現代ではお風呂やシャワーが毎日の習慣になっていますが、江戸時代にも「銭湯(せんとう)」と呼ばれる公衆浴場がたくさんあり、みんな気軽に利用していました。
江戸名所図屏風
銭湯はただ体をきれいにするだけでなく、リラックスしたり、近所の人たちとおしゃべりを楽しんだりする場所でもありました。
銭湯でコミュニケーション!混浴があたりまえだった江戸時代のおもしろ風呂文化

お風呂のスタイルもいろいろありました。蒸気を使った「蒸し風呂」や、天然温泉を楽しむこともありました。今と同じように、ただ体を洗うだけでなく、心もリフレッシュする場所だったのです。
きれい好きな習慣は、江戸時代の人たちにとって健康だけでなく、気分を良くするためにも大事だったのでしょう。

繪本時丗粧より
江戸の町では、清潔を保つための工夫がたくさん見られました。朝になると、多くの人が家の前を掃除するのが当たり前でした。また、道にゴミを捨てるのはマナー違反とされていたので、みんなきれいな町を守ることを意識していました。
さらに、町内では掃除当番を決めて、みんなで協力して町全体の清掃をすることもありました。これは、現代の町内会の清掃活動や、ゴミを決められた日に出すルールに似ていますよね。
家庭の中でも清潔を保つ習慣が根付いていました。
たとえば、食事の後には器を丁寧に洗い、貴重な水を無駄にしないようにしていました。

ゴミの処理も、江戸時代には工夫されていました。たとえば、灰や使い終わった油は捨てるのではなく、農業や物を作る仕事で再利用されていました。今でいう「リサイクル」のような考え方が、すでに江戸時代にあったのです。
江戸時代の人たちは、清潔でいることを日常生活の中でとても大事にしていました。それは、健康を保つだけでなく、気持ちよく過ごすためにも欠かせない習慣だったのです。
今の暮らしと江戸時代の暮らしを比べると、時代が違っても清潔を大事にする考え方は共通しています。江戸時代の人たちの生活の知恵を知ると、私たちの生活にも取り入れられるアイデアが見つかるかもしれません。
昔の人たちの工夫をヒントにして、毎日の暮らしをもっと楽しく、気持ちよくしてみてはいかがでしょうか?
参考
- 二宮健一「洗 浄 と 清 潔 の 歴 史 概 観」『清潔な暮らしと洗浄』シリーズ 1
- 和田菜穂子「銭湯のデザインとライフスタイルの変遷に関する研究 」(2005 日本デザイン学会 第52回研究発表大会)
- 菅野 俊輔 監修『図説世界があっと驚く江戸の元祖エコ生活』(2008 青春出版社)
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