そこで、今回の記事では、「ピン」という言葉が含まれるさまざまな言葉について、その由来を探ってみたいと思います。
ぜひ、日本語のおもしろさを一緒に楽しみましょう。
■ピン芸人はあの外国語が由来
コンビやトリオ、グループなどに属さず、一人で活動する芸人さん、漫談師、コメディアンなどを指す言葉が「ピン芸人」ですよね。みなさんは、なぜ「ピン」というか知っていますか?
これは、なんとポルトガル語に由来します。ポルトガル語には「pinta(発音:ピンタ)」という単語があり、これはもともと「点、小さな点」という意味。その意味が転じてカルタやさいころの「1」を指すように派生しました。
16世紀にポルトガルから日本に、現在のトランプに近いカルタが伝えられ、この言葉や意味も日本人に伝わっていったものと考えられています。
ちなみに、同じくポルトガル語の「pinta」を由来とする言葉に「ピンからキリまで」というものがあります。
このピンは「1」、キリはポルトガル語の「crus(クルス:十字架という意味)」が転訛して「キリ」となり、「10」を意味するようになったという説があります。
ただし「ピンからキリまで」については、日本語の「切り」が語源という説もあります。
■ピンポイントの由来は?
ピンポイントは和製英語のようにも見えますが、実は英語で「pinpoint」という単語があります。
名詞で「(ピンなどの)先端、細い先、(地図にピンを刺して示す)正確な位置」、他動詞で「(場所などを)正確に示す、(的などを)正確に狙う」、形容詞で「極めて正確な」といった意味があります。
これらの意味が転じて、日本語では「局所的な場所や時間」を指すようになったと考えられています。
■ニアピンの由来は?
「惜しい、もう少し、もうちょっと」という意味で使われている「ニアピン」という言葉。ゴルフ用語から、日常会話でも使われるようになりました。
ティーショットでカップの一番近くに落とすことができた人を「ニアピン賞」などで表彰することがあります。ピンに近いからnear pin、とそのまま英語でも通じそうな気がしますが、正しい英語はgreenieまたはclosest to the pin。ニアピンは実は和製英語が由来の言葉なんです。
いかがでしたか?この記事が、みなさんが少しでも日本文化や歴史の面白さに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
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