数多くのインディーゲームが日夜生まれ、世界中のプレイヤーを熱狂させている現代のゲームシーン。その中でも特に、優れた才能や独創的なアイデアを持つタイトルを発掘・表彰する大規模な祭典として、世界中のゲーマーから絶大な注目を集めているのが「INDIE Live Expo Awards」です。


無数の応募作や話題作がひしめく激戦区のなかで、見事に予選突破を果たしたタイトルたちは、どれも手強い強烈な個性と、プレイヤーの心を掴んで離さない圧倒的な魅力に満ちあふれています。

今回は、そんな予選通過作品の数々の中から、今まさに絶対に遊んでおくべき選りすぐりの5タイトルをピックアップ。それぞれの作品が持つ独自の面白さや、開発陣のこだわりが詰まった世界観を、余すことなくお届けします。

◆『DRAPLINE』(Steam)
本作は、世界の終わりを阻止するため、神竜と呼ばれるなんでも食べるドラゴン娘「クーリャ」を1年間で育て上げるローグライト育成ゲームです。早ければ1時間でエンディングを迎えられるコンパクトな作りであり、さまざまな育成方法やビルドを試しながら周回プレイを楽しむことができます。

神竜の強化は、食べ物を与えることで行われます。食べ物にはそれぞれどのステータスが強化されるかが設定されており、ランダム入手できる食べ物とランダムで得られるスキルを組み合わせて、自分だけの最強の神竜を育てていきましょう。食いしん坊なクーリャは、硬い岩石でも建物でも、なんでも食べます。もちろん動物もひとくちです。動物といえば、登場する人間キャラクターたちも……?

「INDIE Live Expo Awards」予選ラウンドで堂々の一位を獲得した本作。まだ決勝ラウンドを控えていますが、このまま善戦できることを祈りつつ、ぜひともいまのうちにプレイしたいところです。

◆『ゆんゆん電波シンドローム』(Steam)
本作は、現実がつらすぎて引きこもりになった少女「Qちゃん」が、電波ソングに乗せてインターネットに怪文書をポストし、世界を「ゆんゆん」に狂わせていく音楽ゲーム×アドベンチャーゲームです。
また、リズムゲームで遊べる楽曲はすべて電波ソングだと謳っています。

ゲームは一般的な音ゲーと同じように、横4列で降ってくるノーツをタイミングよく押すことでリズムを取っていきます。難易度も4段階用意されており、もっとも優しいレベルだと初見フルコンボが達成できるレベルですが、一番難しい設定だと豪雨のようにノーツが落ちてきます。もちろん、難易度が優しくても手強い楽曲があるため油断はできません。

本作は不穏な描写があるものの、Qちゃんを通じて紡がれる物語は、その根底にオタクのための音楽と同じものが感じられ、そこから派生したゲームのように思えてきます。もちろん懐古するだけではなく、現在のユーザーにとっても心に響くはず。それはきっと、ゲームを攻略して本質に触れたとき、より強く感じられるのではないでしょうか。

◆『Chill with You:Lo-Fi Story』(Steam/iOS/Android)
本作は、小説を書くことが好きな少女・サトネと一緒にデスクワークすることで作業への集中を手助けする、作業効率化とアドベンチャーを融合させたタイトルです。環境音やLo-Fi音楽の設定、風景の変更により落ち着ける環境を提供するだけでなく、サトネとの交流を通じて物語も楽しめます。

多くの作業用ゲームと同じく、Lo-Fiなサウンドが流れるなか、サトネちゃんと一緒にまったり作業するのが目的のゲームなのですが、もっとも大きな特徴は、「ストーリー」が存在すること。彼女が語る内容は、親との軋轢や執筆中の小説についてという日常生活の話題から、鳥の鳴き声がどう聞こえるかという他愛のない話題までさまざまです。会話を進めていくうちに気になる話題も飛び出すため、物語としての読みごたえもあります。


一般的なADVやノベルゲームでは会話イベントをプレイヤーが遊ぶ分だけ用意する必要がありますが、本作は必要最低限のイベント数でサトネちゃんと長く時間を共有した感覚を与えてくれます。進捗に困っているあなたも、一風変わったADVを遊んでみたいと思っているあなたも、ぜひ本タイトルを手に取ってみてください。

◆『東方紅魔郷:New Classic ~ the Embodiment of Scarlet Devil.』(ニンテンドースイッチ2/ニンテンドースイッチ/PS5/Steam)
本作は、2002年に頒布されたWindows向け「東方Project」第1作『東方紅魔郷』のリメイク作品です。巫女の博麗霊夢と魔法使いの霧雨魔理沙を操作し、画面を埋め尽くす弾幕を避けながら異変の解決を目指す縦型弾幕シューティングとなっています。

本作は人気のキャラクターは当時のテイストを崩さず綺麗に描き直されており、音楽も原作では表現しきれなかった部分を汲んだアレンジがなされています。演出面などの追加はなく、リメイクとしてはやや寂しい部分も残りますが、シンプルでストイックな弾幕シューティングとして何度も繰り返し遊びたくなる魅力があり、「東方」シリーズの入口として適したタイトルだと言えるでしょう。

本作は、非常に難しいゲームです。だからこそ、ノーコンティニュークリアを果たしたときの達成感は、何者にも代えがたいものがあります。リアルタイムで遊んだ方はもちろん、弾幕シューティングが好きでプレイを考えている方におすすめしたいタイトルです。

◆『まじかる☆プリンセス』(Steam)
闇の魔術師が世界をつなげてしまったことにより、魔物の襲撃を受けている王国……人々が恐怖に怯える中、光の魔術師が立ち上がりました。仲間とともに闇の魔術師をやっつけて、世界に平和をもたらしたのです。そしてその後、光の魔術師はとてもかわいい「アリス」という女の子を授かります。
本作は、王国を舞台に娘を育てていく娘育成ゲームとなります。

本作は娘育成ゲームですが、戦闘要素も存在します。満月が紅く染まる「紅い月の夜」に、魔物たちが襲い掛かってくるようになるのです。戦闘システムはシンプルで、最大3人のパーティで出陣。技や魔法を使用すると待機時間やクールタイムが発生するため、いつ技や魔法を使用するか、いつ回復するか……などを見極める必要があります。

かわいいグラフィックやパン屋を中心としたストーリーなどが温かい雰囲気を持つタイトルながら、過酷な労働環境や昼と夜の街の顔の違いなど、ブラックな要素も併せ持つ本作。その独特な世界観に浸って、立派な娘を育てあげてくださいね。

今回は、「INDIE Live Expo Awards」の激戦を勝ち抜き、見事に予選を突破した注目の5タイトルをご紹介しました。

食いしん坊な神竜を愛らしく育てるローグライトから、電波ソングに彩られた狂気の世界、Lo-Fiな音楽とともに癒やしと物語を届ける作業ADV、色褪せない名作の弾幕シューティング、そして一筋縄ではいかないブラックな娘育成RPGまで……。インディーシーンの底知れない才能と、クリエイターたちの熱量が宿った作品群は、どれも遊ぶ者の心を強く揺さぶる魅力に満ちています。

どのタイトルも、今のゲームシーンを語る上では外せない輝きを放つ傑作ばかりです。受賞の行方を見守りつつ、ぜひあなたの手で実際にコントローラーやマウスを握り、この素晴らしいインディーゲームたちの世界に飛び込んでみてください。
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