これは「エレクトロ・カルチャー」と言う、大氣中に存在するエネルギーを土や植物に取り込むことができるといわれる道具。1749年にアッベ・ノレットという人が提唱した方法だそうです。
木、銅、亜鉛、真鍮などの材料で作ったアンテナを庭や土壌、農場に設置すると、害虫の減少、土壌の改良、収穫量の増加につながるとのこと。
…と、上記のことは筆者にも科学的根拠はよくわかりませんが、たまたまエレクトロ・カルチャーを見て、なぜ雷を「稲妻」と呼ぶのだろうと連想したわけです(導入が長くてすみません)。
■雷のなる時期と稲作が紐づけられた
辞書で調べると、稲が実る(旧暦の)夏から秋のはじめにかけて雨と雷がよく発生したため、雷の光が稲を育てるという信仰から生まれた、とあります。
そのため雷を「稲の『つま(=配偶者)』」と解し、「稲妻」(いなづま)、あるいは「稲光」(いなびかり)などと呼ぶようになったといわれています。日本書紀には、「雷電(イナツルヒ)」と記されており、古来から稲と雷の関係を我々日本人が感じていた様子がうかがえます。
実は、しめ縄に付いている紙垂(しで)が雷の形をしているのはそういう訳で、紙を雷型にすることで、豊作を願う祈りが込められているのです。

ちなみに横にわたしたねじった縄は雲を、垂れ下がった藁束は雨を表しているとか。ものすごく自然に密着した象徴だったのですね!
■「かみなり」と呼ぶわけは
では「かみなり」という呼称は由来があるのでしょうか。
実は、雷は神が鳴らすものだと信じられていたことから、本来は「神鳴り」という意味合いでそのように呼ぶようになったということです。
雷=豊作は、科学的根拠がなくもない窒素は肥料の三大要素のひとつで、タンパク質を構成する、植物が成長するために欠かせない栄養。窒素は空気の8割を占めていますが、植物は空気中の窒素をそのまま取り込める訳ではありません。 土中の窒素を微生物が分解することによって窒素化合物となり、栄養として吸収できるようになります。
そして雷は空気中の窒素を分解し、土中に送る作用があるそうです。 放電が起きると、空気中の窒素分子が酸化して窒素酸化物となり、雨と一緒に地面に落ち土壌に固定されます。
これを「窒素固定」というそうです。
雷が落ちると山火事になることがありますが、人間が人為的に行ってきた草原の野焼きは、土壌の余分な窒素を放出させたり栄養価を高めるといわれています。現在は焼却ゴミの成分が汚染につながる面もありますが、本来は土壌再生の知恵でもあったのですね。
参考:コトバンクなど
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