また、没入感を促す楽曲の数々も、本作の魅力を語る上で外せません。
本作のオーケストラコンサートは、2025年1月11日に行われた「MELODIES OF VICTORY」に続いて2回目となります。今回はどのような盛況ぶりとなったのか、現地で体験したイベントレポートをお届けします。
■『勝利の女神:NIKKE』の音楽を聴くため、地下から地上へ
今回の会場となる東京国際フォーラムは、有楽町線の有楽町駅から地下で直接繋がっており、地上に出ることなく会場までたどり着けます。人類のほぼ全てが地下で暮らしている『勝利の女神:NIKKE』の世界観を少し連想させる光景に、会場入りする前から気分が高まってきます。
取材の関係もあり、開演よりもずいぶん前に会場に着きましたが、そこには既に長蛇の列が。事前に購入できる先行物販の列に出くわしました。本作のグッズを目にする機会は年々増えており、今回も変わらぬ人気ぶりを改めて実感します。
また、通常の入場待機列も、先行物販の列をさらに上回る長さになっていました。列を誘導するスタッフも随時伸び続ける列に対応し、見るたびに後ろへ後ろへと下がっていきます。
グッズはいずれも人気でしたが、先行物販の時点で、キービジュアルの複製画がいち早く完売。グッズリストの中では最も高価(9,000円 税込)でしたが、コンサートを象徴する一枚がぜひ欲しい、と考える来場者が多かったのでしょう。
■物販にフォトスポットと開演前から賑わう
ロビーで来場者が活気づいているのは、物販ブースだけではありません。前回同様、今回もフォトスポットが用意されており、ファンアートのギャラリーにも人が多く集い、それぞれスマホで熱心に撮影していました。
また、それ以上に注目を集めていたのが、キービジュアルを大きく掲示したフォトスポットです。シンデレラをはじめとするオールドテイルズ部隊、そこにアニスとアリアが加わったキービジュアルは、サイズ感も相まって視線を奪われます。
この一枚を画像にも残したい。また、並んで撮影し、思い出を形にしたいと考える人が後を絶たず、会場と共に列が次々と伸びていきます。
会場後も入場を待つ列が長く伸びており、物販やフォトスポットは随時人が溢れ、賑わいを見せました。前回同様、第2回目のオーケストラコンサートも開演前から盛り上がりを見せ、熱気と期待が高まっていきます。
■オーケストラの演奏が、『勝利の女神:NIKKE』の記憶を蘇らせる
昼の部の開演時刻(14時)を迎え、いよいよ幕が上がります。『勝利の女神:NIKKE』の楽曲をオーケストラアレンジとして再構成し、今日だけの特別な体験として奏でられるひとときが始まりました。
『勝利の女神:NIKKE』のオーケストラコンサートでは、ニケ同士のやりとりも欠かせません。今回は、レッドフードと幼さが残るスノーホワイト(スノーホワイト:イノセントデイズ)が登場。
普段もからかわれているせいか、スノーホワイトの返答はあまり乗り気ではないものの、レッドフードはお構いなしに「音楽は記憶の再現装置」と説明し、音楽が思い出を蘇らせると告げます。
「聞けば分かる」とイヤフォンを共有し、レッドフードは音楽に耳を傾けます。スノーホワイトも押し切られるような形で、共に音楽へと身を委ねました。多くの来場者も、おそらく同じ気持ちだったことでしょう。
そしていよいよ、荘厳な音楽の時間が幕を開けます。まずは、『勝利の女神:NIKKE』を象徴する楽曲のひとつ「The Goddess Fall」から始まり、続く「Rising Higher」では、本作の中心人物のひとり「ラピ」が、ニケになる前の姿から「ラピ:レッドフード」として覚醒するまで、その一連の流れを綴る映像が添えられました。
ここからは「GODDESS SQUAD READY」「Hold you tight」「THE REDHOOD」という構成で、レッドフードに関わる楽曲が織りなします。彼女とゴッデス部隊の過酷ながらも懐かしい日々を、脳裏に描いた来場者も多かったことでしょう。
続いての3曲は、「OVER ZONE」「Goddess of Victory」「The Pilgrim」と、今度はドロシーの覚悟と絶望が交錯した1.5周年の物語を想起させる編成が会場を包みます。
彼女の悲しみと怒りは、現時点の最新ストーリーでも色褪せておらず、これらの曲を聴きながら、今後のドロシーがどうなっていくのか、過去と未来に想いを馳せるひとときとなりました。
ラピ、レッドフード、ドロシーと『勝利の女神:NIKKE』を語る上で欠かせない人たちに焦点を当てる楽曲が続いた後は、2024年の夏を鮮やかに彩った「Set Sail」が流れ、明るく爽快感のある曲調に心が軽くなります。
その直後に訪れたのが、かつての紅蓮と彼女の姉・薔花の物語を音楽で支えた「Camellia」。2023年から2024年にわたって駆け抜けたこの楽曲も、ふたりの切ない関係性を蘇らせ、心の奥底にまで響きます。軽さの後に重さが来る。これもまた『勝利の女神:NIKKE』です。
さらに、期間限定イベントでも屈指の突き抜け具合で目が離せない“怪盗イベント”の初回を飾った「PHANTOM THIEF VS DETECTIVE」、夏に相応しい楽曲ならこちらも負けていない「So Playful」と、イベント系楽曲が続いた後、2周年イベントのプロローグ曲「Shattered」へと繋がります。
この楽曲編成の波に飲み込まれ、心を大きく揺さぶられたところで、コンサートの前半が終了。ここまで14曲の演奏を浴びたものの、体感でそれほど経っているとは思えず、濃密な時間だったことが窺えます。
■朗読劇で一気に引き込まれた後半、そして思い出が交錯するひとときへ
休憩を挟んだ後、コンサート後半の幕開けを飾ったのは、シンデレラ役・悠木碧さんとグレイブ役・金元寿子さんによる生の朗読劇です。
かつて浸食され、一時期は人類の敵となってしまったシンデレラ。そんな彼女の復活を願い、100年もの時間を待ち続けたグレイブ。様々な出来事と長すぎる時間が、ふたりの再会を大きく変えてしまいます。
眠り続けていたシンデレラはともかく、グレイブは年月によって劣化が進み、顔もかなり酷い状態でした。しかし、そんな彼女の顔を見たシンデレラは、「きれい」と呟きます。誰よりも美しさにこだわるシンデレラだからこそ、グレイブの美しさを正しく見つめました。
作中でも屈指の名場面を本公演用の脚本で、さらに悠木さんと金元さんの生アフレコで綴られた朗読劇は、これ以上ないほど豪華な演出です。両名の名演技が耳にこだまする中、物語の新たなページを示す「First Page」が流れます。
そこから続く「:rewrite:」「A path with Broken Heels」「Stand Together」「Afterglow」「Starseeker」は、いずれもシンデレラや2周年イベントと関わりのあるものばかり。
勝利の女神として期待されたシンデレラが、浸食によって堕とされ、全てを奪われながらも、誇り高き美しさを取り戻す半生が、怒涛の楽曲群で蘇ります。そして、2周年イベントの主題歌「Unbreakable」で、一連の流れを美しく締めくくります。
後半はここまでシンデレラ一色でしたが、「Water Drop」をきっかけに、今度はセイレーン(リトルマーメイド)や2.5周年イベントに焦点を合わせた楽曲が会場に広がります。
シンデレラとはぐれた後のセイレーンが、どのように過ごし、そして帰還を果たしたのか。「Singing Bubble」に「Longing」、「[UNLOCK CODE: DEEP]」といった楽曲が、当時のプレイ体験を呼び起こします。
そしてトリを飾ったのは、2.5周年の主題歌「Unbreakable Sphere」。
しかし、コンサートはまだ終わりません。王国を守るクラウンの姿を勇壮に表現する「Last Kingdom」と「The Clarion Call」が、来場者の記憶を2024年春へと巻き戻します。さらに「In Neverland」で、記憶の海は2023年冬に遡り、冬景色に浮かぶ花火の眩しさが昨日のことのように蘇りました。
そして過去に羽ばたいていた記憶は、コンサートを締めくくる「Hurricanes」で、一気に『勝利の女神:NIKKE』3周年へと引き戻されます。あの時の戦いは、これから迎えるであろう新たな局面へと繋がるもの。この先も、間違いなく過酷な激戦がが待ち受けていることでしょう。コンサートを締めくくった「Hurricanes」が、戦地へ向かう指揮官たちの背中を、まるで押してくれたかのようです。
30曲もの演奏を浴びるように味わったひとときも、今では過去になりつつあります。それは同時に、変わることも失われることもない思い出に姿を変えた、とも言えるのでしょう。来場者たちはこれから、時折あの時間を思い出すはず。振り返るたびにそこにある、宝物のようなひとときを。
『勝利の女神:NIKKE』公式YouTubeチャンネルにて、オーケストラコンサートの振り返り動画が公開されているので、残念ながら会場に足を運べなかった人は、そちらの動画で雰囲気の一端だけでも味わってください。また、来場された方も、思い出をより鮮やかに蘇らせる一助としてどうぞ。
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