■「銭湯」でよく見かけた「黄色いケロリン」の桶
皆さん、最近「銭湯」へ行ったのはいつでしょう?
最近は昔ながらの銭湯が激減しているといわれますが、都心部でも下町を散歩していると、時々銭湯を見つけ、懐かしい気持ちになります
そんな銭湯の中に入ると、浴場に黄色に赤い文字で「ケロリン」と書かれた、かなり目立つプラスチック製の桶が置かれていることがよくあります。
■「ケロリン」とは?
「ケロリン」は、内外製薬の鎮痛薬の名称です。
子供の頃の筆者の家にも「置き薬」としてあり、頭が痛いときなどに飲まされた記憶があります。
その主な成分は、痛みや熱を抑える成分として知られるアセチルサリチル酸(アスピリン)と、調味料「シナモン」にも加工され、胃粘膜を保護する生薬「桂皮(けいひ)」に、頭の重い感じをスッキリさせる「無水カフェイン」を加えたものです。
その名の通り痛みが速く消えるということで、新発売となった1925(大正14)年から今に至るまで、時代を超えて利用されています。
あの『男はつらいよ』の寅さんも、カバンの中に『ケロリン』を持っていました(!)。
近年は、もともと顆粒だけだったケロリンに飲みやすい錠剤やカプレットの形状に改良されたものが発売され、より飲みやすくなっています。
■なぜ「ケロリン」が銭湯の桶になったの?
そんな「ケロリン」が、なぜ銭湯の桶になったのでしょうか?
1963(昭和38)年、広告会社「睦和商事」の当時営業担当で後に社長となる山浦和明氏が、北海道・登別温泉の風呂桶にヒントを得て、風呂桶に広告を付けることを考案しました。
ちょうどその頃は銭湯の湯桶が、それまでの主流だった木から、清潔を保ちやすい合成樹脂に切り替えられた時期だったのです。
同じ時期に「ケロリン」も全国展開を目指していたため、「風呂桶にケロリンの広告があれば、多くの人の目にとまるはず」ということになり、全国の銭湯や温泉などへ置かれるようになっていきました。
ちなみに、最初に作られたケロリン桶の色は白でしたが、湯垢による汚れが目立ちやすかったため、現在の黄色に変更されました。
その結果、赤い「ケロリン」のロゴがより目立つようになり、「ケロリン桶=黄色い桶」として、すっかり定着しました。
このケロリン桶、子供が蹴飛ばしても逆さにして腰かけてもびくともしないから「永久桶」と呼ばれることもあるそうです。
最近では「ヴィレッジヴァンガード」などの雑貨店やインターネットでも販売されるようになり、レトロ感のあるデザインで人気を集めています。
「ケロリン桶」を発案・販売した「睦和商事」は2013(平成25)年に経営破綻し、この湯桶販売・広告業務は広告の商品「ケロリン」自体を製造販売する内外薬品に引き継がれた後、富山めぐみ製薬に引き継がれて現在に至っています。
皆さん、最近「銭湯」へ行ったのはいつでしょう?
最近は昔ながらの銭湯が激減しているといわれますが、都心部でも下町を散歩していると、時々銭湯を見つけ、懐かしい気持ちになります
そんな銭湯の中に入ると、浴場に黄色に赤い文字で「ケロリン」と書かれた、かなり目立つプラスチック製の桶が置かれていることがよくあります。
■「ケロリン」とは?
「ケロリン」は、内外製薬の鎮痛薬の名称です。
子供の頃の筆者の家にも「置き薬」としてあり、頭が痛いときなどに飲まされた記憶があります。
その主な成分は、痛みや熱を抑える成分として知られるアセチルサリチル酸(アスピリン)と、調味料「シナモン」にも加工され、胃粘膜を保護する生薬「桂皮(けいひ)」に、頭の重い感じをスッキリさせる「無水カフェイン」を加えたものです。
その名の通り痛みが速く消えるということで、新発売となった1925(大正14)年から今に至るまで、時代を超えて利用されています。
あの『男はつらいよ』の寅さんも、カバンの中に『ケロリン』を持っていました(!)。
近年は、もともと顆粒だけだったケロリンに飲みやすい錠剤やカプレットの形状に改良されたものが発売され、より飲みやすくなっています。
■なぜ「ケロリン」が銭湯の桶になったの?
そんな「ケロリン」が、なぜ銭湯の桶になったのでしょうか?
1963(昭和38)年、広告会社「睦和商事」の当時営業担当で後に社長となる山浦和明氏が、北海道・登別温泉の風呂桶にヒントを得て、風呂桶に広告を付けることを考案しました。
ちょうどその頃は銭湯の湯桶が、それまでの主流だった木から、清潔を保ちやすい合成樹脂に切り替えられた時期だったのです。

同じ時期に「ケロリン」も全国展開を目指していたため、「風呂桶にケロリンの広告があれば、多くの人の目にとまるはず」ということになり、全国の銭湯や温泉などへ置かれるようになっていきました。
ちなみに、最初に作られたケロリン桶の色は白でしたが、湯垢による汚れが目立ちやすかったため、現在の黄色に変更されました。
その結果、赤い「ケロリン」のロゴがより目立つようになり、「ケロリン桶=黄色い桶」として、すっかり定着しました。
このケロリン桶、子供が蹴飛ばしても逆さにして腰かけてもびくともしないから「永久桶」と呼ばれることもあるそうです。
最近では「ヴィレッジヴァンガード」などの雑貨店やインターネットでも販売されるようになり、レトロ感のあるデザインで人気を集めています。
「ケロリン桶」を発案・販売した「睦和商事」は2013(平成25)年に経営破綻し、この湯桶販売・広告業務は広告の商品「ケロリン」自体を製造販売する内外薬品に引き継がれた後、富山めぐみ製薬に引き継がれて現在に至っています。
- 参考
富山めぐみ製薬株式会社公式HP - ケロリンファンクラブ
日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan
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