1992年に発売された、任天堂のアクションRPG。なんと、もう20年も前の作品になるんですね。意表を突いたセリフ、随所に散りばめられたギャグやパロディの数々、当時には珍しい数々の試み、“とたけけ”こと戸高一生さんの音楽。当時遊んだ人は懐かしく、当時を知らない若い人には新しく感じられるに違いありません。
まずは、ちょっと漫画を読むかな、くらいの気持ちで遊び始めてみてください。最後にはきっと、満足感に満ち満ちているはずです。
■ストーリー
ゲロニアンに侵略されたミルフィーユ王国のティラミス姫を救うため、2人の王子が旅に出る。
主人公はサブレ王国の王子。単純で熱血漢。超お金持ち。
ライバルはカスタード王国のリチャード王子。剣術に長け、クールでキザ。
2人の王子は、幼なじみで良きライバル。
年齢も、ルックスも、スタイルも、おつむの程度もほとんど同じ。
・・・ああ、これって後の『ポケモン』を思い出す設定だわ~!
そんな2人の設定は、最後の最後に活きてくるから忘れないでくださいね!
(容姿の程度もいっしょなのか?という疑問が、2作ともわいておりますが)
主人公の名前はフリーなのですが、この手の任天堂タイトルには珍しく、よくしゃべります。ゲームボーイには珍しい、漢字も使われています。
「あいや わかった みなまで 申すな!」「てうちに いた~すっ!!」
この、王子なんだか殿なんだかわからない、独特のセリフもたまりません。
ギャグとパロディで始終笑わされるのですが、最後はホロリ。
おおお、リチャード王子!どこまでもついていきます!(あれ?主人公・・・)
ホロリとさせておきながら、最後は・・・。まるでホラーのような後味!?
それにしても、お菓子の名前がてんこもり。お金の単位は「クリ」です。
■システム
戦闘は、オートバトル。攻撃と防御が交互に行われ、体力が先になくなったほうの負けというシンプルなもの。弱い敵には、ぶつかるだけで弾き飛ばせます。
ダンジョンなど一部で横スクロール画面になるなど、『ゼルダの伝説 夢をみる島』を思い出す人もいるかもしれませんね。・・・いやむしろ、『夢をみる島』に登場するリチャード王子こそ、この『カエル』からのゲスト出演なのです!
カエルかヘビの姿に変身し、それぞれの特徴を利用して物語を進めていきます。これぞ、謎解きアクションRPG!ゲームの醍醐味なるぞ!
■小ネタ
こどもにゃわからないかもしれませんが、パロディネタがいっぱい。時代を感じるものもありますし、今ではなかなか、ここまで思い切ったものは見られませんよー。
・ゲロベップ温泉。カエルだけにゲロ、じゃないよ。下呂・別府温泉。
・カザンオールスターズ。その名の通り、火山にいます。
・埋蔵金を発掘中のコピーライター。そのコピーライターが作った『MOTHER2』にも、こんな人いませんでした?
・東京コミックショーZ。ここでは、アイテムの名称。
極めつけは、“ナンテンドウ”!社員食堂をお楽しみください。・・・『カードヒーロー』じゃないよ!
なお、主人公の名前に「とたけけ」と入れても何も起こらないようですが、じんべぇ商店でじーっと待つと、今やおなじみ“けけソング”が流れてくるようです。
キャラクターたちのイラストなどは、GB版のサイトでどうぞ。
http://www.nintendo.co.jp/n02/dmg/okj/
『スマブラ』への出演リクエストの声も多くあった『カエル』主人公。VC版によって、未プレイの人にももっと遊んでもらえたらいいですね。音楽はフィールド曲がフィーチャーされがちですが、ラスボスBGMもどうか、サントラなり、次の『スマブラ』なりに入れてくださいっ(ぺこり)。
『カエルの為に鐘は鳴る』は、3DSバーチャルコンソールにて400円(税込)で配信中です。
(C)1992-2012 Nintendo
■Nらの伝説 by N子
Nなハードを(中心に)、絵も交えながらより深く遊ぶ、伝える。さすらいの勇者も求むかも!?な連載。