各地で海開きが行われ、さらに本日は「海の日」。ただ海を眺めるのが好きな人、海で泳ぎたい人などさまざまだと思います。


海の日はなんで祝日なの?海の日の由来・成立にまつわる歴史を紹介

泳ぐのは川やプールがいい、という方もいるかもしれません。では、日本ではいつごろから「泳ぐ」ことをしていたのでしょうか?歴史をひも解いてみると、意外な事実が見えてきました!

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明治期のシマウマ(縞馬)水着

日本での水泳の歴史を見る前に、まずは世界における水泳の歴史を簡単に確認しておきましょう。古代エジプトやギリシャ、中国では水泳があったとされています。しかし、現代のような競技形式ではなく、魚や貝を捕ることが目的でした。

そして、19世紀にイギリスで初めて競技としての水泳が始まりました。

■島国の日本、水泳は軍事技術として発達

島国の日本でも、水泳は長い歴史を持っています。

特徴は、軍事目的として発達したという点です。武士にとっては、水泳は武芸のひとつで、武芸十八般(ぶげいじゅうはっぱん:中国や日本で武人に必要とされた18種目の武芸で、日本には江戸時代初期に伝わりました)にも数えられていました。

泳ぎ方は「水術」「水練」「踏水術」「遊泳術」「泅水術」などが伝わっています。単なる泳法ではなく、視界を確保したままの飛び込みや、甲冑を着た泳ぎ方や戦い方、立ち泳ぎをしながら鉄砲を撃つなどの技術を磨くものでした。

■競技水泳は明治末から大正時代に発達

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現代の私たちに馴染みのある競技水泳は、日本においては明治末から大正時代に行われるようになりました。

明治17年には学習院に、明治24年には東京大学にそれぞれ水泳部が設立されましたが、このときはまだ日本泳法でした。
欧米と同じ泳法を採用した競泳は、大正末期から昭和初期にかけて始まったようです。

その後、1955年以降に学校で水泳の授業が始まるようになりました。これには悲しい背景があります。それは、1952年に船の沈没などの水難事故で、多くの子どもたちが命を落としてしまったこと。文部省は水泳が命を守る、として1955年の学習指導要綱にプール設置と水泳の授業の採用を明記しました。

いかがでしたか?この記事が、みなさんが少しでも歴史の面白さに興味を持つきっかけになれば嬉しいです!

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