注連縄の本来の役割は、清浄・神聖な場所と俗界を区画するため引き渡されます。
神域を俗界から区切り、不浄なものを侵入させないように張る縄で、「漂縄」「七五三縄」とも表します。
七五三縄は、縄にわらを三筋、五筋、七筋と垂らしたことが語源です。また、「注連」という表記は中国の風習の風習からきており、死霊が入るのを防ぐため、水を注いで清めた縄を連ねて張ったものを意味しています。
私たちが神社に参拝するとき、鳥居や拝殿には注連縄が掲げられていても、注連縄にはあまり注意を向けることはありませんが、よく見ると一言で注連縄といっても、細いものか太い物まで、あるいは、撚り方も左綯いだったり右綯だったりと、いろいろと違いがあることがわかります。
注連縄の発祥は天岩戸神話だといわれています。天照大神が隠れていた岩戸から出た瞬間、戻らないように戸をふさいだ「尻久米縄(しりくめなわ)」が起源となりました。
因みに、これもよく聞かれますが、しめ縄によく付いている白い紙。これは、「紙垂」と書いて「しで」と読みます。ほかにも「垂」、「四手」と書くこともありますが、紙垂は雷や稲妻を模した形になっており、邪悪なものを追い払う機能があるとされています。
注連縄の飾り方は様々ありますが、前垂注連、大根注連、牛蒡注連、鼓胴注連などがメジャーなところで、良く知られています。このような多彩な注連縄の飾り方を「注連飾り(しめかざり)」といっています。

前垂注連:細い縄から藁茎と紙垂を一面に垂らした、もっともポピュラーな飾り方です。
大根注連:一方が太く、だんだんと細くしていく飾り方です。
牛蒡注連:大根注連と同じように、片側のみが細くなっていく飾り方ですが、大根注連(だいこじめ)よりもやや細くて長い飾り方ですです。
鼓胴注連:中央部が太くなって、両端が細くなっている飾りです。
参考
森 須磨子『しめかざり—新年の願いを結ぶかたち』 (2017 工作舎)
日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan