「三密」という言葉は、もはや日本中で知らない人はいないくらい、定着した言葉です。
2020年の3月、厚生労働省や都知事などが公表して以来、すっかり「三密」は新型コロナウイルス感染拡大予防対策のキーワードとしておなじみになりましたよね。
でも、この「三密」という言葉。実は、真言宗の宗祖・弘法大師(空海)の教えとして昔から大切にされてきた言葉なのです。
そして、都内屈指の観光名所・高尾山に、「三密の道」が存在しています。どのような意味があり、どのような場所なのかご紹介しましょう。
■新型コロナウイルスで一躍有名になった造語「三密」
いまやおなじみの「3密」(写真:photo-ac)
厚生労働省や政府などが、新型コロナウイルスの感染拡大予防策として打ち出した「三密を避ける」という言葉が、あっという間に広がりまったのが3月中旬から末ごろ。
“Three Cs”(写真:wikipedia)
2020年の3月に誕生した、新しい言葉「三密」。
これを聞いて、ある真言宗のお寺のご住職は「え!なぜ弘法大師さまの教えが!?」とびっくりしたそうです。
■「三密」はそもそも真言宗の教えにある言葉だった!
空海の肖像(写真:wikipedia)
「三密」という言葉は、そもそも密教の言葉。
弘法大師空海(774~835)が、唐で学んだ密教を教義に平安初期に開いた真言宗の教えにある言葉だそうです。
【身密・口密・意密】
真言宗の三密は、「身密(しんみつ)」「口密(くみつ)」「意密(いみつ)」。
わかりやすくたとえると、
「密」は、弘法大師空海が唐から伝えた密教の「密」で、仏と一体になる修行を指します。
高野山弘法大師像(写真:photo-ac)
■真言宗の「三密」と現代の「三密」
真言宗の三密は、感染するような行為を行わず(身密)、感染者や医療従事者などへの誹謗中傷をせず(口密)、周囲の人をいたわる心を持つ(意密)……と、「現代のコロナ禍にも活かせる教え」であるとする方もいます。
高尾山にある「三密の道」
三密の道(写真:photo-ac)
都内屈指の観光名所で、ミシュランの三ツ星に認定されるほど世界中に知られる高尾山。その高尾山の中腹に「三密の道」があるのです。
参道の途中に、「男坂」「女坂」に分岐する地点があります。そこで、向かって左手の「男坂」を選びましょう。
男坂(左)と女坂(右)の分岐点(写真:TERUAKI.T)
男坂は、108段の階段。結構きついので途中休み休み登る人も少なくありません。頑張って登りきると、右手にさらに「仏舎利塔」に行ける階段があります。
男坂の階段(写真:TERUAKI.T)
その入り口には、左側に「三密の道」右側に「苦抜け門」と記してある石の門があり、そこをくぐるとさらに石段が続きます。
この三密の道の石段が54段。
■「三密の道」が誕生したわけ
晴れた日は山々の景色が美しい高尾山(写真:TERUAKI.T)
2007年にミシュランの三ツ星認定をされ、高尾山は国内外の観光客が増加。
しかしながら、本来の高尾山は神秘的な修行の場であることも知ってほしいと、高尾山薬王院が2014年に「三密の道」を整備したのです。
高尾山は山頂や薬王院を目指して登る人がほとんどなので、三密の道は人数も少なく当然「密」ではありません。
深緑に囲まれた静かな石段を登ると心身ともに清められていくような神秘的な気持ちになるでしょう、
清々しい空気を胸いっぱいに吸い込み、本来の「三密」の意味を考え、これからコロナ禍の元いかに生活していくか……静かに想いを馳せるにはぴったりの場所です。
■下山したら麓のお店で名物を!
濃厚なとろろ・麦ご飯・山菜の定食(写真:TERUAKI.T)
高尾山の名物グルメといえば、お蕎麦やとろろ汁。山道歩きでお腹が空いたら高尾名物を食べて英気を養ってくださいね!
2020年の3月、厚生労働省や都知事などが公表して以来、すっかり「三密」は新型コロナウイルス感染拡大予防対策のキーワードとしておなじみになりましたよね。
でも、この「三密」という言葉。実は、真言宗の宗祖・弘法大師(空海)の教えとして昔から大切にされてきた言葉なのです。
そして、都内屈指の観光名所・高尾山に、「三密の道」が存在しています。どのような意味があり、どのような場所なのかご紹介しましょう。
■新型コロナウイルスで一躍有名になった造語「三密」
いまやおなじみの「3密」(写真:photo-ac)
厚生労働省や政府などが、新型コロナウイルスの感染拡大予防策として打ち出した「三密を避ける」という言葉が、あっという間に広がりまったのが3月中旬から末ごろ。
- 換気の悪い密閉空間
- 大勢が集まる密集場所
- 間近な距離で会話や発生をする密接場面
- を避けましょう!ということでしたね。
米国でも、「Three Cs」という言葉で、Closed spaces・Crowded places・Close-contact settingを避けようと、三密が使われていました。

“Three Cs”(写真:wikipedia)
2020年の3月に誕生した、新しい言葉「三密」。
これを聞いて、ある真言宗のお寺のご住職は「え!なぜ弘法大師さまの教えが!?」とびっくりしたそうです。
■「三密」はそもそも真言宗の教えにある言葉だった!

空海の肖像(写真:wikipedia)
「三密」という言葉は、そもそも密教の言葉。
弘法大師空海(774~835)が、唐で学んだ密教を教義に平安初期に開いた真言宗の教えにある言葉だそうです。
【身密・口密・意密】
真言宗の三密は、「身密(しんみつ)」「口密(くみつ)」「意密(いみつ)」。
わかりやすくたとえると、
- 身密:体や心を整え正しい行い
- 口密:言葉や発言を正しいものにする
- 意密:正しい心や考えを心がける
「密」は、弘法大師空海が唐から伝えた密教の「密」で、仏と一体になる修行を指します。

高野山弘法大師像(写真:photo-ac)
■真言宗の「三密」と現代の「三密」
真言宗の三密は、感染するような行為を行わず(身密)、感染者や医療従事者などへの誹謗中傷をせず(口密)、周囲の人をいたわる心を持つ(意密)……と、「現代のコロナ禍にも活かせる教え」であるとする方もいます。
高尾山にある「三密の道」

三密の道(写真:photo-ac)
都内屈指の観光名所で、ミシュランの三ツ星に認定されるほど世界中に知られる高尾山。その高尾山の中腹に「三密の道」があるのです。
参道の途中に、「男坂」「女坂」に分岐する地点があります。そこで、向かって左手の「男坂」を選びましょう。

男坂(左)と女坂(右)の分岐点(写真:TERUAKI.T)
男坂は、108段の階段。結構きついので途中休み休み登る人も少なくありません。頑張って登りきると、右手にさらに「仏舎利塔」に行ける階段があります。

男坂の階段(写真:TERUAKI.T)
その入り口には、左側に「三密の道」右側に「苦抜け門」と記してある石の門があり、そこをくぐるとさらに石段が続きます。
この三密の道の石段が54段。
上りきると釈迦の遺骨を納めているとされる仏舎利塔がそびえています。
■「三密の道」が誕生したわけ

晴れた日は山々の景色が美しい高尾山(写真:TERUAKI.T)
2007年にミシュランの三ツ星認定をされ、高尾山は国内外の観光客が増加。
しかしながら、本来の高尾山は神秘的な修行の場であることも知ってほしいと、高尾山薬王院が2014年に「三密の道」を整備したのです。
高尾山は山頂や薬王院を目指して登る人がほとんどなので、三密の道は人数も少なく当然「密」ではありません。
深緑に囲まれた静かな石段を登ると心身ともに清められていくような神秘的な気持ちになるでしょう、
清々しい空気を胸いっぱいに吸い込み、本来の「三密」の意味を考え、これからコロナ禍の元いかに生活していくか……静かに想いを馳せるにはぴったりの場所です。
■下山したら麓のお店で名物を!

濃厚なとろろ・麦ご飯・山菜の定食(写真:TERUAKI.T)
高尾山の名物グルメといえば、お蕎麦やとろろ汁。山道歩きでお腹が空いたら高尾名物を食べて英気を養ってくださいね!
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