カルーセル エルドラド(写真:wikipedia)
2020年8月に、たくさんの人に残念がられながら94年もの長い歴史に幕をおろす、都内屈指の遊園地「としまえん」。
前編では、としまえんは、桜やあじさいの名所であり、室町時代の城跡が残る貴重な遊園地であることをご紹介しました。
後編では、園のシンボルである世界最古級の回転木馬「カルーセルエルドラド」の歴史や、犬に優しい遊園地であること、としまえんにまつわる都市伝説などをご紹介しましょう。
ぜひ前編とあわせてごらんください。
さよなら!としまえん…実は敷地内に室町時代の城跡がある貴重な水と緑の遊園地【前編】
■実は犬に優しい遊園地

回転木馬の前にあるとしまえんのキャラクター撮影スポット(写真:TERUAKI .T)
としまえんには、愛犬用ドッグパーク(ドッグラン)や犬ふれあいガーデンなどがあります。
そして、犬を飼っている人にうれしいのが愛犬と一緒に園内に入れること。(レストラン・遊戯施設・室内施設など、犬連れでは入れない場所もあります)
1年以内の狂犬病予防ワクチンや混合ワクチン5種以上摂取の写しを持参し、犬の入園手続きをすれば「ワンちゃん入園パス」が発行されます。
それを首からぶら下げれば、一緒に園内に入れますがドッグラン以外はリードは必須です。
ドッグランで遊ぶのもよし、広い敷地内を散策したりベンチに腰掛け桜を眺めながらランチを食べたり。愛犬と一緒にお散歩できるありがたい遊園地なのです!
筆者も歴代の愛犬と共によく散策に訪れました。

広い園内は散策に最適(写真:TERUAKI.T)
■世界最古級の回転木馬「カルーセルエルドラド」

まさに回転する美術品。カルーセルエルドラド(写真:photo-ac)
としまえんを代表する乗り物といえば、回転木馬「カルーセルエルドラド」です。園に訪れたことがない人でも、テレビなどで見かけたことはあるのではないでしょうか?
明治40年に作られた回転木馬

カルーセルエルドラド(写真:photo-ac)
カルーセルエルドラドは、明治40年(1907)にドイツで製作されました。
見事な造形の木馬やゴンドラ、天使や女神など精巧で豪華な彫刻作品で彩られたこのカルーセルエルドラドは、ヨーロッパ各地を巡業しニューヨークの遊園地に渡ったのです。
その後、遊園地が閉鎖され倉庫に保管されていたものを、としまえんが購入。
太平洋を超えてこの地にやってきました。修復作業後1971年、再びアールヌーボー様式の豪華な装飾で彩られたカルーセルエルドラドは、人々を乗せ優雅に周り始めたのです。
機械遺産に認定 カルーセルエルドラドは、機械仕掛けの芸術的な乗り物であり、100年以上の歴史を持つ貴重な文化遺産。
2010年に「機械遺産」に認定されました。この貴重な文化財は「としまえんが閉園になってもどこかに残して欲しい」と言う多くの声が集まっています。
夜になるとライトアップされ、一際美しいカルーセルエルドラド。優雅な音楽にあわせスタートから終了までの映像をこちらで!
■何かと話題のつきない遊園地
くだらない・行きたくなると、必ず話題になるポスター としまえんは何かと話題がつきない遊園地としても有名。
毎回、色々な芸能人を起用したダジャレのポスターが「くだらない!(笑)」と評判になっていました。
また、『プール 冷えてます』のポスターは、暑い日に思わずとしまえんのプールに行きたくなる!と高評価を得た作品。
広告代理店「博報堂」のデザイナーとして活躍していた、世界一のアートディレクター・大貫卓也氏により生まれたものです。
幽霊を見た!という噂も

遊園地に都市伝説はつきもの(写真:photo-ac)
また、遊園地によくある都市伝説として、お化け屋敷には本物の幽霊が出るとか、人間ではない女性が手を振っているのを見たとか、ミラーハウスの鏡にいるはずのない女の子の霊が写っているとか、まことしやかな噂も。
閉園にあたって「幽霊さんたちは、長年の住処を失ってどうするのか」など、心配する声もネット上で見かけます。
夏のとしまえんといえば花火 夏のとしまえんといえば、やはり波の出る&流れるプールと花火です。地元の人だけではなく、区外の人も楽しみにしている夏の風物詩でした。
#としまえん
最後まで笑顔と感動を✨
94年間の感謝の気持ちを込めて