■捕まると死ぬ!?「護法祭」

皆さんは「護法祭」をご存じでしょうか?

岡山県に伝わる、なんと「捕まると3年以内に死ぬ」と言われている伝統のお祭りです。

護法祭の起源は鎌倉時代の1275年です。


岡山県にある両山寺の僧侶が「護法善神」という神様からお告げを受けたことにより始まりました。

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護法善神は仏教を鎮守し見回るために、人に乗り移るとされています。

世の中が平穏無事で、穀物や物が実り豊かであることを祈願するために、毎年8月14日深夜から15日未明にかけて行われ続けてきました。

この祭りは他にあまり類例がない貴重な信仰行事で、岡山県を中心に9箇所で行われていましたが、現在は行われている場所が少なくなっているのもあり、県の重要無形民俗文化財に指定されています。

祭り当日、護法善神が乗り移った「護法実」は、白い半紙でできた帽子をかぶり、装束をつけて、暗闇の中、境内を走り回る「お遊び」をします。

護法実を務めることができるのは、日頃から真面目で、信仰上において義務感がある人です。

村人の中でひとり選ばれた人は、祭りの一週間前から寺にこもり、修行をします。

2時間おきに水をかぶることによって、身を清め、神が憑依できるようにし、そうして護法実を務めることができるのです。

■お祭り参加も命がけ

境内に灯りのためのたいまつが燃え盛る中、護法実は使い鳥のように両手を広げて、飛び跳ねるような特殊な動作をしながら走り回ります。

捕まると3年以内に命を失ってしまうという世にも珍しい「護法祭」って知ってる?


時に人間いすに腰掛けて休息を取りつつ、約1時間ほどお遊びをします。

参加者は捕まらないように逃げ回ることが求められます。

鬼ごっこではないので、ただ観ている分には、追いかけてくることはありません。


しかし、参加者のなかにはやじったり、フラッシュを焚いたり邪魔をしたりして、バチが当たるようなことをする人もいます。実はこれは、護法実の逆鱗に触れてしまうかも知れない危険な行為なのです。

護法実が身を清い状態にするのと同じで、そうしたお遊びの最中に邪魔をしたり、心身が汚れている者が現れると、護法実に捕まって「3年以内に死ぬ」とされています。

捕まると3年以内に命を失ってしまうという世にも珍しい「護法祭」って知ってる?


捕まった人は霊を落としてもらえるのですが、中には命を落とした人もいるらしく、3年は気をつける必要があるとのことです。

また、「祭りを行わなかった年には災いがあった」との寺の言い伝えもあるそうです。

ネットでは「リアル鬼ごっこ」また、「走る死亡フラグ」などと書かれており、滅多に見ない奇祭として取り扱われていました。

そのようにして、恐れられながらも親しまれている護法実や祭り自体を、地元の人たちは「ゴーサマ」と呼ぶのです。

世にも珍しい「護法祭」。ちょっぴり、怖いもの見たさで足を運んでみたい気もしますね。

参考資料
山陽新聞デジタル

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