「真っ赤なウソ」という表現がありますよね。普通の会話でもよく使われますが、なぜ“ウソ”という言葉を形容するのに“赤”という色が使われるのか、疑問に思ったことはないでしょうか?

今回は、“赤”という漢字に注目しながら、赤にまつわる言葉や表現をご紹介したいと思います。


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■そもそも、「赤」の語源は?

では、「赤」という漢字の起源や由来はなんでしょうか。

「赤」という字は会意文字(かいいもじ:2文字以上の漢字の意味や形を組み合わせてできた文字)のひとつで、「両手・両足を伸ばした人」の象形(赤という字の上の部分)と、「燃え盛る炎」の象形(赤という字の下の部分)からなっています。

■ウソはなぜ“真っ赤”?

「真っ赤なウソ」という表現の意味は、「まったくのウソ」「明らかなウソ」「まぎれもないウソ」などです。

ここでの「真っ赤」は、まるっきり、まぎれもなく、ということを表します。

「赤」には「あきらかな」「間違いなく」「完全に」という意味もあり、それが「ウソ」を強調するために用いられています。

■同じように「赤」が使われる表現

「真っ赤なウソ」のように、「赤」が使われる表現はいくつもあります。例えば「赤の他人」。これも、「赤」が「完全に」という意味を表し、「完全な他人」「まったくの他人」という意味で用いられます。

ただし、この「赤の他人」という表現には、仏教用語が語源となったとする説もあります。

それは、仏教用語では、仏前にそなえる水を「閼伽(あか)」といい、この「水」のように冷たく、冷めた関係を表すというものです。

■ちなみに、英語の「red」には……

ちなみに、英語で「赤」を表す「red」という単語には、「あきらかな」「間違いなく」「完全に」という意味はありません。例えば、「see red」には「激怒する」という意味があります。


他にも、「red hot」には「猛烈な、興奮して熱中する、最新の」などの意味があります。

これらのように、英語では赤色が怒りや情熱を表しています。そして、英語には「white lie」という表現があり、直訳すると白いウソですが、これは相手を傷つけないための小さなウソ、という意味です。

「ウソ」を形容する色が日本語では赤、英語では白、という違いも面白いですよね。

いかがでしたか?今回ご紹介した内容は、知っていると、家族や友だちにちょっと自慢できるので、ぜひ覚えてみてくださいね。

この記事が、みなさんが少しでも日本語に興味を持つきっかけになれば嬉しいです。

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