吉田は、大物政治家である一方で、熱心な愛犬家でもありました。彼の犬好きは有名で、ドラマで見たシェパードを欲しがったり、公務の帰りに犬を買ってきてしまうなど、まあ相当な愛犬家ぶりでした。
その様子に、周囲から「ワンワン宰相」とあだ名がつけられたほどです。多いときには10匹以上の愛犬と暮らしていたそうです。
「ワンワン宰相」と呼ばれた吉田茂(Wikipediaより)
彼は条約締結後、念願の調和を果たした記念として、現地でケアンテリアという、日本では珍しい犬をつがいで購入して帰国。
オスに「サン」、メスには、「フラン」、2匹の間に生まれた最初の子犬には「シスコ」と名づけ、かわいがっていたといいます。

吉田は神奈川県大磯にある邸宅に移り住み、晩年をそこで過ごしました。邸宅のすぐ近くには海岸がありましたが、そこが愛犬たちとの散歩コースでした。犬の散歩は毎日欠かさず行っていたそうです。
現在、大磯にある旧吉田茂邸の庭では、彼の愛犬の墓石を見ることが現在も可能です。お墓は四つあり、墓石には「愛犬」の文字と共に、それぞれ「サン」「ポチ」「ポチ」「バンゾウ」と犬たちの名前が刻印されているそうです。
米国から連れて帰ったサンの墓石には「サンチヤン」と彫られており、吉田が可愛がっていた様子をうかがうことが出来ます。
旧吉田茂邸 JR東海道線「大磯駅」下車 徒歩:約30分(約2キロメートル)
バス:「二宮駅行」・「湘南大磯住宅行」
城山公園前下車徒歩5分
参考
- “あだ名は「ワンワン宰相」。吉田茂の犬好きエピソード” 「歴史スター名鑑」
- 〝大磯町郷土資料館・旧吉田茂邸サイト” 大磯町ホームページ
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