筆者は少し前までこのエースは、トランプカードから来たのかと思いました。つまり、トランプの最強カードがエースだから、チームの最強選手をエースと呼んでいると思いこんでいたのです。ところが、それはとんだ思い違い!
実は、この言葉の語源は、世界初のプロ野球チームといわれるアメリカのチーム、シンシナティ・レッドストッキングスの設立当時のピッチャーからきていたのです。
彼の名前は、アーリー(アサヘル)・ブレイナード(1839年~1888年)。
「エース」の由来になったアーリー・ブレナード投手(wikipediaより)
なんと、彼が試合に出た初年度の1869年には、アメリカ中を遠征して戦った全57試合のすべてに登板し、56勝1引き分けという驚異的な成績を残しました。
その後も、凄腕びっちゃーぶりを発揮します。こうして、彼のニックネームが「エイサ(Asa)」だったことから、それが訛ってチームの主力投手のことを「エース(Ace)」と呼ぶようになったのです。
その後、ブレナード投手のことは伝説のように語られ、他のチームの凄腕ピッチャーに対しても「まるでエイサのようだ」ということから、「エース」と呼ぶようになりました。その伝統が他の業界でもそのまま使われるようになり、スポーツ業界に関わらず、その業界の優秀な人材のことをエースと呼ぶようになったそうです。
ブレナード投手のその後ですが、1874年まで現役で活躍した後、1888年12月29日に、肺炎のためコロラド州デンバーで亡くなっています。30代を迎えても現役で活躍していたという、当時としては珍しい選手でした。
今では当たり前のようになっているエースという言葉、もともとはアメリカ人野球選手の愛称を指していたんですね。
参考
- “Asa Brainard, Society for American Baseball Reserch”
- 「エースピッチャー」の語源・由来 『雑学ネタ帳』
日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan
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