祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす
おごれる人も久しからず 唯春の夜の夢のごとし
たけき者も遂にはほろびぬ 偏に風の前の塵に同じ……
『平家物語』を吟ずる琵琶法師。Wikipediaより。
……有名な『平家物語』の冒頭部ですが、平清盛に代表される平家一門の隆盛と衰亡ほど、世の無常さを表すエピソードもないでしょう。
そして興る時、栄える時よりも衰える時、滅びる時ほど鮮烈なエピソードが伝えられるものです。
今回は滅びゆく平家一門の中から、悲劇の貴公子・平清経(たいらの きよつね)のエピソードを紹介したいと思います。
■18歳で颯爽と初陣!平清経のプロフィール
平清経は長寛元1163年、平重盛(たいらの しげもり。平清盛の長男)の三男として生まれ、平清盛の孫に当たります。
母親は重盛の正室・藤原経子(ふじわらの けいしorつねこ)、同母弟には四男・平有盛(ありもり)、五男・平師盛(もろもり)、六男・平忠房(ただふさ)がいます。
戦場でも優美さを忘れず、横笛を奏でる平清経。
幼少の頃より眉目秀麗、利発聡明で諸芸に豊かな才能を見せたそうですが、こと横笛の腕前は一門の中でも抜きんでていたと言われています。
しかし決して文弱という訳ではなく、初陣は治承四1180年5月26日、三井寺(みいでら。園城寺)に攻め込んで以仁王(もちひとおう)と源頼政(みなもとの よりまさ)の起こした謀叛(以仁王の乱)を鎮圧。颯爽と采配を執る18歳の若武者ぶりに、家人たちも大いに奮い立ったことでしょう。
この乱を契機として、全国各地で頼朝公をはじめとする反平家勢力が挙兵。
『平家物語絵巻』より、墨俣合戦の様子。
これらの功績から寿永二1183年4月、正四位下 左近衛権中将(さこのゑ ごんのちゅうじょう)に叙任されますが、平家一門の絶頂期を築き上げた最高権力者にして精神的支柱であった祖父・清盛の病没(治承五1181年閏2月4日)以来、平家一門の権勢は明らかに陰りを見せていました。
(※ちなみに、父・重盛は治承三1179年7月29日に亡くなっています)
■平家一門の都落ちに際し、名刀「吠丸」と「鵜丸」を持ち去る
かくて燎原の炎のごとく燃え立った反平家の機運は、もはや消し止め得ない勢いとなっていました。
寿永二1183年7月、信濃国の豪族・木曾冠者(きそのかじゃ)こと源次郎義仲(みなもとの じろうよしなか。木曾義仲)が北陸道から破竹の勢いで京の都へ進軍してくるに至って、各方面で戦っていた清経ら平家一門の武将は急ぎ呼び戻されました。
「京の都は攻めるに易く、守るに難し。ここはかつて父上(平清盛)がいっとき都を移された福原(現:兵庫県神戸市)に再び移り、再起を図ろうぞ」
てんやわんやの都落ち。『平家物語絵巻』より。
亡き清盛の跡を継いで平家一門の棟梁となっていた平宗盛(たいらの むねもり。
平家一門は幼い帝(安徳天皇。平清盛の外孫)を連れて京の都を離れますが、その時に清経は法住寺殿(ほうじゅうじどの。後白河法皇の御所)から吠丸(ほえまる)と鵜丸(うのまる)という二振りの名刀を持ち去ったと言われています。
(※ちなみに、この吠丸は「夜になると蛇が啼く=吠えるような音を出す」ため、鵜丸は「庭池から鵜がくわえてきた」ため、その名がつけられたそうです)
しかし、やんごとなき身分の清経が、いくら名刀とは言え他人様の持ち物に執着するとは思えませんが、一体どうしてでしょうか。
その時、当の後白河法皇は平家一門の都落ちを事前に察知し、実質的な人質にされないよう予め御所から脱出。法皇を(人質にしようと)連れ出しに来たものの、しくじってしまった腹いせか、あるいは「これほどの名刀を、物の値打ちも解らない田舎武士どもにくれてやるのは惜しい」と思ったのかも知れませんね。
持ち去られた吠丸(イメージ)。
(※この時、後白河法皇を逃した失態が、後に平家一門の致命傷となるのですが、詳細は別稿に委ねます)
さて、都を落ちた平家一門は、かつて平清盛が遷都を強行した福原(現:兵庫県神戸市)を目指すのですが、果たして捲土重来はなるのでしょうか。
【続く】
※参考文献: 『ビジュアル源平1000人』世界文化社、2011年11月1日、第1刷
梶原正昭ら校注『平家物語 下 新日本古典文学大系45』岩波書店、1993年10月27日、第1刷
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