筆者のようなオジサンにとっては最近の若者の流行り言葉を追っかけるだけで必死ですが、実はこの言葉、江戸時代から使われている言葉が変化したものだと知ったら、皆さんはもちろん、今まで使っていた若者たちもびっくりすることでしょう。
「まじ卍」の意味は特に定まっておらず、「本当にすごく」とか「すごく」というふうに否定的な意味としても、肯定的な意味としても使われています。
まあ、「まじヤバい」というかんじでしょうか。
地図記号で寺を表す「卍」は、古くヒンズー教や仏教でめでたい印として使われてきました。近年では単独で使われる例もありますが、この場合、「マジ」の語を強める修飾的な働きがあるとされています。
さて、「まじ」も「ヤバい」も、その言葉の使用は江戸時代にまで認められています。「ヤバい」については、以前Japaaanの記事でも紹介させていただきました。
語源がヤバい?「やばい」という日本語は江戸時代の犯罪者たちの隠語だった?
今回は、「まじ」について解説します。
1781(天明元)年に書かれた『にやんの事だ』には、「気の毒そふなほ付にてまじになり」など、少なくともこの頃には「まじ」という言葉が登場していることがわかります。
「まじ」という言葉が使われている『にやんの事だ』(デジタル国立国会図書館より)
当時は、主に芸人の楽屋言葉として使われていた、いわば業界用語として生まれた言葉で、意味に関しては、今とほとんど変わらない「真面目に」という意味だったようです。
やがて、この「まじ」が、「この焼きそば、‶まじ″うまくね?」なんていう風に、「とても」という意味も持つようになりました。
私たちが何気なく使っている言葉、一見新しい若者言葉に思えるような言葉でも、このように紐解いていくと意外と古い時代から使われている言葉をアレンジしたものだと気がつくかもしれませんね。
参考
- 週刊現代(2017年7月1日)
- 毎日新聞 (2018年1月9日)
- 『にやんの事だ』(デジタル国会図書館)
日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan