出典:日本相撲協会公式twitter(@sumokyokai)
そんな熱気に溢れた客席が最もヒートアップするのは、なんといっても金星の瞬間でしょう!平幕力士が横綱に挑んで土をつけた瞬間は客席から一斉に座布団が飛び交い、テレビの画面越しにもその熱狂ぶりが伝わってくるようです。
(※土俵に座布団などの物を投げ入れる行為は大変危険。禁止されています。)
■「金星」とは前頭が横綱に勝つこと!
金星というのは本来、平幕と呼ばれる前頭の力士が横綱を負かしたときにのみ使われる言葉です。小結・関脇・大関という三役の力士が横綱に勝ったとしても金星と言わず、通常の勝ちと同じ白星として数えます。
相撲の世界はまさに階級社会。数百人規模の幕下力士に対し、幕内力士となることができるのはたった40名程であります。テレビ中継で見ることのできる力士は、百戦錬磨の猛者たちだったんですね。

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そのうえ大相撲は総当たり戦ではありませんから、晴れて幕内力士となることができたとしても、地道に勝ちを重ねなければ横綱との取組は叶わないのです。
こうしてひたむきな努力を重ねて手にする金星がどれほどの喜びか、想像しただけで胸が熱くなります。
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■一度の金星で、引退するまで給金アップ!
この金星というのは、単に名誉なだけではありません。力士が手にする報酬にも大きく影響してくるのだそうです。
力士は月給制で、地位に応じた額を毎月受け取っています。この基本給に加えて、地位やこれまでの成果に応じた各種手当てが褒賞金として場所ごとに支給されます。
金星を獲得した場合は、ひとつにつき一年間で約24万円ほどの手当てが褒賞金に上乗せされるようです。またこの給金アップは関取でいる限り、引退するまで続きます。
我が身に置き換えてみると、年収24万円アップはかなり大きいですよね!
金星ひとつにつき約24万円ということですから、5つ金星を獲得できれば120万円もの額になります。幕下時代の年収は100万円に満たないとも言われますから、これはたいへん夢のあるお話です。

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しかし力士たちはたとえ金星を取ったとしても土俵で浮かれたり小躍りするようなことは決してなく、粛々と頭を下げ土俵を後にします。この品格ある振る舞いがかっこいいですよね。
私たち観客も力士を見習い、座布団を投げ込みたい思いはぐっとこらえて、大きな拍手と歓声を送りましょう。
金星を獲得できるほどに成長するのは並大抵のことではありません。日々血の滲むような稽古に耐えているおすもうさんたちを、いつまでも応援しています!
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