内容は、女性との性行為に及ぶ際や心構えや適切な回数など、実用的なものばかりがふんだんに盛り込まれています。
松永久秀/Wikipediaより
今回は、そんな『黄素妙論』の気になる内容に触れつつ、著者の曲直瀬道三のこともご紹介します。
■日本医師中興の祖・曲直瀬道三
『黄素妙論』の著者である曲直瀬道三(まなせ-どうさん)は、日本医学中興の祖と称される医師です。また、他の医師・田代三喜(たしろ-さんき)、永田徳本(ながた-とくほん)と並んで医聖とも称されました。
曲直瀬道三/Wikipediaより
そんな道三は生まれて間もなく両親を失い、13歳になる永正13年(1516)の頃には京都相国寺にて仏門へ入ります。享禄元年(1528)には関東へ赴き、足利学校で医学について触れました。
そのことがきっかけになり、天文15年(1546)に還俗して医業を専念するまでに至ります。
その後、道三は足利義輝や正親町天皇といった将軍や皇室、毛利元就や織田信長といった大名、さらには宣教師のオルガンティノといった人物たちの診療を行いました。
また、『黄素妙論』は京都にて義輝を診療した際に、松永久秀へ献上しました。
足利義輝/Wikipediaより
■女性を大切に扱うべし
ここからは『黄素妙論』の中身について触れていきます。
まず、女性との性行為に及ぶ際には、自分自身が健康体であることとこの本では記されています。それにあたって、過度な暴飲暴食を避けるべきと念を押しています。
また、相手となる女性に関しては、次のサインが出たら性行為を行って良いと、道三は説きました。
- 女性の性器が暖かく潤っている時
- 女性が口を開けて舌を出し、息づかいが荒くなった時
- 女性が絶頂に際し、抱きしめながら唇を重ねてきた時
お互いが気持ちよく性行為に及べるように、激しい動きや頻繁に求めるなどをせず、女性を気遣うことが大切、とも記されています。
■過度な性行為は慎むべし
男女の性交/Wikipediaより
また、『黄素妙論』には年齢別に最適な回数も記されてあります。
- 20代-3日に一度
- 30代-5日に一度
- 40代-7日に一度
- 50代-半月に一度
- 60代-無理しない範囲
もちろん、体格や精力によって個人差はあるかと思いますが、一般的にはこの数字が最適な回数とされていました。
さらに、20代と30代で度を越えた回数の性行為を行ってしまうと、いつか白髪になり、体調不良が続き短命になると、この本では警告しています。
何事もほどほどに、ということが一番大切ですね。
■まとめ
戦国時代のセックス参考書、『黄素妙論』についてまとめさせていただきました。
戦国武将と言えば荒くれ者のイメージが強い中で、『黄素妙論』で女性の扱い方について読んで学んだと思うと、夜の世界では紳士だったイメージが湧きそうですね。
また、こうやって学んでいたと考えると、夜は男と女の立場が逆転していたと思えてしまいます。
参考:渡邊大門『戦国武将はイケメンがお好き?』
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