古代日本の権力者一族「蘇我氏」の知られざる物語!飛鳥石舞台古墳で歴史の息吹を感じよう【その1】
■飛鳥寺と仏教の普及
蘇我馬子が建てた飛鳥寺は、日本最初の本格的な仏教寺院でした。当時、飛鳥寺のような大寺院が建設されたというのは、まさに「世界の最先端文化を取り入れた新しい時代が来た!」という象徴だったでしょう。
日本の歴史の中で、仏教が広まっていく過程において、この寺院は中心的な役割を果たしました。
飛鳥寺に安置された飛鳥大仏も、今なおその時代の息吹を感じさせます。
■栄華の終焉:蘇我氏の滅亡
しかし、蘇我氏の栄光も永遠ではありませんでした。645年に起きた「乙巳(いっし)の変」で、蘇我蝦夷とその息子蘇我入鹿が暗殺され、蘇我氏は一族としての力を失いました。
この政変を主導したのは中大兄皇子(後の天智天皇)と中臣鎌足(後の藤原鎌足)。彼らの手によって、蘇我氏の時代は幕を閉じました。まさに歴史の大転換期です。

談山神社所蔵『多武峰縁起絵巻』(奈良県桜井市)
■現代に残る蘇我氏の痕跡
今もなお、奈良県橿原市曽我町や甘樫丘周辺には、蘇我氏に関連する神社や遺跡が点在しています。飛鳥石舞台古墳もその一つで、蘇我馬子の偉大さを今も物語る遺跡となっています。

石舞台古墳
これらの遺跡を訪れると、かつての日本を築いた豪族たちの姿が生々しく浮かび上がり、当時の人々の息遣いが感じられるようです。
蘇我氏の歴史は、単なる過去の物語ではありません。彼らは、渡来人の知識や技術を取り入れ、日本の文化や政治に新風を吹き込みました。
飛鳥の地を歩くとき、蘇我氏の栄光と没落に思いを馳せてみてください。彼らの足跡は、今も確かに私たちの側に息づいているのです。蘇我氏の歴史を感じる旅、いかがでしたか?
是非、奈良を訪れる機会があれば、明日香村の石舞台古墳を訪れてみてください。そして、遠い昔の人々の物語に触れてみてください。歴史がもっと身近に感じられるはずです。
参考
- 吉田孝『日本の誕生』 1997 岩波新書
- 大津透『古代の天皇制』1999 岩波書店
- 大津透『天皇の歴史01 神話から歴史へ』 2010 講談社
日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan