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■髪結床は江戸時代の理髪店
髪結床は、今でいう床屋のこと。江戸時代の男性の髪を結い、整える店です。
ところで、美容院にいった翌日よりも、数日たった方が髪の毛って落ち着きませんか?ビシッとキメたいときは、前日よりも数日前に美容院にいくぐらいがちょうどいいという人は、きっと少なくないはず。当時の髪結床は、月代(さかやき)や髭も剃ってくれました。(※月代…江戸時代に男子が額から頭の中ほどにかけて、髪を剃った部分)時代劇などをみたら「あーこの部分が月代ね」と分かっていただけると思います。
月代から毛がちょっと伸びてきて、髷(まげ)もナチュラルな感じになっているのが、粋だったそう。確かにバッチリ決まりすぎていると、張り切った感がバレバレで、格好いいとは言えないですものね。「あくまでも、さりげなく」キマっている髪型が好まれたのでしょう。
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■髪を整えるだけじゃない、髪結床の愉しみ
しかも、髪結床は、髪を切るだけの場所であるだけでなく、お客同士のコミュニティースペースとしても機能していました。
待っている間に囲碁や将棋を楽しんだり、世間話で盛り上がったり。男だけの気のおけない空間で、待ち時間もわいわいと楽しく過ごしていたようです。
■3つのスタイルがあった髪結床
髪結床には、いくつかのスタイルがありました。町内に店を構える内床(うちどこ)、河岸の空き地などに店を出す出床(でどこ)、店を持たず廻って髪結する廻り髪結いなど。ちなみにこの廻り髪結いのお客は、商家や遊女などが多かったとか。びんだらいという道具箱を持ち歩いてお客の元を訪れ、都度払いではなくひと月ごとで料金を払うことが多かったとか。特に遊女は、自由に外出できない身なので、廻り髪結いがいると大助かりですよね。
江戸時代の人々は、粋なことが大好き。髪型だって、粋がいいのです。髪結床に行った数日後に、粋な髪型になっていたら、ルンルン気分間違いなし♪
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