本稿には、『ドラゴンクエストVII Reimagined』の一部ネタバレが含まれています。
国民的RPGと呼ばれることも多く、たびたび話題にのぼる『ドラゴンクエスト』シリーズには、定番とも言えるお馴染みのネタがいくつもあります。
会話中に登場する「はい」「いいえ」の選択肢も、定番ネタのひとつです。

何気ない会話なら「はい」と「いいえ」のどちらを選んでも問題ありませんが、重要な場面で「いいえ」を選んだ場合、会話がループして「はい」を選択するまで繰り返される──といったケースが、本シリーズでは多々あります。

こうした会話のループを知っているユーザーの中には、あえて「いいえ」を選んで相手の反応を楽しみ、その後で「はい」を選んでゲームを進める。そんなスタイルで楽しむ人も少なからずいます。

しかし、2026年2月5日発売の『ドラゴンクエストVII Reimagined』(以下、ドラクエ7R)で、「いいえ」を楽しみ過ぎると、とんでもない結末を迎えることをご存じでしょうか。

■過去の選択が現代を変えていく──ウッドパルナの結末
どうせループだろうと思い込み、「いいえ」を選んでしまって泣きを見る──そんな洗礼を真っ先に受けるのが、ウッドパルナ村の結末です。

『ドラクエ7R』は、過去の世界で問題を解決し、現代の世界に戻ってその経過を知る、という流れがあります。ウッドパルナでの冒険もその流れに則っており、まずは過去のウッドパルナの村にたどり着きます。

ウッドパルナはある魔物に苦しめられており、戦って打開するしかない状況に追い込まれていました。そこで主人公一行に対し、村人を集めて駆けつけるので先に向かってください、と村の戦士・ハンクが頼み込みます。

しかし、ハンクの息子・パトリックは、「村の人が助けにきてくれるとは思えない」と言い出しました。実は、この村は以前にも魔物に襲われたことがあり、ひとりの戦士が戦いに向かいました。
村人たちは後から加勢すると約束したものの、結局誰も立ち上がらず、その戦士はひとり魔物と戦い、相打ちで果ててしまいます。

そんな過去があるため、パトリックは村人を信じられません。ここで、主人公たちが持っている「木の人形」を渡して励ますかどうかを、「はい」「いいえ」の選択で迫られます。

ここで、どうせ会話がループするだけだろうと思い込み、「いいえ」を選んでしまうと、選択した通り「木の人形」を渡さないまま話が進行。パトリックは村人を信じる勇気を持てず、また村人も臆病風に吹かれて立ち上がれません。

結局、魔物に立ち向かった村人はハンクのみ。主人公たちの活躍で魔物を倒せましたが、ウッドパルナの人たちは同じ過ちを繰り返してしまいます。

その後、現代の世界に戻ってウッドパルナを訪れると……村人たちが犯した二度目の過ちは語り継がれておらず、ハンクを英雄視する話だけが残っていました。

ちなみに、「木の人形」をパトリックに渡していれば、村人たちが魔物との戦いに駆けつけます。また、当時起きた出来事も、現代の世界に語り継がれていました。

あの時に「いいえ」を選んだだけで、ウッドパルナの結末はここまで変わります。ループするだろうという思い込みで「いいえ」を選んでしまった代償は、あまりにも大きすぎました……。


■冒険に挑む意志を否定した先に待つものは?
『ドラクエ』シリーズの多くは、旅立ちの段階ですでに「魔王を倒す」などの明確な目的が用意されています。

しかし『ドラクエ7R』は、「自分たちが住んでいる島以外に、何かあるのでは」という好奇心や冒険心がきっかけになっており、世界を救うという目的は、ゲームがある程度進んだ後の話になります。

現代の世界は、表面的には平和なため、冒険に挑む緊急性は感じられません。そのため、王子のキーファはその立場から冒険への参加を禁じられ、網元の娘・マリベルも両親から反対されてしまいます。

主人公の場合、キーファやマリベルほど強固な反対ではなかったものの、父・ボルカノから、「人に心配をかけて冒険をするのは、あまり感心しないな」「今後も冒険を続けたいのか?」と、その覚悟について問われます。

ここで「いいえ」を選ぶと、ボルカノはその返答は予想していなかったのか、「そうは言っても、じつのところは旅に出たいのだろう?」と、改めて主人公の真意を訊ねます。

その後も、「オレや母さんに遠慮していないか? 本当は冒険を続けたいのだろう?」「お前が旅に出なければ、ほとんどの島が失われたままになる。本当にお前はそれを望むのか?」と、むしろ冒険を勧めたいのかと思うほど、ボルカノは辛抱強く問いかけを続けます。

これでもなお「いいえ」を選び続けると、「そこまで言うのならば、それがお前の本当の気持ちなのだろう」とボルカノも納得し、主人公は冒険をやめ、漁師を目指す生活が始まります。

「いいえ」で押し通して冒険を諦める選択を選んだため、これは当然の結果と言えるでしょう。しかし、戯れに「いいえ」を選んだのだとしたら、その遊び心で冒険の道が閉じてしまいます。失ったものの大きさは、筆舌に尽くしがたいほどです。


■願いを拒み続けた結果、ムービーで描かれる悲劇
本格的に冒険を始めてすぐに、主人公たちは「エンゴウ」にたどり着きます。この村では、山の火口に「聖なる炎」を投げ入れる「火送りの儀式」が定期的に行われており、主人公一行もこの儀式に立ち会うことになります。

しかし、その直前に村の占い師・パミラが、「山が炎を噴き上げる」と予言。そのため儀式の中止を訴えますが、どれほど熱弁を振るっても村人たちは聞く耳を持ちません。

そこでパミラは、主人公たちに助力を願い出ますが、ここでも選択肢が登場。そして「いいえ」を選ぶと、今回も会話はループせず、「炎の精霊に導かれ現れた救いの者だと思ったのじゃが……」「すぐにこの地を離れるといい」と返答し、主人公たちの身を案じてくれます。

パミラの説得も空しく「ほむら祭り」は開催され、主人公たちも誘われるがままに「聖なる炎」を火口へ放り込みました。村人たちも続いて「聖なる炎」を投げ入れる中、ここでパミラが主人公たちにもう一度頭を下げます。

「最後の頼みじゃ!」「わしらの村を救ってくれっ!」と頼み込まれますが……ここでも選択肢があり、「いいえ」と返答すると、「わしはあきらめたよ。運命には逆らえぬということか」とこぼし、パミラは説得を諦めてしまいました。

早くこの地を離れろと、最後まで主人公たちの身を案じるパミラ。しかし「もう間に合わないかもしれぬがな」と、不吉では済まない一言を残します。


その言葉が引き金になったかのように、突然火口から火柱が上がり、溶岩が噴出しました。しかもこの模様は、臨場感たっぷりの映像で描写され、溶岩が村を飲み込んで焼けつくす様まで、余すところなく描かれます。

パミラの願いを「いいえ」で断り続けた結果、溶岩に没する村を、迫力満点の映像で眺めることになったプレイヤーの心境は、推し量ることしかできないでしょう。「はい」を選んでおけば、違う未来もあったはずなのに……。

「どうせ会話がループするだろう」と決めつけ、安易に「いいえ」を選んでしまうと、とんでもない悲劇に見舞われることもある──これが、『ドラクエ7R』の侮れない点です。

ただし、「いいえ」を選んで冒険を諦めたり、溶岩で村が焼き尽くされても、それは幻のようなものとして扱われ、選択肢からやり直すことができます。過酷な展開を目の当たりにするものの、取り返しは効くので、まだプレイしていない人はご安心ください。

とはいえ、全てがやり直せるわけでもありません。ウッドパルナにおける選択の結果は、「はい」でも「いいえ」でも、そのまま冒険は続きます。あの村の人々が勇気のないままでも、この世界の物語は問題なく進みます。いえ、進んでしまうのです。

そして、ウッドパルナのような分かれ道は、冒険を進めた先で訪れる「レブレサック」でも発生します。
そこでどんな選択をし、いかなる結末に辿り着くのか。それは、あなたのプレイにかかっています。
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