「機動戦士ガンダム」(以下「初代」)のとある描写がトラウマだった白銀ノエルさんは劇場版三部作でトラウマを克服しつつ、気になっていたという「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」(以下、「鉄血」)の同時視聴に乗り気です。
ブームのきっかけは3月に発表されたばかりの「ガンダムシリーズ×ホロライププロダクション」コラボ。
3月6日から3日間開催された「hololive SUPER EXPO 2026 Supported By BANDAI」では参加タレント6名のコラボカラーMS(モビルスーツ)が初お披露目になり、その関連グッズの参考展示や、楽曲企画、ゲーム化の予定などが発表されたことで、前々から気になっていたというガンダムシリ―ズの同時視聴に踏み切ったようすです。
本来ならタレントを通してガンダムシリーズを広めるところでしょうが、ホロライブに至ってはファンの中にガンダムを嗜んでいる人も多く、かねてからガンダム関連の同時視聴やゲーム配信を熱望する声が多くありました。
その意味で今回の「ガンダム×ホロライブ」コラボは逆転現象が起こっており、「ホロライブタレントをガンダム沼に落として恒常的に盛り上げていくサブコミュニティの創設」のような側面もあって、おもしろい展開を見せています。
実際、「実はこんなガンダムエピソードを持っている」「自分ならこの機体に乗りたい」等、これまでホロライブファンが聞いたこともなかったようなガンダム関連のエピソードがタレントの口から飛び出てきましたし、これまでガンダムの世界と距離感を図っていたようなタレントも同時視聴企画を中心にガンダムをしっかり学びたいという動きが活発になっています。まさにホロライブのコミュニティーをあげての盛り上がりに発展しつつあると言えるでしょう。
そこで本稿では、これまでホロライブタレントが実施したガンダム関連の配信企画を振り返りつつ、実際に触れてどうだったのか、コラボに対するガンダムファンの反応などをお届けしたいと思います。
◆好きだけど好きと言えない事情
これまで大々的に話題になることはありませんでしたが、ホロライブタレントの中には元々「ガンダムシリーズ」が好きだというタレントが存在していました。例えば「ときのそら」さんは、今まで「詳しくない」と謙遜していましたが、実は「機動戦士ガンダムSEED」(以下「SEED」)勢。コラボをきっかけに初めてそのことを明かしたということで、ホロライブファンの間でも意外に思う声が多くありました。
そらさんが「ガンダム」に触れたきっかけはアプリゲームで、気になる声優さんがいたことから視聴を始めたとのこと。
すでにガンプラも組んでおり、推しの機体は組んだガンプラと同じマイティーストライクフリーダムガンダム。圧倒的に強くキラキラしているところがお気に入りだそうです。また、もし手に入るなら次に組みたいのはドレッドノートガンダムだとXにポストしていました。
そのほか以前からガンダム好きを公言していたのは、「SEED」勢のIRyS(アイリス)さんと今回のコラボメンバーにも選ばれた博衣こよりさん、デビュー当時から「UC」好きを公言していた輪堂千速さんなどなど。ホロライブプロダクションとしては正式に許諾が出るまでは同時視聴やガンプラ配信を避けていたようで、大きく動き出す2025年までは各タレントが実施した歌枠での熱唱にとどまっていました。
ガンダムシリーズが好きでもあまり大きな声で「好きです」と言わないのは、やはり「自分はガンダムファンほど詳しくない」という“オタク”特有の上を見てため息をつくスタンスがそうさせていたようです。実際、「SEED」は「初代」とは異なるパラレル世界(アナザー)を描いており、アムロやシャアは存在さえしていません。複雑な設定もあり、うかつに触れられないその心境はよく分かります。
それに対しホロライブファンを兼任するガンダムファンは、たとえば後述する「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」(以下「ジークアクス」)では、ガンダムシリーズの良さや分かりにくい設定部分の解説をていねいにおこなって、毎週の放送をともに盛り上げ、楽しむ姿が多く見られました。そのようすをひと言で表すなら「後方腕組みガンダムファン」。そのような経緯もあってタレントの中にはガンダムシリーズに興味を持ったメンバーがいましたし、このたびのコラボ企画も熱狂を持って迎えられました。
なおホロライブファンの間では、少なくとも2022年から「#ホロリスガンプラ部」のタグが作られ、有志による作品紹介が行われてきました。どれも力作揃いで、中にはタメ息ものの完成度を誇るものもあるので一度覗いてみてはいかがでしょうか?
◆きっかけは「ジークアクス」
ホロライブプロダクションとしてガンダムシリーズ関連の配信に積極的になったのは「ジークアクス」からでした。それ以前は前述したようにガンダムシリーズ関連の歌枠があったほか、規約に従って配信された『GUNDAM EVOLUTION』をプレイしただけで同時視聴もガンプラ組み立て配信もなし。ファンから同時視聴について尋ねられても「難しい」と発言し、許諾まわりで慎重になっていたことがうかがえました。
しかし「ジークアクス」で星街すいせいさんがエンディングテーマと挿入歌を担当したことから「ジークアクス」終盤での同時視聴やガンプラ配信が許可され、そこから次第に他のガンダムシリーズの同時視聴へと広がっていくこととなりました。
同時視聴配信の概要欄では「本配信は、株式会社 創通、株式会社バンダイナムコフィルムワークスの許諾を得ております」や「本配信は、PRを含みます」といった文言、ガンプラ配信では「本配信は、株式会社BANDAI SPIRITSの許諾を得ております」と記されていることから、正式に許諾を得た上で同時視聴もガンプラ配信も実施されていることがうかがえます。
なお「ガンダム×ホロライブ」コラボは、少なくとも「ジークアクス」終了時点ではタレントは知らなかったといいますから、やはり「ジークアクス」がきっかけで何か大きなものが動き出したと思って良さそうです。その後は「機動戦士ガンダムW」(以下「W」)や、「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」(以下「ポケ戦」)などが同時視聴され、コラボ発表までに頻繁に同時視聴企画が実施されていきました。
同時視聴で好評だったと言えば大空スバルさんによる「W」でしょう。「W」といえば登場する組織が多く、その関係性も入り組んでおり、1回の視聴で物語を完全に把握するのは困難だと言われています。しかしスバルさんはコメント欄の“有識者”に助けてもらいつつ情報を整理し、自分の中できちんと理解しながら視聴するためガンダムファンから見てもおもしろく、気持ちのいい配信となっていました。
もちろんネットミームになったような場面、突拍子もないセリフ、説明がなく一足飛びで進む展開にその都度、ツッコミを入れていましたが、笑いを誘いつつも作品には正面から向き合い、理解し、リスペクトしながらの視聴となったため、全49話という長丁場ながら毎週の同時視聴を心待ちにするガンダムファン・ホロライブファンが続出することに。
その後はリバイバル上映された「新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 特別篇」をプライベートで鑑賞したり、ホロライブのタレントに「W」をおススメしたりするなど、すっかりハマった様子でした。
そのほか同時視聴で盛り上がると言えば、やはり「ポケ戦」です。ネタバレになるため詳しくは言及しませんが、プライベートで視聴した「桃鈴ねね」さんのリアクションはミームになるほどホロライブファンの間で有名になりました。その時に飛び出した「ねねのクリスマス、どこ行ったの?」は名言です。
またクリスマスに同時視聴をおこなった「博衣こより」さんのリアクションもガンダムファンにとって期待通りのもので満足度の高い配信となっていました。本当にいい悲鳴が聞けましたね。
◆ガンダムファンの反応は?
同時視聴といえば、ホロライブプロダクションの男性タレントグループ「ホロスターズ」の荒咬オウガさんも負けていません。
オウガさんはホロスターズでデビューする以前からのガンダム好きで、とくに好きなのは「∀ガンダム」(ターンエーガンダム)。『ガンダムブレイカー4』のプレイ配信や「ジークアクス」の放送後感想会などを積極的に実施しており、ホロライブプロダクションとしてガンダム関連の同時視聴の許可が出ると、「W」「初代」「逆襲のシャア」も立て続けに同時視聴していました。
日常的にガンプラを組む一般的なガンダムファンなので会話の内容も面白く、設定まわりの話題にも触れられるので、ぜひそちらも視聴をおススメします。
さてそんなホロライブがガンダムシリーズとコラボをするということで話題になったわけですが、企画が発表されると、コラボ担当のタレントが続々と歓喜の声を上げるとともにコラボ機体決定の経緯などを雑談枠で説明してくれました。
コラボ機体については、バンダイナムコ側から企画を打診された際、「この機体でコラボをお願いします」と一緒に提案されたとのこと。
たとえば輪堂千速さんは「UC」好きを公言していますから、「UC」に登場する「ユニコーンガンダム2号機 バンシィ・ノルン」が選ばれました。博衣こよりさんは「SEED」好きでなおかつフリーダムガンダム好きだったことから、フリーダムガンダムでオファーが来たと雑談枠で言及しています。
千速さんは感極まったようすで経緯を語っていた姿が印象的でしたし、こよりさんは「決まった時からずっと言いたかった」「ファンからするとストライクフリーダムガンダムがいいかと思ったけど、やっぱりフリーダムガンダムが一番!」とその“クソでか感情”を吐露していた姿が印象的に。どちらの声からも心からの喜びがうかがえ、視聴者としても目尻が下がる思いでした。
おもしろいのは、やはり筋金入りのアニメファンという白上フブキさんです。
フブキさんが好きな作品は「機動戦士ガンダム00」で、推しは中村悠一さん演じる「グラハム・エーカー」です。そのためコラボ機体がガンダムエクシアに決まった際は、それもアリだとは思いつつ、一応「グラハム専用ユニオンフラッグカスタム(オーバーフラッグス仕様)」はどうなのか一回カバー社のスタッフに聞いてみたとのこと。
またコラボカラーについては、フブキさんお気に入りの「HG 1/144 エグザベ専用ギャン(ハクジ装備)」と並べて飾ることを想定しつつ、多少、自由にカラーリングできるよう、“こだわりの監修”を土下座覚悟でお願いしました。ホロライブファン以外のガンダムファンにも刺さって欲しいという思いからの“こだわりの監修”でしたが、結果的にガンダムファンの反応も良く「このカラーなら欲しい」との声が上がりました。
これらコラボに対し、ガンダムファンは「ホロライブはあまり知らないけれど」と断りを入れつつ、「紺色のサザビーがティターンズカラーに見えなくもない」「赤いクロスボーンガンダムがシャア専用っぽい」「カラーリングがいいから普通に欲しい」とコラボカラーを好意的にとらえているようす。
中でも人気なのは星街すいせいさんのコラボカラーである紺色のサザビーと、赤色が映える宝鐘マリンさんのクロスボーンガンダムX1です。
そのほか獅白ぼたんさんは、自分がコラボできるなら『Gundam Evolution』で愛用したガンタンクを挙げ、角巻わためさんは自身のイメージカラーに近いウイニングガンダムに興味を示し、白銀ノエルさんは自身が騎士ということもありメイス使いのガンダムバルバトスに共感を抱いていました。コラボが続けばコラボ機体も増えるでしょうし、次は誰がどの機体に乗れるのか? 想像するだけで楽しくなってきます。
ホロライブでは今後もガンダムシリーズの同時視聴が行われるでしょうし、コラボが本格スタートすればさらにガンダムの話題が増えるでしょう。その中でどのような“ガンダム愛”が語られるか、とても楽しみです。


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