「生まれ変わっても将軍にだけはなりたくない・・・。」

これは江戸の頃に将軍の傍に仕えていた者が明治時代になってから語った言葉だそうです。「なんで!?将軍最高じゃん!」と思うかもしれません。
しかし、一日中誰かに監視され、一挙一動を見張られるとしたら?

そう、夜の営みまで・・・。

どんな羞恥プレイ!?夜のプレイもすべて筒抜け、監視されまくり...の画像はこちら >>


楊洲周延「千代田之大奥 婚礼」国立国会図書館蔵

■将軍が床入りするまで

大奥における将軍の寝所は上御鈴廊下の近くにありました。将軍は普段1人で寝る時は中奥で寝るのですが、大奥に泊まる際にはその寝所で御台所ないし側室の女性と夜を過ごしました。

ちなみに大奥に泊まる日は、夕方には奥女中を通してその事を大奥に伝えなくてはなりませんでした。「今日僕は大奥で愛する女性と寝ます」という事を大奥中に大々的に宣言しなくてはならなかったのです。もうこの時点で、顔から火が出そうです…。

■まるで戦のような厳戒態勢

将軍に指名を受けたお相手の女性は将軍に危害を加えるような物を所持していないかなどの厳しい身体検査を受け、寝所に向かいます。

寝所は1部屋を襖で上段・下段に分けてあり、上段が将軍と女性が寝るスペースで、下段には大奥最高権力を握る御年寄らがスタンバっていました。そんな風にされたら、もうロマンスどころじゃないよ、まるで戦だよ…。

■寝所の中にまで…。

とはいえ、上段の間では2人きり…かと思いきや、そうではありません。なんと上段の間の中にまで、御添寝役(おそいねやく)という2人の奥女中が付いて来るのです。


この2人、寝所に控えているどころか、これからナニしようという将軍と相手の女性の布団の左右両サイドにぴったりと布団を敷いて、挟み込んで添寝します。一応衝立は立ててありますが、そういう問題じゃありませんよね。

実は御添寝役にはちゃんとした仕事があって、将軍と相手の女性の夜の営みにしっかり聞き耳を立て、どういう事がなされたか、どういう会話が交わされたか、翌朝漏れなくすべて偉い人に報告するのです。

これは相手の女性の政治的策謀などを防ぐためでしたが、夜のプレイを報告されるなんて、それこそどんな羞恥プレイ!?

そのため、将軍のピロートークは甘い語らいなどはなく、かなり硬い会話だったとか…。

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