なぜ2月11日なのかと言うと、今から2682年前(辛酉BC660年)に神武天皇(じんむてんのう※)が、大和国橿原(現:奈良県橿原市)で初代の天皇陛下として即位された日付(旧暦の1月1日)に由来します。
(※)天皇陛下の位に就かれる前は若御毛沼命(わかみけぬのみこと-『古事記』)、彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと-『日本書紀』)などと呼ばれていたそうです。
そこまではご存じの方も多いと思いますが、今回は神武天皇がどんな生涯を送ったのか、ごくざっくり紹介したいと思います。
■強敵との戦いや兄たちの死を乗り越え、日本を統一した神武天皇
神武天皇は天照大神(あまてらすおおみかみ)の5世子孫に当たり、庚午BC711年1月1日に日向国(現:宮崎県)で生まれたそうです。
45歳の時(甲寅BC667年)に日本の中心を統治するべく、兄たちと共に東国への遠征(東征)を開始。7年間の歳月をかけて北九州(筑紫国)、山陽地方(安芸国、吉備国)、南近畿(難波国、河内国、紀伊国)を攻略していきます。
神々のお導きによって東国へ遠征する神武天皇たち。『神武天皇東征之図』Wikipediaより。
道中、那賀須泥毘古(ながすねびこ)や兄宇迦斯(えうかし)&弟宇迦斯(おとうかし)兄弟と言った強敵たちとの対決、そして兄たちとの死別といった試練を乗り越えて、大和国橿原で即位。
その後、76年間にわたる統治の末に127歳で崩御(神武天皇七十六BC585年3月11日)したと伝わりますが、時代が神々から人間へ移り変わる過渡期とあってか、ちょっと人間離れした長寿には驚かされます。
神武天皇は奈良県橿原市にある畝傍山東北陵(うねびやまのうしとらのすみのみささぎ)に葬られ、建国の功績から始馭天下之天皇(はつくにしらすすめらみこと。初めて国を治められた天皇陛下)などの称号が贈られたのでした。
■終わりに
そして皇位は第三皇子の神沼河耳命(かんぬなかわみみのみこと。
神々のご加護をもって逆賊を退治される神武天皇。Wikipediaより。
これからも平和で、誰もが幸せに暮らせる未来を願って、2月11日はみんなでお祝いし、神武天皇をはじめ日本国を創り、受け継いで下さった先人たちに感謝したいものですね。
※参考文献:
出雲井晶『教科書が教えない神武天皇』扶桑社、1999年1月7日
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