しかし、忘れてはいけないのが、お父さんもお母さんも、「男と女」だということ。
なんと、江戸時代において、出産した女性は産後75日は夫と夜の営みをしてはいけないという俗信がありました。その75日間は夫にとっては我慢を強いられる非常にツライ期間だったようで、江戸時代にはそのことに関連する川柳がたくさん残されています。
今回はくすっと笑える江戸時代の川柳で、お父さんとお母さん、もとい男と女の攻防を見て行きましょう。
■フライングしようとする夫
赤ちゃんが生まれて1ヶ月たてばお宮参り。赤ちゃんにとっては初めての晴れの日ですから、家族みんながおめでたいムードに包まれています。しかし、そんな中、夫だけは別のことを考えていたりします。
「宮参り時分願って叱られる」
我慢しきれない夫はダメ元で「もうそろそろシてもいいだろう?」とお願いして叱られます。
「宮参りさてまだ四十五日あり」
残りの45日を思うとめまいがするほどです。
■我慢の限界、75日目
宮参りから45日を経て、
「今少し七十五日暮れかかり」
よし、もう少し、今少し待てばもう明日!76日目が目の前まで来ています。太陽が暮れてきただけでめちゃくちゃ嬉しい!という一句。待ちわびている夫の様子がよく伝わってくる川柳ですね。
■いよいよ解禁日
ついに75日間の長い我慢の時間が終わり、待ちに待った76日目が訪れます。
「いやと言わせぬは七十六日目」
これだけ長い間我慢してきたんだ!奥さんが何と言っても嫌とは言わせねえぞ!旦那さんのセックスに対する意気込みがすごすぎて、もはや荒い鼻息まで聞こえてきそうなほどです。
「鼻紙の用意七十六日目」
鼻紙というのは、ちり紙のことで、今で言えばティッシュですね。奥さんも夫の意気込みのことは分かっていますから、枕元にティッシュを用意して早めに寝床に入ります。そして2人は久々に想いを遂げ・・・。
「初物のように七十五日ぶり」
「つひぞない朝寝七十六日目」
あまりにも遅くまで盛り上がってしまったので、ついぞ今までしたことのないような寝坊をしてしまいましたとさ。めでたしめでたし。
参考文献:小栗清吾「男と女の江戸川柳」平凡社
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