みなさんは、「モボ・モガ」という言葉を聞いたことがありますか?「なにそれ?」とまったく見当がつかない方、「なにかの略?」と勘づいた方など、さまざまではないでしょうか。

「モボ・モガ」とは、「モダンボーイ・モダンガール」の略。
大正時代から昭和初期にかけて登場した「モダンボーイ・モダンガール」とは、いったいどのような人々だったのでしょうか。

この記事では、彼らのような存在が生まれた背景や、彼らの特徴をご紹介していきたいと思います。

■「モボ・モガ」っていったいなに?

現代の感覚でもハイレベル!大正・昭和時代に流行したオシャレ文...の画像はこちら >>


1928年撮影 (Wikipediaより)

「モボ・モガ」とは、19020年代(大正時代から昭和初期)にかけて、西洋文化の影響を受け、当時の流行の先端を取り入れた若者のことを指します。

上記のとおり、「モボ・モガ」は「モダンボーイ・モダンガール」の略。

「モボ・モガ」という言葉は、文筆家・政治家であった新居格(にいいたる)によって生み出されたという説があります。また、ほかにも、「モダンガール」という言葉は、1923年、ジャーナリスト・北澤秀一が新聞に掲載した論説が初出という説もあります。

■「モボ・モガ」が生まれた時代背景

第一次世界大戦にて、日本は民需・軍需にて輸出が増え、国益が増しました。その後大戦景気の影響で、消費文化や流行の輸入品が旺盛な消費活動を刺激。大衆消費社会では、さまざまな企業が「モダン」を銘打った商品デザインや広告を打ち出すようになりました。

■「モボ」の特徴とは?

モダンボーイのファッションの特徴としては、山高帽・ロイドメガネ(セルロイドで出来ていること、アメリカの喜劇役者ハロルド・ロイドが劇中でかけていたことに由来する名前です)・セーラーパンツ・細身のステッキなどが挙げられます。

■「モガ」の特徴とは?

モダンガールのファッションの特徴としては、ひざ下の長めのスカートや「アッパッパ(大きめのゆったりとしたワンピース。歩くと裾がパッパと広がることに由来します)」の着用などが挙げられます。
また、ショートカットにクロッシェ(釣鐘型の帽子)というのも流行しました。

■「モボ・モガ」への反発や、「モボ・モガ」の終わり

「モボ・モガ」のファッションは、当時の人にとっては衝撃的なものでもありました。特に保守的な考え方を持つ人や地方では、「モボ・モガ」は軽薄な風潮だという反発もありました。

また、1930年代以降になると、世界恐慌や戦時体制下に入っていくことなどから、華美な服装が次第に消えていくようになりました。

いかがでしたか?この記事が、みなさんが少しでも日本文化や歴史の面白さに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。

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