愛人や側室を囲うことが当たり前だった江戸時代。

巷では、愛人や側室に迎えた女性が「お漏らしする」と言う噂が飛び交います。
この噂には、「小便組」と呼ばれる美女揃いの詐欺集団が関わっていました。

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■美女揃いの詐欺集団

乳幼児の死亡率が高かった江戸時代では、名家の当主や裕福な商人が愛人や妾などの側室を囲い、できるだけ多くの跡取りを残すよう妾契約をすることもあったようです。しかし、ただ単純に好みの女性を侍らせたいという下心から女性を囲いたがる男性も少なくありませんでした。

そのようななか、江戸時代の中期頃に美女揃いの詐欺集団「小便組」が出現。妾や愛人を所望する富裕層をターゲットにした詐欺が流行します。

■下品な手口

江戸時代のエロ男たちをカモにした美女揃い詐欺集団「小便組」の手口


小便組のメンバーの中には美しい女性が多く在籍していたといわれますが、詐欺の手口は美しい女性がするとは思えないような下品なものでした。

妾や愛人を欲しがっている裕福な男性に近づき、気に入られると、前金として現在の1,400万円に相当する大金を支払わせて、「妾契約」を行ったのです。妾になると女性は毎晩のようにお漏らしを繰り返し、「お漏らしは病気だから治せない」と主張。さらに、あの手でこの手で欲しいものを無遠慮にねだり、愛想を尽かせて男性から離婚を切り出させると言う手口でした。

そして、「男性側からの一方的な契約解消」であると言い張り、多額の手切れ金まで用意させたというのです。

■2つの意味でお灸を据えられた小便組

汚い手口で稼いでいた小便組ですが、そのような悪事はいつまでも続きません。

あるとき、騙されていることを知らない男性が、病気でおねしょが止まらない愛人を心配して医者に見せたのです。
当時の医学では、寝小便を治すにはもぐさを使った治療が有効だとされており、女性の治療方法は鶏卵程の大きさのもぐさを膣中に入れてお灸を据えるというものでした。

女性はもぐさのとんでもない熱さに悶絶。かなりの苦痛から「これは、ムリ!」と詐欺から手を引いていったそうです。2つの意味でお灸を据えられた女性たちは、二度と詐欺をしなかったと言います。

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