはず。オリジナル版からどれほど変わったのか、気になっていても確かめられない……そんな人もいることでしょう。
かつて『ドラクエ』キッズだった方々に向けて、その変革ぶりをたっぷりのスクショと共にお届けします。今回のテーマは、『ドラクエI』に登場するローラ姫。彼女の存在が、HD-2D版『ドラクエI』でどのような変貌を遂げたのか。たっぷりのスクリーンショットと共にご覧ください。
なお、本記事にはHD-2D版『ドラクエI』のネタバレが含まれています。閲覧の際は、その点にご注意ください。
■救出前の描写の増えたローラ姫
アレフガルドを闇で覆わんとする「りゅうおう」に立ち向かう、ひとりの勇者の物語を描いた『ドラクエI』。
例えば原点のファミコン版では、ローラ姫に関する事前情報が乏しく断片的な話を聞くことしかできません。しかし、HD-2D版ではローラ姫の捜索隊のひとりと接触します。
捜索隊の生き残りは「捜索隊は全滅した……」と告げ、本人の息も絶え絶え。しかし、「マイラの南の沼地で、魔物に連れさられる姿を見たものがいた……」と、有益な情報も残してくれました。
魔物との戦いが過酷であることを窺わせつつ、かなり強めの誘導も盛り込まれたローラ姫の捜索。この分かりやすさは、令和という時代に合わせた変化なのかもしれません。
ちなみに、第三者から語られる形で、ローラ姫がさらわれた経緯も描かれました。
■ただ牢屋に閉じ込められただけじゃなかった……!
攫われた後、ローラ姫はどのように過ごしていたのかも、HD-2D版で描かれています。
本作のローラ姫は、精霊ルビスから予言を託されていました。その内容を聞き出すべく、父親であるラダトーム王や、すでに亡くなっているラダトーム王妃のまぼろしを見せ、ゆさぶりをかけます。
まぼろしとはいえ、両親が目の前で炎に包まれる姿を見せられ、動揺を隠せないローラ姫。
■救出劇にもドラマあり! そして、初めての共同作業
まぼろしによる策略は、ローラ姫だけでなく、勇者にも襲いかかります。沼にある洞窟の小部屋に入ると、そこに待っていたローラ姫から「あなたを導いた者は誰? どうやって?」と質問責めにあいます。
その後、本物のローラ姫と対面しますが、勇者以上にまぼろしに苦しめられた彼女は、勇者を目の前にしても本物とは信じられません。そうした不信感を根付かせるのも目的のひとつなら、魔物側の周到さに唸らされます。
しかし、ルビスへの祈りでも姿の変わらない勇者を見て、ローラ姫の疑心は揺らぎ、そしてドラゴンを打ち倒す姿を見て確信します。
魔物による過酷な責めが終わり、勇者に救われたことで、緊張の糸が切れたのでしょう。足に力が入らず、半ば倒れ込んでしまうローラ姫。そこで勇者が取る行動といえば、たったひとつです。
鍛え上げた二本の腕で、ローラ姫を抱き上げます。いわゆる「お姫様だっこ」状態です。このシチュエーションはオリジナル版にもありましたが、現代でも同じ状況を余すところなく味わえます。
ちなみに、勇者がひとりの時、ダンジョンなどの暗がりでは松明を掲げて移動していました。しかし、「お姫様だっこ」中は両手が塞がっており、松明は持てません。では、明かりなしでダンジョンを進むしかないのでしょうか?
ご安心ください。確かに勇者の両手は塞がっていますが、ローラ姫の両手は空いています。そのためダンジョンでは、勇者に抱えられた姫が松明を持ち、道行を照らします。勇者と姫による初めての共同作業が、なんとも微笑ましいばかりです。
■HD-2D版で更に広がった、ローラ姫とのふたり旅
ローラ姫を抱えたままラダトームの城へ行くと、姫の救出に喜ぶ王から歓待を受け、そのまま姫は城に戻ります。
オリジナル版では、城へ戻ることなく姫を抱きかかえたまま続行し、りゅうおうを倒すことも可能でした(「ふっかつのじゅもん」が聞けなくなるため、ハードルは高くなりますが)。果たして、HD-2D版でも「お姫様だっこクリア」は可能なのでしょうか。
結論を先に言うと、HD-2D版でも「お姫様だっこ」で物語を進められますし、そのままクリアも可能です。しかも、その状態をただ続けられるだけでなく、ローラ姫と一緒にいることで、勇者の旅に様々なアクセントが加わります。
主人公の勇者はHD-2D版でも無口で、返答の大半が「はい/いいえ」。
HD-2D版では、『ドラクエIII』に登場した「カンダタ」の子孫(同名)も登場しますが、そのカンダタとローラ姫が会話するという驚きのシーンもありました。盗賊相手にも「カンダタさん」と“さん”付けで、育ちの良さを覗かせます。
しかも、ただ会話に参加するだけでなく、攻略上で重要なヒントを口にすることも。終盤に訪れる「りゅうおうの城」では、玉座周辺で「窓もないのに、風を感じます」と鋭い指摘を見せました。
■「ゆうべ」も「ぱふぱふ」も楽しむぞ!
ローラ姫と一緒に宿へ泊まると、翌日に主人から「ゆうべは お楽しみでしたね」と言われるのは、オリジナル版にもあった小ネタです。もちろんHD-2D版でもこの台詞は健在。
また、ローラ姫が一緒にいると反応が変わる住民もいます。特に分かりやすいのが、ラダトームの城下町にいる「おねえさん」。
勇者が一人のときは、町の中限定でついてくるちょっと特別なキャラですが、ローラ姫を抱きかかえた状態で話しかけると、「私のほうがもっとカワイイわよ」とライバル心を覗かせます。
『ドラクエ』の小ネタといえば、「ぱふぱふ」も外せません。本作の場合、勇者ひとりなら温泉の湯気でぱふぱふされた温泉たまごを食べて終わりですが、ローラ姫と一緒に「ぱふぱふ」すると、やはり変化が見られます。
しかもここでは、ほかならぬ勇者の行動が変化。受け取った温泉たまごを、ローラ姫と“はんぶんこ”しました。
普段、能動的な反応をあまり見せない勇者だけに、ローラ姫を思いやる行動が実に印象的です。この“こころ配り”に、ローラ姫も喜びを隠しきれません。
■ローラ姫の「祈り」が勇者の力になる!
ローラ姫の存在感は、会話だけに留まりません。戦闘中は勇者の戦いぶりを後ろから見守り、さらにゲームがある程度進むと「祈り」で勇者をサポートします。
「祈り」によるサポートで特に顕著なのが、超絶技の発動が可能になる点です。しかも、ベギラゴンやギガスラッシュの超絶技は、「祈り」の効果中のみ発動できる限定的な技です。その分、威力も相当なもので、凄まじい攻撃力は一見の価値アリです。
戦闘に直接参加はしませんし、敵から狙われることもありませんが、ローラ姫の「祈り」が勇者に大きな力を与えてくれるのも事実。ただ守られているだけの姫ではありません。
■ローラ姫と「レミラーマ」の呪文は二者択一
会話の受け答えに進行の誘導、戦闘時のサポートと、有能さが光るローラ姫。
ラダトームの城に入るとイベントが自動的に始まり、姫と別れる形になります。そのため、クリアまで一緒にいたい場合は、ラダトームの城は実質的に立ち寄れない場所と化します。
ですが、攻略上必須のアイテム「たいようの石」が、ラダトームの城(正確には、城の敷地内の地下)にあります。事前に「たいようの石」を手に入れておかないと、ローラ姫との別れが避けられません。
この罠にハマってしまったプレイヤーも一定数おり、クリア直後に早速2周目へ挑んだという報告もSNSでよく見かけます。今後遊ぶ予定がある人は、救出よりも先に「たいようの石」を入手してください。
また、「さいごのかぎ」の入手はローラ姫救出後になるため、このかぎで開けられるラダトーム城の宝箱の中身も諦めなくてはなりません。特に「レミラーマの巻物」は、ラダトーム城にしかないため、ローラ姫との二者択一を迫られます。
ただし、エンディング前にラダトーム城を自由に移動できるタイミングがあるため、その時に「レミラーマの巻物」などを回収することはできます。アイテムコンプ派の人は、どうかご安心ください。
孤独な勇者のひとり旅は、ローラ姫の同行で雰囲気が大きく変わります。オリジナル版と同様に、姫を城に帰すことなくクリアすることも可能。しかも、物語からバトルまで、ローラ姫の存在感が色濃くなっています。
リメイクで厚みが増した、ローラ姫とのふたり旅。懐かしい作品の新たな楽しみが、HD-2D版に盛り込まれていました。興味が湧いた人は、この機会にHD-2D版を遊んでみてください。


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