江戸時代、男の欲望を叶える場所といえば遊郭。しかし女にとっては過酷な場所であるのはご存知の通りです。


燻し責め、くすぐり責め…江戸時代の遊郭で遊女たちに行っていた...の画像はこちら >>


ときには脱走して捕まることもあった遊女たち。脱走が成功すればいいのですが、連れ戻された遊女は罰を受けることに。

しかし罰といっても遊女は体に商品価値がありますので、傷をつける行為は避けられていました。そんな遊女たちに対して行われていた罰が、「くすぐり責め」に「燻し責め」などです。今回は、遊郭での仕置き方法についてご紹介いたします。

■「燻し責め」とは?

「燻し責め」とは、手足を拘束して身動きできない遊女の前で、植物を燻してウチワで煙を向けていく方法です。決して火で焼いたりするのではなく、あくまで燻して責め続けていきます。

燻し責め、くすぐり責め…江戸時代の遊郭で遊女たちに行っていたキツいお仕置き!?


この燻される植物に「唐辛子」や「ニラ」が使われることもあったので、刺激が強くてたまらなかったでしょうね。目や鼻、口に煙が容赦なく入り込み、煙によって呼吸困難に陥ったり痛みを感じたりして苦しみます。

しかし「燻し責め」は遊女の体に傷をつけないので、遊郭ではよく行われていたとか。この「燻し責め」の他には、「くすぐり責め」という方法があります。

■「くすぐり責め」とは?

「くすぐり責め」と聞くと、なんだかかわいらしい子供のいたずらのような印象を与えますが、実際はかなりハードな仕置きでした。
方法は、裸にして両手足を拘束した遊女に対して、筆や羽毛でよってたかってくすぐり続けていきます。

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遊女の後姿:東映太秦映画村(wikipediaより)

長時間くすぐられ続けた遊女は笑い過ぎて呼吸が苦しくなり、気絶することもありました。気絶すれば水をかけられ、意識を取り戻せばまたくすぐられ続けたというから、遊女にとっては我慢ならなかったでしょうね。

こちらも「燻し責め」と同じく遊女の体に傷はつきませんので、遊郭での仕置き方法としては最適です。

■客に対する仕置き「桶伏せ」

さて、遊郭で仕置きされるのは遊女だけではありません。お金を払わない客だって仕置きの対象になるのです。その方法は「桶伏せ」。頭からすっぽり桶を被せて通路に晒される、いわゆる「晒し刑」です。顔の部分に穴が開いているので、通行人からまる見えなので恥ずかしいったらありません。

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大阪の飛田新地(wikipediaより)

桶の上には重しが乗せられており、逃げようにも動けない状態。そのまま身内が迎えにくるまで放置されることに。一応、ご飯は与えてくれますが、トレイは行かせてもらえません。
……悲惨ですね。

江戸時代の遊廓、勘定が足りない遊客にお仕置きを。何が何でも回収します!

■さいごに

仕置きされるのは脱走した遊女だけではありません。接客態度が悪かったり反抗的だったりする遊女にも行われていたので、かなり過酷な労働環境だったことが推察できます。

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鳥居清長:遊廓で遊女がくつろいでいる図(wikipediaより)

現在でも東京の吉原や大阪の飛田新地など、遊郭の跡地が風俗街として存在しているので、江戸を生きた遊女たちの足跡を感じられる機会があるかもしれませんね。

参考書籍:日本で本当に行われていた 恐るべき拷問と処刑の歴史

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