今年の富士山はコンビニの上の富士山や、入山規制などのニュースで連日話題になりましたね。
さて、そんな霊峰富士に、黒歴史ともいえる神話があるのをご存知ですか?
俗に「富士山と八ヶ岳の背比べ」と呼ばれる話です。
その昔話をご紹介します。
■富士山は日本で一番…じゃなかった!
八ヶ岳と富士山(フォトACより)
大昔、日本は見わたすかぎりの大平原でした。そのなかで、ひときわ高くそぴえている山が富士山と八ヶ岳です。
互いに向かい合っているうちに、富士山の女神の浅間様と、八ヶ岳の男神の権現様が「いったいどちらが背が高いか」と言い争いを始めます。
互いに自分の方が高いといって譲らず、永い間諍いは終わりませんでした。
そこで、二つの神さまは、木曽の御嶽山の阿弥陀如来に判定をお願いします。阿弥陀如来は、二つの山頂に長い樋(とい)を渡し、水を流せばわかるといいました。
言わずもがな、水は高い方から低い方へ流れるので、水が流れていく方が負けというわけ。
さて判定の日、阿弥陀如来様がさっそく水を流してみると、水は冨士山のほうへと流れていきました。このときは富士山が一番じゃなかったのですね!
これで一件落着…と八ヶ岳が得意になっていたところ、なんと!!
悔しさのあまり、富士山が八ヶ岳の頭を蹴っ飛ばしてしまいます。
その衝撃で八ヶ岳の頭は八つに割れて富士山より低くなり、富士山は晴れて日本一高い山となリました。
富士山(フォトACより)
ちなみに富士山の浅間神社の祭神は「木花開耶姫(このはなのさくやひめ)」。
今回も私が負けるわけがないじゃない、と怒りのあまり噴火してしまったのでしょうか。いきなり男の神を蹴っ飛ばして頭を割ってしまうとは…ルチャリブレ並みのアクロバティックさです(プロレス用語ですみません)。
さて、話はこれで終わりません……。
■仕事を放りだしたデイダラボッチ
八ヶ岳の妹の神である蓼科山は、変わり果てた八ヶ岳を見てたいそう悲しみました。いつまでも泣き続けるので、その涙は川となり、平地に溜まって諏訪湖となります。
しかしそこに住んでいた人々は、家や村が水没してしまい困り果てていました。
勝川春章・勝川春英画『怪談百鬼図会』より「大入道」
その様子をデイラボッチという大男が見ていました。
雲に頭が届くほどの大男なので、諏訪湖を埋めて村人たちを助けてあげようとしました。
彼は八ヶ岳から、土をモッコという運搬器具に入れて天秤棒を担ぎ運んでいましたが、粟沢村という場所で天秤棒が折れてしまいました。
デイダラボッチが代わりの天秤棒を探しに出かけてモッコの土を置き去りにしている間、その土は地面に固まってしまい、小泉山と大泉山という山になったということです。
ちなみにデイラボッチはそのままどこかへ消えてしまったということです。
面倒くさくなったのかな?(笑)
どこまでも神々に翻弄された麓の人間たち、怒っていいぞ!
普段「たおやかな」などと形容される富士山ですが、こんな荒々しい黒歴史があったとは驚きですね。
さて、そんな霊峰富士に、黒歴史ともいえる神話があるのをご存知ですか?
俗に「富士山と八ヶ岳の背比べ」と呼ばれる話です。
その昔話をご紹介します。
■富士山は日本で一番…じゃなかった!
八ヶ岳と富士山(フォトACより)
大昔、日本は見わたすかぎりの大平原でした。そのなかで、ひときわ高くそぴえている山が富士山と八ヶ岳です。
互いに向かい合っているうちに、富士山の女神の浅間様と、八ヶ岳の男神の権現様が「いったいどちらが背が高いか」と言い争いを始めます。
互いに自分の方が高いといって譲らず、永い間諍いは終わりませんでした。
そこで、二つの神さまは、木曽の御嶽山の阿弥陀如来に判定をお願いします。阿弥陀如来は、二つの山頂に長い樋(とい)を渡し、水を流せばわかるといいました。
言わずもがな、水は高い方から低い方へ流れるので、水が流れていく方が負けというわけ。
さて判定の日、阿弥陀如来様がさっそく水を流してみると、水は冨士山のほうへと流れていきました。このときは富士山が一番じゃなかったのですね!
これで一件落着…と八ヶ岳が得意になっていたところ、なんと!!
悔しさのあまり、富士山が八ヶ岳の頭を蹴っ飛ばしてしまいます。
その衝撃で八ヶ岳の頭は八つに割れて富士山より低くなり、富士山は晴れて日本一高い山となリました。

富士山(フォトACより)
ちなみに富士山の浅間神社の祭神は「木花開耶姫(このはなのさくやひめ)」。
夫の邇邇芸命(ににぎのみこと)に浮気を疑われて、炎の中で子供を産んだ気の強い女神です。
今回も私が負けるわけがないじゃない、と怒りのあまり噴火してしまったのでしょうか。いきなり男の神を蹴っ飛ばして頭を割ってしまうとは…ルチャリブレ並みのアクロバティックさです(プロレス用語ですみません)。
さて、話はこれで終わりません……。
■仕事を放りだしたデイダラボッチ
八ヶ岳の妹の神である蓼科山は、変わり果てた八ヶ岳を見てたいそう悲しみました。いつまでも泣き続けるので、その涙は川となり、平地に溜まって諏訪湖となります。
しかしそこに住んでいた人々は、家や村が水没してしまい困り果てていました。

勝川春章・勝川春英画『怪談百鬼図会』より「大入道」
その様子をデイラボッチという大男が見ていました。
雲に頭が届くほどの大男なので、諏訪湖を埋めて村人たちを助けてあげようとしました。
彼は八ヶ岳から、土をモッコという運搬器具に入れて天秤棒を担ぎ運んでいましたが、粟沢村という場所で天秤棒が折れてしまいました。
デイダラボッチが代わりの天秤棒を探しに出かけてモッコの土を置き去りにしている間、その土は地面に固まってしまい、小泉山と大泉山という山になったということです。
ちなみにデイラボッチはそのままどこかへ消えてしまったということです。
面倒くさくなったのかな?(笑)
どこまでも神々に翻弄された麓の人間たち、怒っていいぞ!
普段「たおやかな」などと形容される富士山ですが、こんな荒々しい黒歴史があったとは驚きですね。
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