もし観ているなら嬉しいですし、観ていないなら勿体ない。
お忙しいのも分かりますが、食わず嫌いなら一度は観てみて欲しいです。
正直なところ、筆者も江戸時代はあまり詳しくありません。それでも横浜流星演じる主人公の蔦屋重三郎(蔦重、重三)には、応援したくなる魅力があります。
応援ついでに江戸時代の歴史も少しは知れる(※)のだから、観てみて損はないでしょう。
(※)ドラマなので創作が混じるのはご愛嬌。まるごと鵜呑みは禁物です。
今回は観てきた方と一緒に1月を振り返り、まだ観てない方には「どんなもんかな」というご参考となるよう、第1回から第4回まで感想を走り書きしてまいります。
■第1回放送「ありがた山の寒がらす」
『目黒行人坂火事絵巻』より、火災現場の様子。
放送:1月5日(日)
さぁ始まりました。明和九年の大火から物語が幕を開け、社を背負って走る蔦重。吉原遊廓の先を案じて田沼意次に直談判を強行するも、逆に諭されて目が覚めました。
吉原に帰ってくれば忘八連中から袋叩きにされ、挙げ句に三日三晩の桶伏せです。
荒唐無稽は百も承知、若さと情熱に突っ走る姿を、苦笑いつつ見守りましょう。
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■第2回放送「吉原細見『嗚呼御江戸』」

二代目・瀬川菊之丞(左)と平賀源内(右)
放送:1月12日(日)
吉原細見の序文が面白ければ、きっと人を呼び込める。そう考えた蔦重は、文才で知られた平賀源内を説得します。
幼なじみの花の井に助けられ、何とか序文を書いてもらい、苦心の末に吉原細見の刷新を果たしました。
繁盛、繁盛、あぁお江戸。自分の努力が形になるのって、本当にワクワクしますよね。
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■第3回放送「千客万来『一目千本』」

礒田湖龍斎「雛形若菜の初模様 丁子屋内名山」と蔦屋重三郎『一目千本 椿 丁子や名山』
放送:1月19日(日)
果たして吉原細見は大人気。吉原細見は飛ぶように売れた……ものの、お客はみんな買って満足。吉原遊廓には来てくれません。
何とか足を運んで貰えるよう、あえて売らない戦略で興味を惹き出し、遊女を花に見立てる斬新な趣向が人気を呼んだ『一目千本』。
出版の面白さに目覚めた蔦重ですが、既存の本屋たちにとっては、蔦重の成功が面白くありません。
あえて売らない蔦重の営業戦略!”カモ平”の魅力上昇!【大河べらぼう】1月19日放送の解説・振り返り

■第4回放送「『雛形若菜』の甘い罠」

礒田湖龍斎「雛形若菜初模様 金屋内 う記舟(うきふね)」
放送:1月26日(日)
『一目千本』の成功で、今度は美人画を出して客を呼び込もうと話し合う忘八連中。
カネは出さずに口やかましい連中ですが、それでも蔦重「やらせてもらいにゃす!」と買って出ました。
西村屋与八のバックアップで見事成功、『雛形若菜初模様』に自分の名が……と思いきや、ここに仕掛けられた甘い罠。
西村屋与八は鱗形屋孫兵衛や鶴屋喜右衛門とグルになっていて、出版業界の既得権益から蔦重を締め出したのです。
誰より駆けずり回ったのに……言い出しっぺの忘八たちからも梯子を外され、既得権益の壁を思い知るのでした。
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■「べらぼう」1月のまとめ

蔦屋重三郎(画像:Wikipedia)
とまぁ1月はこんな感じ。実際には江戸城における田沼意次と田安賢丸の権力抗争などもありましたが、ひとまずは蔦重を中心にお送りしました。
吉原という故郷のために志を立て、走り回る姿は、観ていて励まされるものだったと思います。
とかく世の中カネ、カネ、カネ。もっと儲けたい・楽をしたい・贅沢したいと「たい」尽くしのおめでたい浮世は、21世紀の令和も変わりません。
そんな中でも社会(みんな)のために、自分が出来ることを一生懸命やるんだ。そういうメッセージを本作は伝えてくれているようです。
実際の蔦屋重三郎がそうだったかはともかく、横浜流星が演じる蔦重はそういう生き方を魅せてくれるのでしょう。
願わくば清濁併せ呑みながらも、理想を捨てない蔦重であって欲しいものです。
■終わりに
いかがでしょうか。拙い振り返りではありますが、少しは観てやろうって気にはなって来ませんか?なりましたよね?ね?
でもってチラッと観ていただけたら幸いです。
戦なんかなくったって、今まで知らなかった人物だって、人は人の生き方にいくらでもワクワクできます。
どうかこの機会に、NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」のぞいてやっちゃあもらえないでしょうか。
日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan