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Japaaan読者の皆さんこんにちは、ライターの小山桜子です。東京国立博物館平成館において、特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」が2021年4月13日より開催します。


【要予約】新型コロナで延期されていた特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」のチケット発売日が遂に発表!

そこで今回は、鳥獣戯画の見どころポイントをご紹介します!

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■鳥獣戯画は全長44メートル超え!

そもそも鳥獣戯画とは平安~鎌倉時代に描かれ、京都市右京区の高山寺に伝わってきた国宝の絵巻物。鳥獣戯画といえば兎・蛙・猿のたわむれる絵を思い浮かべる方が多いと思いますが、実はそのシーンは全体のほんの一部。

東京国立博物館でいよいよ特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」開催。見どころポイントは?【前編】


実は鳥獣戯画には甲巻・乙巻・丙巻・丁巻の4巻があり、兎・蛙・猿たちの有名な甲巻(こうかん)という最初の巻物に該当します。4巻すべての長さを合わせるとなんと44メートルを超える超大作!今回の展覧会は展示替えなしでそのすべてを見ることができる日本初の贅沢な展覧会なのです。

■展示室に「動く歩道」を導入

しかも今回は展示室内に画期的な工夫がなされています。なんと甲巻の展示室において「動く歩道」を導入しているのです!つまり見る人は立ったまま歩くことなく自動で流れるように絵巻物語を見ることができるのです。ソーシャルディスタンスを取るという意味でも安心ですよね。

■鳥獣戯画の特徴

鳥獣戯画の特徴のひとつは、普通の絵巻物に当然のように見られる詞書きが全くないこと。そして白描画(はくびょうが)といって黒い墨のみで描かれていて、まったく彩色がなされていないため、色まで想像することができますよね。説明的でないがために見る人の想像を掻き立ててくれるというところが、鳥獣戯画の大きな特徴といえるでしょう。

■甲巻の見どころ

甲巻はなんといってももっとも有名な巻。兎と猿が川の中で水遊びをしたり背中を流しあうのほほんとした光景からスタート。
蓮の葉を的にして兎たちが弓を射たり、ご飯を運んで宴会の準備をしたり、兎が蛙を相撲で投げ飛ばしたり。兎が猿を追いかけるシーンはあまりにも有名ですよね。

東京国立博物館でいよいよ特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」開催。見どころポイントは?【前編】


蛙の阿弥陀如来の前で猿がお経をあげたりといった面白い姿は必見です。個性的なキャラクターに加え、背景には萩の花など秋の野花や植物がいたるところに見ることができますので、そういった背景の細かさにも注目です。

前述のとおり始めから終わりまで詞書きが全くないので、自分でストーリーを考えたりできるのも鳥獣戯画の魅力ですね。

【乙巻・丙巻・丁巻は後半につづく】

特別展 国宝 鳥獣戯画のすべて

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