放送直前に、大松博文(だいまつひろぶみ)監督を演じたチュートリアル・徳井義実さんの一件で41話を再編集し、放送時間が1分短縮になると発表されました。
Twitterを見ると、全話観続けてきたいだてんファンはむしろ「編集する必要はなかったのでは?」という意見が目立ちました。
今回の放送はタイトル「おれについてこい!」(大松監督の著書、およびそれを原作とする映画のタイトルからとられた)からわかるように、大松監督が主役といっても過言ではない回なのです。
■“鬼の大松”と言うけれど
大松監督といえば、“東洋の魔女”と呼ばれた日本女子バレー(日紡貝塚女子バレーボールチーム)をオリンピック金メダルに導いた人物です。そんな大松監督とはどんな人なのか。やはり「鬼の大松」と呼ばれるほどのスパルタ指導が有名ですね。
午後から深夜、場合によっては朝まで続く練習、起こるとボールが飛んでくる、体罰だってあった……。コートの中で水をかけられることもあったそうです。
しかし、肉体的には厳しい指導で“鬼の大松”であっても、選手たちにはとても慕われていたのだとか。たとえば、当時にしては珍しく、練習中にちゃんと水分補給をさせていたようです。「いだてん」でも画面にやかんが映っていましたが、あれは水分補給のためのやかんか、それとも選手にかけるために用意したやかんか……。
それに、鬼監督といってもいつも厳しいわけではなく、選手たちを映画に連れていくという一面もあったそうです。選手たちから映画好きの監督を誘い、月に一度は映画を観に行ったのだとか。
大松監督は彫りが深い美男子であり、厳しいだけではなく優しい一面もあった。そのため、レギュラーメンバーは鬼監督にどれほど練習でスパルタ指導されても、監督のことが大好きでとても慕っていたそうです。
■回転レシーブを考案
取りにくいボールを、体を回転させながらレシーブする技「回転レシーブ」は、東洋の魔女の代名詞のような技です。後に、東京オリンピックの女子バレーボールブームから生まれた少女マンガ『アタックNo.1』にも登場しています。
この技は柔道の受け身を取り入れたもので、41話でも大松監督が技を思いつくシーンが描かれましたね。
この技はオリンピックに先駆けて1962年のバレーボール世界選手権で取り入れられており、すでに強豪となっていた日本チームは初優勝を決めて大きなニュースになりました。もちろん、オリンピックでも回転レシーブを大いに活用して優勝することになるのですが……
今後の「いだてん」でも描かれることになると思いますが、日本女子バレーがオリンピック出場を果たすまでにはまだまだ課題があります。第一に、女子バレーがまだ正式種目には決まっていないこと。そして第二に、世界選手権優勝後に、大松監督と選手たちは引退を表明するということです。
結婚適齢期を迎えた選手たちは世界一に輝いたタイミングで引退を表明しますが、選手や監督はどのようにしてオリンピック出場を決意するのか?次回以降の見どころになるでしょう。
参考記事:デイリースポーツ online、東スポ web
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